「聖徳太子の1万円札は5万円の価値がある」と言う祖父。今でも普通に使えるはずですが、そこまで“珍しい紙幣”ではないですよね? 本当でしょうか?
昔のお金を集めていると「聖徳太子の1万円札は5万円の価値がある」などといった話を耳にするかもしれません。今回は「聖徳太子の1万円札」の価値を紹介し、あわせて「いまも使えるの?」という疑問にもお答えします。
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「聖徳太子の1万円札」は価値がある? いまでも使える?
私たちが日ごろ目にする紙幣は、戦後以降の発行順によって「A~F」の記号で区別される場合があります。
独立行政法人国立印刷局のホームページによれば、聖徳太子の肖像が描かれた1万円札は「C一万円券」と呼ばれるものです。これは「戦後3番目に発行された紙幣」を意味しており、昭和33(1958)年から昭和61(1986)年の期間に発行された紙幣であることを表しています。
2024年7月に紙幣の改刷が実施されたことは記憶に新しいですが、現在発行されている紙幣は戦後6番目に発行されたものであることから、それぞれ「F千円券」「F五千円券」「F一万円券」と呼ばれます。
古い紙幣を「現在も使用できるのか」という点については、財務省のホームページで「使用できる」との回答が示されています。なお、戦後間もない昭和21(1946年)発行の「A壱円券」や、明治時代の「旧壱円券」も使用できるとしています。
ただし、残念ながら聖徳太子の「C一万円券」には、一般的に額面通りの価値にとどまるとされています。これには、長期間にわたって使用されたことや、発行枚数が多いことなどから、希少性が低いという理由が考えられます。
「聖徳太子の1万円札」に価値がつくケース
前記の通り、流通量の多さなどの理由から、一般的には「聖徳太子の1万円札」に希少性は見込めません。一方、その中でも一定の条件を満たしたものは高値での取引を実現できる場合もあるようです。
具体的には、以下の条件をクリアすると高値がつく可能性を見込めるかもしれません。
・未使用品
・福耳(製造ミスにより、紙幣の四隅いずれかに切れ端がついているもの)
・エラープリント
・記番号が珍しいもの
・AA券およびZZ券など
このように「福耳」や「エラープリント」など、本来は発行上のミスによる産物であっても、「珍しさ」に価値が付くケースが存在するそうです。掲題のケースでは、祖父の保管する紙幣が「未使用品」などの場合は、額面以上の価値があると判断される可能性も十分に考えられます。
「聖徳太子の1万円札」を高く売る3つのコツ
自宅に眠っている「聖徳太子の1万円札」などの古い紙幣を高く売りたいと考えるのであれば、以下のポイントを意識すると、少し価値が上がる可能性も出てきます。
・保存状態に気をつけて劣化する前に売却する
紙でできている紙幣は、経年により傷みやすいといわれています。長期保存により経年劣化してしまう恐れもあるため、保存状態が良いうちに売却するのも1つの方法です。
・自分で無理な手入れはしない
保存していた紙幣が傷んでしまったからといって、自分で無理な手入れをするのはご法度です。素人の手入れは、紙幣の価値を下げる恐れがあります。
・複数の専門業者へ見積もりを依頼する
紙幣の価値は時々刻々と変化し、専門業者によって見積もりが変動する可能性もあります。少しでも高値で売却したい場合は、複数の業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。
まとめ
「聖徳太子の1万円札」には、一般的に「5万円の価値」は見込めません。ただし、保存状態や記番号の珍しさによって、価値が上がるケースもあるようです。「古いお札が家にあったかも」といった心当たりのある人は、一度状態や番号、相場をチェックしてみてはいかがでしょうか。
出典
独立行政法人国立印刷局 お札の基本情報
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
