来年から「月10万」の年金暮らし。家賃が「8万円」なので、家賃が安い“公営住宅”に引っ越したい…入居条件にはどのようなものある?

配信日: 2025.11.06
この記事は約 3 分で読めます。
来年から「月10万」の年金暮らし。家賃が「8万円」なので、家賃が安い“公営住宅”に引っ越したい…入居条件にはどのようなものある?
定年などを理由に退職する場合、月々の暮らしが年金頼みになることがあります。今回のケースでも月10万円の年金受給のみで生活しなければならないようです。
 
このような場合、これまでのような支出を維持できず、生活スタイルの大幅な変化を余儀なくされるかもしれません。今回の相談者も、8万円の家賃を払い続けられないため、公営住宅への引っ越しを検討しています。
 
しかし公営住宅に入居するためには、通常、一定の条件を満たすことが必要です。本記事では公営住宅の入居基準を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

公営住宅の概要

公営住宅とは、地方公共団体が運営する住宅を指します。通常、公営住宅に入居できるのは低所得者です。家賃が相対的に安く設定されている点が、公営住宅の特徴です。
 

入居資格は法律で定められている

公営住宅の入居資格は、「公営住宅法」の第23条で次のように定められています。


1 収入がイまたはロに掲げる場合に応じ、イまたはロの規定金額を超えないこと

イ 入居者の心身の状況や世帯構成、区域内の住宅事情などを考慮し、特に居住の安定を図る必要がある場合として条例で定める場合/入居時の収入上限が政令で定める金額以下で事業主体が条例で定める金額

ロ イに掲げる場合以外の場合/低額所得者の居住の安定を図るため必要なものとして政令で定める金額を考慮し、イの政令で定める金額以下で事業主体が条例で定める

2 住宅に困窮していることが明らかであること

つまり、住む場所に困っていて、自治体が定める収入条件を満たしている人が入居対象者となります。
 
公営住宅法施行令によると、上記の「イ」に規定する月収金額は25万9000円で、「ロ」の規定額は15万8000円です。そのため、これらの金額を収入条件としている地域が多いようですが、具体的には各団体に問い合わせるとよいでしょう。
 
なお自治体の中には、同居親族がいることを基本要件としているケースもあります。単身での入居は、高齢者であることや、身体障害者であること、ハンセン病患者であることなど特定の条件を満たさない限り、申し込めない場合もあるようです。
 

入居を優先される世帯がある

低額所得者の中でも、住宅の困窮度が特に高いと思われる世帯は、地方公共団体が優先的に入居させることがあります。具体的には、次の世帯などが対象です。


・高齢者世帯
・障害者世帯
・著しく低所得である世帯
・子育て世帯
・若者夫婦世帯
・DV被害者世帯
・犯罪被害により従前住居に住み続けることが難しくなった世帯

優先的な扱いを受けられるか知りたい場合は、管轄の地方公共団体に問い合わせることをおすすめします。
 

東京都営住宅の例

東京都北区が公表している基準を例に、具体的な入居条件を見ていきましょう。世帯人数別の所得基準は表1の通りです。
 
表1

世帯人数 一般区分 特別区分
(高齢者や障害者、子どもがいる世帯など)
一人 ~189.6万円 ~256.8万円
二人 ~227.6万円 ~294.8万円
三人 ~265.6万円 ~332.8万円
四人 ~303.6万円 ~370.8万円
五人 ~341.6万円 ~408.8万円
六人 ~379.6万円 ~446.8万円

出典:北区「都営住宅に入居するための所得基準」を基に筆者作成
 
特別区分は、一般区分よりも所得基準がやわらぎます。また世帯人数が多いほど、許容所得は高くなります。
 

公営住宅の入居には収入基準を満たすことや住宅に困窮していることが基本条件となる

公営住宅は基本的に、低所得者を対象としています。そのため、公営住宅法や地方公共団体の条例などが定める要件を満たすことが必要です。主な条件には、住宅に困窮していることや収入基準を満たすことが挙げられます。
 
地方公共団体により多少の違いがありますが、一般的な月額あたりの収入基準は一般区分では15万8000円以下、特別区分は25万9000円以下です。今回のケースは月収10万円ですが、前述の一般基準に照らすと、収入面はクリアしているようです。
 
ただし収入のみが条件ではないため、入居条件を満たしているかどうか確証を得たい場合は、該当する地方公共団体に相談するとよいでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov 公営住宅法 第23条
デジタル庁 e-Gov 公営住宅法施行令 第6条
北区 都営住宅に入居するための所得基準
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問