葬儀で香典を家族まとめて包もうとしたら、親戚から「1人ずつ出すべきだ」と言われてしまいました。マナーとしてはどちらが正しいのでしょうか?
そこで本記事では、「香典をまとめて包んでもいいのはどのような場合か?」「香典をまとめて包むとき、香典袋にはどう書いたらいいか?」について解説します。
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
香典をまとめて包んでもいいのはどのような場合か?
香典は、今でこそ「遺族の葬儀費用の負担を補うために包むお金」という相互扶助的な意味合いが強いですが、もともとは「故人のために香を薫(くん)じて供える」という意味を持っていました。そのため、香典は故人を悼む気持ちを表すものであり、1人ずつ包むことが基本とされています。
しかし、だからといって2人以上が香典をまとめて包むことが、ただちに故人や遺族に対して失礼になると捉えられるわけではありません。むしろ、香典をまとめて包むほうが適する場合もあります。
香典をまとめて包むほうが適しているのは、夫婦・家族・職場の同僚など故人や遺族から見て1組または1グループと認識される人たちが香典を包む場合です。
夫婦や家族で香典を包む場合、世帯単位でまとめて包むことが一般的です。また職場の同僚で香典を包む場合、代表者のみが参列する、あるいは団体として参列するのであれば、まとめて包んでも問題ありません。
香典をまとめて包むとき、香典袋の表にはどう書いたらいいか?
香典袋には水引のついた外袋とお札を入れる中袋があるのが一般的であり、外袋の表には表書きと名前、中袋の表には金額、裏には住所と名前を書きます。香典を個別で包む場合はこのとおりに書けば問題ありませんが、まとめて包む場合には注意が必要です。
香典袋に書く名前は、3人以内にするのがマナーです。3人以内であれば、香典袋の表に全員の名前を書きます。4人以上の場合は「団体名一同」または代表者の姓名を中央に、左側に「他〇名」や「他一同」と書き、全員の名前と住所を記載した紙を香典袋の中袋に入れます。
夫婦で香典を包む場合は、同じ姓であれば代表者の姓名(フルネーム)を中央に書き、その左側に配偶者の名(下の名前)を添えます。配偶者の代理として参列する場合は、代表者の姓名を書き、その左下に「内」と添えます。別姓の場合は、両方ともフルネームで記します。
家族で香典を包む場合は、世帯を代表する人の姓名を中央に書き、その左側に配偶者、子どもの名の順で書きます。ただし、子どもが小さかったり収入がなかったりする場合は、子どもの名は書かなくてもかまいません。名前が4人以上になる場合は、代表者の姓名の左側に「他一同」と添えます。
職場の同僚で香典を包む場合、3人以内であれば全員の名前を記載し、4人以上であれば「団体名一同」または代表者の姓名を中央に書き、左側に「他〇名」や「他一同」と書きます。4人以上の場合は、全員の名前と住所を記載した紙を香典袋の中袋に入れます。
まとめ
本記事では、「香典をまとめて包んでもいいのはどのような場合か?」「香典をまとめて包むとき、香典袋にはどう書いたらいいか?」について解説しました。まとめると、以下のとおりです。
・香典をまとめて包んでもいいのは、夫婦・家族・職場の同僚など故人や遺族から見て1組または1グループと認識される人たちが香典を包む場合
・香典をまとめて包むとき、香典袋の表には3人以内であれば全員分の名前を書き、4人以上であれば「団体名一同」または代表者の姓名を中央に、左側に「他〇名」「他一同」と書く
香典は故人を悼む気持ちを表すものであり、1人ずつ包むことが基本となりますが、まとめて包むほうがいい場合もあります。マナーとしてどちらが正しいかは形式で判断するものではなく、故人や遺族との関係性や状況も含めて適切に判断するべきでしょう。
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
