「繰越済みの通帳」は“最低7年間”は保管しておくべき? 「相続」や「贈与」の際に必要になるって本当!? 「適切な処分方法」も解説
本記事では、繰越済みの通帳を保管しておくべき理由と不要になった際の処分方法などを解説します。
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“贈与税”や“相続税”の申告に「繰越済みの通帳」が求められることがある
通帳にはATMを利用した入出金の履歴だけでなく、給料・ボーナスの入金やクレジットカードの引き落としなどの情報も記録されます。こういった情報は家計簿をつける際だけでなく、贈与税や相続税の申告のときにも役立つかもしれません。
入出金や資金の移動、残高などが記載されている通帳は、相続財産や贈与資金の実態を確認するための重要な資料になります。そのため、繰越済みの通帳も含めて保管しておくとよいでしょう。贈与税の申告には贈与資金がどのように受け取られたかを証明するために、通帳のコピーや振込明細書の提出が求められる場合があります。
贈与税の時効は原則として法定申告期限から6年、偽りまたは不正行為があるなど悪意が認められる場合は7年になります。相続税も同様に、原則5年、悪意ある場合は7年です。これから贈与や相続の可能性がある場合は申告に備えて最低でも7年間通帳を保管しておくとよいでしょう。
過去の通帳が見つからない場合の対応
過去の通帳を処分してしまった場合、各金融機関にて入出金明細や残高証明書など、過去の履歴や口座残高の証明書を取得する必要があります。ただし、発行手数料を設けている銀行もあり、思わぬ出費となることもあるため注意しましょう。
例えばある銀行では、残高証明書を発行してもらう場合、1通あたり880円の手数料がかかるケースがあります。また、預金入出金取引証明の手数料は5年以内の分であれば1年あたり1100円、5年を超えると5年分の手数料5500円に加えて5年を超える明細1ヶ月分につき550円がかかります。
複数の口座を所持している場合、各種書類の発行手数料が積み重なって、無視できない額となるかもしれません。
「繰越済み通帳」の適切な処分方法
一定期間保管し、不要となった通帳は処分しても構いませんが、さまざまな個人情報が含まれているため、処分する際は情報を判別できなくなるようにする必要があります。
具体的には、シュレッダーやハサミで細かく切り刻む、黒の油性マジックで個人情報を塗りつぶすなどです。また、細かく切り刻んだ後、新聞紙や中身が見えない不透明な袋を使ったり複数のゴミ袋に分けたりして処分すると安心です。
まとめ
繰越済みの通帳は、家計管理だけでなく相続税や贈与税の申告の際に提出を求められるケースがあります。通帳がないと、申告内容が正しいことを証明できない恐れもあるでしょう。
金融機関で過去の履歴や口座残高の証明書を発行してもらうことも可能ですが、書類の発行には手数料がかかる場合もあります。そのため、繰越済みの通帳は少なくとも7年間は処分せず管理するとよいでしょう。
不要になった通帳は、個人情報を判別できないように細かく切り刻んだり、塗りつぶしたりして、適切に処分することが重要です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
