引っ越し先のマンションで「自治会の入会案内」が届きました。自由参加で、子なしのわが家にはメリットがなさそう。年間6000円ですが、入会しなくても大丈夫でしょうか?
今回は、自治会とは何かを解説し、自治会に加入すべきケースと、そうではないケースをチェックしていきましょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
自治会ってなに? 役割とは?
まず、そもそも自治会とは何かを確認していきます。自治会とは、地域住民の人々が集まって作っている団体で、住民同士の交流、災害時の助け合い、防犯、地域の清掃など、さまざまな活動を行っています。地域によって「町内会」「町会」「自治会」などの呼び名があります。
一般的に、自治会に加入するためには、自治会費を支払う必要があります。年会費6000円、月1000円など、費用は自治会によって異なります。また、自治会の他に「こども会」などがあり、自治会費とは別でお金を徴収されるケースもあります。
もともと、自治会は「権利能力なき社団」とされていました。現在は、認可要件を満たした場合、法人格を取得することができます。
ただし、その地域に住んでいる住民は、自治会への強制加入の義務はありません。あくまで加入したい人だけが入ればよい任意団体なので、メリットを感じない場合は自治会費を納める必要はないですし、自治会のイベントなどへの参加も不要です。
自治会に入るとよいケース、不要なケース
自治会に入るメリットとデメリットは、各家庭によって違います。
例えば、今回のタイトルにあるマンション住まいの方の場合、自治会費とは別にマンションの管理費用を定期的に納めていることがほとんどです。
そのため、マンション内の清掃やごみ置き場の清掃管理は、自治会ではなく、マンションの管理会社や大家さんが行っているケースが多いでしょう。この場合、自治会費を払わなくても、マンションで快適に生活することができるので、自治会に無理して加入しなくても問題ないと考えられます。
また、お子さんがいない家庭は、子どもの登下校時に行われる防犯パトロールなどの必要性を感じないかもしれません。地域の子どもイベントにも参加しないため、メリットを感じることができない場合、自治会への加入を見送ってもいいでしょう。
一方、一戸建てでごみ置き場の清掃等を自治会のメンバーが当番で行っているような場合や、お子さんが地域の小学校に通っている場合などは、自治会に加入しないとトラブルになる可能性があります。
例えば、地域によっては、「ごみ置き場の清掃当番を行わないのなら、地域のごみ集積所に出さないで、自分で清掃会社等にごみの持ち込みをしてください」と言われるケースもあるようです。
また、自治会に未加入の場合、地域とのつながりが薄くなりがちです。顔見知りが少ないと、地域ぐるみの見守りが行き届きにくく、子どもや高齢者の安全面での安心感が得にくいこともあります。さらに、災害時に自治会で保管している備蓄品をもらうことができないなどの可能性もあります。
このように、自治会に加入するかどうかは、メリット・デメリットを考えて、検討する必要があります。自治会の年間のスケジュールや役割分担などを事前にもらい、確認するようにしましょう。
若い共働き世帯や高齢者世帯などで自治会の当番への参加が難しい場合は、自治会のメンバーに相談することもおすすめです。自治会は強制力のある団体ではないので、家庭の状況に応じて、臨機応変に対応してくれる可能性があります。
まとめ
自治会の会費、活動内容、規則などは、地域によって大きく異なります。大きなメリットがある場合は、加入を前向きに検討しましょう。
また、今まで加入していたけれど、最近イベントにも参加していないし、あまりメリットを感じられないという場合は、脱退することも可能です。年会費などお金を支払わなければならないので、自分たちにとって本当にメリットがあるのか、再度確認してみるとよいでしょう。
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
