“不用品無料回収”って本当に無料? 頼むとトラブルになるとも聞きますが、実際どうなのでしょうか?

配信日: 2025.11.12
この記事は約 4 分で読めます。
“不用品無料回収”って本当に無料? 頼むとトラブルになるとも聞きますが、実際どうなのでしょうか?
「不用品を無料で回収します」といった、チラシやウエブ広告を見たことある人は多くいるでしょう。引っ越しや大掃除の際にお金をかけずに片づけられるなら魅力的に見えますが、実際には思わぬトラブルや費用が発生するケースも少なくありません。
 
本記事では、不良品の無料回収は本当に無料で済むのか、どのようなリスクがあるのか、費用の仕組みと注意点を整理していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

なぜ無料で成り立つのか?

そもそも、企業が利益を上げる仕組みがなければ事業として成立しません。不用品の無料回収が成り立つ背景には、主にいくつかのパターンがあります。
 
ひとつは、回収した品物を中古市場に販売することで利益を得るケースです。動作する家電や人気の家具などは中古需要が高く、無料で引き取っても再販によって収益が見込めます。
 
もうひとつは、回収品を原材料として再利用するモデルです。金属や電子部品などはリサイクル市場で取引価値があり、これを資源として販売することで利益を得ています。
 
一方で、無料と掲げながら実際には別の名目で費用を請求する業者も存在します。回収は無料でも搬出作業費や処分手数料、人件費などが後から加算され、最終的に数千~数万円を請求される場合もあり、消費者センターなどが注意喚起しています。
 

トラブル事例とその金銭的リスク

不用品回収を巡るトラブルのなかで最も多いのは、料金に関するものです。無料だと思って依頼したにもかかわらず、積み込み後に追加費用を請求されるケースが典型的です。断ろうとしても「もう積み込んだ」「今払わないと持って帰れない」と言われ、やむを得ず支払う事例も報告されています。
 
さらに深刻なのが、不法投棄によるトラブルです。無許可の業者に依頼した結果、回収した不用品を山中や河川敷などに不法投棄され、後に行政から連絡を受けたというケースもあります。依頼者が直接投棄を指示していなくても、委託先を選定した責任が問われる可能性があり、思わぬ法的リスクにつながることもあります。
 
また、「なんでも無料」と宣伝していても、実際には価値のある品物だけを対象とし、それ以外は有料になることもあります。無料を期待して依頼したのに、半分以上が有料だったというケースも珍しくありません。こうした場合、結果的に自治体の粗大ゴミ処理よりも高い費用を支払うことになり、家計への影響も無視できません。
 

不用品回収の依頼前に確認したいポイント

トラブルを避けるには、依頼前の確認が何よりも重要です。まず、見積もりや契約内容を文書で受け取りましょう。「作業内容」「無料の範囲」「追加料金の条件」を事前に明確にしておくことで、後々の請求トラブルを防げます。
 
次に、業者が持つ許可の種類を確認しましょう。不用品の回収や処分には、目的に応じて異なる許可が必要です。
 
・一般廃棄物収集運搬業の許可
家庭から出るゴミなどを「処分」目的で回収する場合に必要な許可です。自治体から正式に許可を得た業者しか行えず、これがない業者が有償で引き取ると違法になります。
 
・古物商の許可
再利用可能な品物を「買い取り」目的で引き取る場合に必要な許可です。中古家電や家具などをリユース・再販する事業者が対象となります。
 
・産業廃棄物収集運搬業の許可
企業や工場など、事業活動から出る廃棄物を扱うための許可です。一般家庭から出る不用品は、通常該当しません。
 
このように、「処分」か「買い取り」か、「家庭」か「事業」かで必要な許可が異なります。どの許可を持つ業者なのかを確認し、許可番号が明記されているかもチェックしましょう。
 
また、無料と書かれていても搬出費や階段費、分別費などの追加の費用がないかを確認しましょう。支払いのタイミングも重要で、作業前払いか後払いかによってリスクが異なります。トラックに積み込まれた後に高額請求されるケースもあるため、支払い方法は事前に取り決めておくべきです。
 
さらに、自治体の粗大ゴミ回収や小型家電リサイクル制度を活用すれば、数百円程度の負担で処分できる場合があります。フリマアプリやリユースショップを活用して、売却という形でお金に変える選択肢も検討する価値があります。
 

不用品回収は信頼できる業者を選び、賢く利用しよう

不用品回収は、「無料」という言葉だけで判断してしまうと、思わぬ出費やトラブルにつながる可能性があります。重要なのは、「なぜ無料なのか」「どこまで無料なのか」を自分の目でしっかり確認することです。
 
見積もり内容を必ず書面で確認し、許可を持つ業者を選びましょう。支払い条件を明確にし、他の処分方法や費用を比較することも大切です。これらを徹底することで、多くのトラブルを未然に防げます。
 
無料という言葉にひかれる気持ちは自然なことですが、真にお得なのは「費用の透明性があるサービスを選ぶこと」です。お金の流れを理解し、自分の納得できる形で不用品を手放すことが、最も賢い選択といえるでしょう。
 

出典

消費者庁 ウェブサイト上で「お得な定額パック 定額パック料金は、全てが込み込みの料金」などの広告・表示をして不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者に関する注意喚起
独立行政法人国民生活センター 不用品回収サービスのトラブル-市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!-
環境省 廃家電や粗大ごみなど、廃棄物の処理に「無許可」の回収業者を利用しないでください!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問