高速道路の「深夜割引」が改定! 今後は“年2回以上”利用しないと「還元が受けられなく」なる?“ETC深夜割引”の変更予定点を確認
ETC割引のうち深夜割引は、3連休でも使えるので利用しやすい割引ですが、制度変更にあたっていくつかの注意点があるので解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
高速道路の深夜割引が改定される
ETCの深夜割引については、2024年から「いずれ割引制度が改定される」とされてきました。当初は2024年末に改定される予定でしたが、現状は「時期未定」となっています。
ETC深夜割引の予定されている変更点は、以下の3つです。
1)即時割引から後日還元型になる
2)割引適用時間帯の走行分のみが割引適用になる
3)割引適用時間帯が拡大される
現行の制度では、深夜0時に割引開始されるため、ぎりぎりに料金所を出ようとする車で0時前の「割引適用待ち」が発生しています。料金所に車がたまる危険な状態です。
また、深夜に走行すれば「全走行距離分」が割引対象となるため、距離を稼ごうと速度超過する無謀な運転が横行しています。これらの危険運転を改善するために、深夜割引が改定されることとなりました。
深夜割引が後日還元型になると、どうなるか
深夜割引は、現在は「即時割引」ですが、今後は「後日還元型」に変更するとNEXCO3社から発表されています。なぜ後日還元型に変更されるのかというと、走行データを基に割引額を算出するにあたって時間がかかるからです。
後日還元型になると、「年に1回程度しか高速道路を使わない旅行者」などが困ることになります。なぜなら、後日還元型というのは、「次回以降の請求額から値引きされる」仕組みだからです。キャッシュバックではなく、還元額を換金することもできないからです。
利用者はいったん通常料金を支払ってから、翌月20日に還元額が付与され、「その後に走行した月の請求額から還元額を引いた差額」を支払うことになります。
還元額そのものに期限はないのですが、730日間ETCを使わないでいると(ポイント数や還元額が730日間増減しなかった場合)、マイレージ登録が取り消しになり還元額は消滅してしまいます。つまり、旅行後に2年間ほったらかしにすると、割引はなかったことになるというわけです。
深夜割引の適用には登録が必要
改定後のETC深夜割引は、ただ走行するだけでは割引を受けられません。以下の2ついずれかの登録・利用が必要です。
1)ETCマイレージサービス
2)ETCコーポレートカード
ETCマイレージサービスは事前に登録が必要で、ETCコーポレートカードは大口・多頻度割引制度の利用申請が必要です。法人でなく個人の旅行者であれば、ETCマイレージサービスへの登録をすることとなります。
ETCマイレージサービスは、年会費無料のサービスで、ETCカードでの通行料金に応じてポイントが付きます。ポイントは通行料金の支払いに使えるため、登録しておいて損はありません。
後日還元型の割引と当日値引きになる割引
ETC割引には、後日還元型の割引と当日値引きになる割引があります。
【後日還元型】
・ETC平日朝夕割引
・深夜割引(今後)
【当日値引き】
・ETC休日割引(地方部)
※3連休、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始を除く
出口料金所の路側表示器には、「当日値引き」の金額は反映されますが、「後日還元型」の金額は反映されません。
例えば、休日の深夜に走行した場合、休日割引と深夜割引どちらか安いほうが適用になるのですが、人によって路側表示器に映される金額が異なります。
休日割引のほうが安い場合は、出口料金所で割引後の価格が表示され、その金額を支払います。
深夜割引のほうが安い場合は、出口料金所で「休日割引の額」が表示され、後日「深夜割引の額」が請求されます。これは路側表示器が「後日還元型」の割引額を即座に算出できないためです。
ETCマイレージサービスに登録しよう
高速道路の深夜割引が改定される時期は未定ですが、現状は改定される見込みです。ETCカードを持っていてETCマイレージサービスに登録していないなら、旅行に行く前に登録しておきましょう。ただし、2年間ETCを利用しないとETCマイレージサービスの登録が取り消されるので、利用予定がない人まで登録する必要はありません。
「車で家族旅行をするのに深夜割引を使ったけれど、その後2年以上は長距離運転する予定がない」というのは損になります。深夜割引を使ったら、2年以内に高速道路を走行しないと割引が受けられないことを覚えておきましょう。
出典
東日本高速道路株式会社 深夜割引の見直しについて
ETCマイレージサービス
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
