子どもが生まれ、車購入を検討中です。新車と中古車、どちらがお得でしょうか? 維持費も含めて総合的にかかる費用目安を知りたいです。

配信日: 2025.10.30
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子どもが生まれ、車購入を検討中です。新車と中古車、どちらがお得でしょうか? 維持費も含めて総合的にかかる費用目安を知りたいです。
子どもが生まれると、日々の送迎や買い物、実家への帰省などで車が必要となる方もいるでしょう。しかし、車の購入は本体費用だけでなく、税金・保険・燃料・車検・駐車場・将来の売却価値まで含めた総コストで考えないと、思わぬ支出増につながることもあります。
 
本記事では、新車と中古車の費用を客観的に比較し、ライフスタイルに合った選択を見極めるポイントを解説します。
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お得かどうかは使い方と期間で変わる

新車と中古車は、どちらが得かを単純に比較できません。お得さは、「使用年数」「走行距離」「資金計画」によって変化します。
 
短期間で乗り換えるなら、購入費が安く値下がりしにくい中古車が有利です。一方、長く乗り続けたい場合や最新の安全装備・燃費性能を重視するなら、新車のほうが結果的にコストパフォーマンスはよくなることもあります。
 
最も重要なのは、「車を保有することで毎月いくら現金が出ていくか」を把握することです。これを“トータルコスト(TCO)”と呼び、購入費、維持費、保険、燃料代、そして将来の売却額までを含めて見える化することが合理的な判断につながります。
 

購入費だけではない! 見落としがちな維持費の負担

車を所有するには、購入時の税金(環境性能割など)のほか、毎年の自動車税や車検時の重量税、自賠責・任意保険、燃料費、駐車場代などさまざまな費用がかかります。
 
1年間にかかる燃料費は、「(年間走行距離÷実燃費)× ガソリン1Lあたりの価格」で計算できます。例えば、2025年のレギュラーガソリンの全国平均価格は170円台後半で推移しています。1リットルあたり175円と仮定して年間8000km走ると、実燃費16km/Lの車で8万7500円、14km/Lの車で約10万円となります。
 
また、都市部では駐車場代が月1万円を超えることも多く、年間で12万円以上になるケースも少なくありません。さらに、任意保険料は事故率や修理費の上昇に伴い年々上がる傾向にあり、加入条件や等級によって年間数万円単位の差が生じることもあります。
 

5年間乗った場合のシミュレーションを考えてみよう

ここでは、子育て家庭で人気の国産コンパクトカー(排気量1300~1500cc)を例に、新車(220万円)と5年落ち中古車(120万円)でシミュレーションします。前提条件は、年間8000km走行、ガソリン単価175円/L、実燃費は新車16km/L・中古車14km/L、駐車場代は月1万円とします。
 
燃料費は、新車(実燃費16km/L)が8000km÷16km/L×175円×5年=43万7500円、中古車(実燃費14km/L)が8000km÷14km/L ×175円×5年=約50万円です。これに駐車場代(月1万円×12ヶ月×5年=60万円)を加えると、燃料費と駐車場代だけで新車は103万7500円、中古車は110万円となります。
 
さらに、自動車税や保険料・車検費用などの維持費を加味すると、5年間の総コストは新車が約150~180万円、5年落ち中古車は約130~160万円と想定されます。
 
一見、中古車のほうが安く見えますが、売却時のリセールバリューによって最終コストが逆転する場合もあります。一般的に、新車は年式が新しく走行距離が短いため、下取り価格が高くなりやすい傾向があります。
 
つまり、購入時の費用は中古車が抑えられる一方、保有期間と売却価値まで含めて見ると新車が不利になるとはかぎらないため、新車か中古車かの選択は総合的に比較することが重要です。
 

判断のポイントは数字で比べること

車にかかる総所有コスト(TCO)は「購入価格+税・登録費+燃料費+保険+駐車場+整備費-売却価格」の計算式で整理すると明確になります。
 
このなかで変動が大きいのは、「ガソリン価格」「保険料」「リセールバリュー」の3点です。これらは週単位・年単位で変わるため、見積もりを取るタイミングも重要になります。
 
また、車の使用状況は家庭によって異なるため、走行距離や駐車場代を自分の生活に合わせて具体的に置き換えることが、正確なコスト比較と賢い車選びのポイントです。
 

新車・中古車の選択はわが家の数字で見える化して決めよう

新車・中古車どちらが得かは感覚ではなく、数字で客観的に比較することが失敗しないコツです。まず、年間走行距離や利用頻度を把握し、燃費・駐車場・保険料などのコストを個別に見積もりに反映させましょう。
 
そのうえで、新車・中古それぞれについて5年間のTCOを計算し、5年間にいくら現金が支出されるかで判断します。
 
特に子育てなどで家族が増えるタイミングは、出費が重なる時期でもあります。車の購入は生活コストの一部と捉え、数字を冷静に積み上げていくことが、家計にとって最も賢明な選択といえるでしょう。
 

出典

国土交通省 自動車関係税制について(エコカー減税、グリーン化特例 等)
経済産業省 資源エネルギー庁 ガソリン全国平均価格の推移
東京都主税局 自動車税種別割
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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