スマホの請求額が30万円超…!原因は子どものゲーム課金でした。親が許可していない無断課金は取り消せますか?

配信日: 2025.11.09
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スマホの請求額が30万円超…!原因は子どものゲーム課金でした。親が許可していない無断課金は取り消せますか?
「スマホ料金がいつもより高いな」と思って明細を見たら、30万円もの高額請求。内訳を確認すると、子どもがスマホのゲームで次々と課金していた。そんなトラブルは、近年決して珍しい話ではありません。では、親の許可なく行われた子どもの「無断課金」は、取り消すことができるのでしょうか?
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子どものゲーム課金トラブルが急増中

スマートフォンが家庭に普及し、子どもでも簡単にゲームアプリを遊べるようになりました。基本プレイ無料(いわゆる「基本無料」)のゲームが多い一方で、アイテム購入やガチャなどの「課金」要素が組み込まれているものがほとんどです。
 
実際に、消費者庁や国民生活センターには「子どもが無断でゲーム課金をしてしまった」という相談が相次いでいます。消費者庁の調査によると、未成年のオンラインゲーム課金に関する相談の中で、20歳未満が行った契約購入金額の割合の最多は10万円~50万円未満であり、高額の相談が多くなっていました。
 
中には、クレジットカードやキャリア決済が登録されたままになっており、数十万円単位の請求が届いてから気づくケースもあります。

 

無断課金は「取り消せる」場合がある

結論から言えば、親の同意なく子どもが行った課金契約は、取り消せる可能性があります。その根拠となるのが「民法第5条」などに定められた「未成年者取消権」です。未成年(原則として18歳未満)の子どもが、親の同意を得ずに行った契約は、親(法定代理人)がその契約を取り消せます。
 
たとえば、小学生や中学生が親の許可なくゲーム内でアイテムを購入した場合や、課金ガチャを引いた場合、その契約は取り消しの対象になり得ます。取り消しが認められれば、支払った金額が返金されるケースもあります。

 

ただし「取り消せない」ケースもある

一方で、すべての無断課金が自動的に取り消せるわけではありません。次のような場合には、返金が難しいことがあります。
 
1.親が子どもに支払い手段を自由に使わせていた場合
クレジットカード情報やパスワードを子どもに教えた、または自由に使える状態にしていた場合、事実上「同意していた」とみなされることがあります。
 
2.課金者が成人していた場合
18歳以上の子ども(成人)は、自己責任で契約する立場になります。そのため、原則として取り消しはできません。
 
3.ゲーム運営側が未成年であることを知らなかった場合
登録時に年齢詐称があったり、成人と誤認される状況があったりした場合も、取り消しが難しくなります。

 

取り消しを求めるときの手順

課金トラブルが発覚した際には、次のような流れで対応しましょう。
 
1.決済履歴を確認する
どのアプリで、いくら課金されたかを特定します。Google PlayやApp Storeの購入履歴、通信キャリアの請求明細を確認しましょう。
 
2.ゲーム運営会社や決済会社に連絡する
「未成年者が親の同意なく課金したため、取消・返金を求めたい」と明確に伝えます。場合によっては、本人確認書類や生年月日を求められることもあります。
 
3.対応に納得できない場合は、消費生活センターに相談する
全国の「188(いやや! )」番に電話すれば、最寄りの消費生活センターにつながります。専門の相談員が対応してくれます。

 

再発防止のための対策も忘れずに

無断課金トラブルを防ぐには、「子どもに支払い手段を渡さない」ことが第一です。スマホの設定で「課金時にパスワードを要求する」機能をオンにし、指紋認証やFace IDを設定しておくことも効果的です。
 
また、家庭内で「課金は親の許可が必要」というルールを明確に伝えることも大切です。子どもの無断課金による高額請求は、家庭にとって大きなショックです。
 
しかし、未成年者が親の同意なく行った課金であれば、法的に取り消せる余地があります。一方で、親の管理責任が問われるケースもあるため、日ごろからスマホの利用状況をチェックし、トラブルを未然に防ぐ意識が何より大切です。

 

出典

消費者庁 オンラインゲームに関する消費生活相談対応マニュアル 概要(案)
独立行政法人国民生活センター 未成年の子どもがスマホゲームで高額課金してしまった!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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