4人で割り勘の食事会。友人が「私のカードで払うね」と率先してくれたけれどポイント目当て?キャッシュレス決済の今、互いに納得できる“割り勘のルール”とは
4人での食事会の会計時、そう言ってスッとカードを差し出した友人。頼もしく見えるその姿に感謝しながらも、心の中に小さなもやもやが残ったことはありませんか。
キャッシュレス決済が当たり前になった今、この“ポイント問題”が新たな割り勘トラブルになる場合があります。
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「まとめて払う人」が得をする仕組み
クレジットカードやスマホ決済の多くは、利用金額に応じてポイントやマイルが付与されます。4人で2万円の会計をひとりがカードで支払えば、5%還元のカードなら1000ポイントがもらえる計算です。
もちろん「ポイントが欲しいから払う」と公言する人は多くありませんが、会計のたびに同じ人が率先してカードを出すと、「もしかして……」と感じることもあるでしょう。
もやもやの正体は「不公平感」?
この違和感の正体は、金額の問題ではなく「公平さ」への感情かもしれません。
キャッシュレス時代の割り勘は、支払い方法やタイミングが多様になったことで、やり取りが“見えにくく”なっています。以前ならレシートを見ながら「1人5000円ね」と現金を手渡すだけでしたが、今は支払い手段が多様化しています。
実際に株式会社エイチームライフデザインの調査では4人に1人がキャッシュレス割り勘を利用しているという結果も出ています。「後で送るね」と言って忘れてしまったり、少し多めに払った人が損をしたりするケースもあるでしょう。
こうしたズレが、支払った側には「ちゃんと回収できるかな」という不安を、支払わなかった側には「ポイント分だけズルい」という不満を生みます。金額の多寡ではなく、「気持ちのバランス」が崩れることで関係性がぎくしゃくしてしまうのです。
キャッシュレス時代のスマートな割り勘ルール
では、どうすれば全員が納得できる“キャッシュレス割り勘”ができるのでしょうか。ここでは、トラブルを防ぐための4つのルールをご紹介します。
1.支払い前に「どう割り勘するか」を確認する
会計の前に「まとめて払う? それとも個別に? 」と一言確認しておくことが大切です。たったこれだけで、後から生じる誤解を防げます。「ポイントもらえるし、私が払っていい?」と正直に伝えるのも誠実な方法です。率直なコミュニケーションこそ、信頼関係を保つカギになります。
2.アプリの「割り勘機能」を活用する
PayPayなど、多くのアプリには「割り勘リクエスト」機能があります。支払い後すぐに自動で金額を計算し、各自に請求してくれるので、払い忘れや曖昧なやり取りを防げます。一人あたりの金額が明確になることで、“誰が払ったのか”が可視化され、全員が納得しやすくなります。
3.ポイント目的の「まとめ払い」には感謝を添える
誰かがカードで立て替えてくれた場合は、「ポイントもつくのに払ってくれてありがとう!」と感謝を伝えることが大切です。
たとえ相手の目的がポイントだったとしても、「立て替えの手間を引き受けてくれた」という事実は変わりません。気持ちよく感謝を伝えることで、その場の空気も和やかになります。
4.友人グループで“割り勘文化”を統一する
仲の良いメンバーであれば、あらかじめ「いつもPayPayで送る」「会計は基本個別で」などルールを決めておくと、トラブルが起こりにくくなります。一度の会計よりも、長く続く関係のほうがずっと大切です。全員が気持ちよく過ごせる“マイルール”を共有することが、大人のスマートな付き合い方だといえるでしょう。
信頼があれば、ポイントは問題にならない
結局のところ、割り勘で一番大切なのは「信頼関係」です。お互いに信頼できる関係であれば、「あの人が払ってくれたなら大丈夫」と思えますし、多少のポイント差など気にならなくなります。
しかし信頼が欠けると、どんなに小さな差でも不満に感じてしまうものです。
キャッシュレス化が進み、便利さと引き換えに“見えないやり取り”が増えた今だからこそ、必要なのは金額以上に「誠実なやりとり」ではないでしょうか。スマートな割り勘とは、アプリの使い方ではなく、気持ちの伝え方にこそあるのだと思います。
出典
株式会社エイチームライフデザイン キャッシュレス割り勘に関する意識調査(PRTIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
