「サンライズ出雲で出雲大社に行きたい」という夫。“寝台列車に憧れ”があるそうですが、実際「新幹線・飛行機」のほうが安いでしょうか?“費用・所要時間”を比較
本記事では、東京から出雲大社への3ルート(寝台・新幹線・飛行機)の料金や所要時間、それぞれのメリット・デメリットを比較します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
サンライズ出雲の料金と所要時間
サンライズ出雲は東京駅を21時50分に出発し、翌日10時に出雲市駅に着く寝台列車です。なお出雲市駅から出雲大社まではバスで約25分かかります。つまり東京駅から出雲大社までは12時間半ほどの旅になるのです。
料金は1万2210円の乗車券と3830円の特急料金に加えて、個室を使う場合は以下の寝台料金がかかります(特急料金は通常期の場合で、以下同様とします)。
・ソロ:6600円
・シングル:7700円
・サンライズツイン:1人あたり7700円
・シングルツイン:9600円
・シングルデラックス:1万3980円
例えば最も豪華なシングルデラックスを選んだ場合の総額は3万20円です。ゆったりめのベッドに加えてデスク、洗面台にシャワーカードもついた最も豪華な個室となっています。
夫婦で行くならサンライズツインを選んでもいいでしょう。ベッドが2つ並んだ個室となっており、1人あたり総額2万3740円で乗車できます。
なおノビノビ座席であれば、寝台料金不要で利用可能です。個室ではなくとなりとの仕切りは部分的な壁のみですが、横になるスペースは用意されています。料金の総額は1万6040円です。
新幹線・飛行機と料金・所要時間はどれほど違う?
新幹線で出雲大社に行く場合は新幹線で岡山駅、特急やくもに乗り換えて出雲市駅まで行き、サンライズ出雲と同様にバスに乗ることになります。
例えば6時42分東京発ののぞみ号、10時13分岡山駅発の特急やくもを乗り継ぐと、到着するのは13時15分です。新幹線で自由席を使った場合、乗車券が1万2210円、特急券が8880円(のぞみ5930円、やくも2950円)の合計2万1090円の運賃がかかります。
寝台料金がかからないノビノビ座席を使えばサンライズ出雲のほうが安く済むのに対し、寝台料金がかかる個室の場合は新幹線のほうが安いです。
とはいえ、サンライズ出雲の場合は10時半頃に出雲大社に着けるのに対し、新幹線の場合はどんなに早くても13時半過ぎとなってしまいます。サンライズ出雲には、3時間早く着く、もしくは前泊が必要ないというメリットがあるのです。
個室を使って数千円余分な費用がかかったとしても、サンライズ出雲のほうが価値は高いと感じる人も多いでしょう。
また飛行機を使った場合は、サンライズ出雲より早く到着できることがメリットとなります。例えば7時5分発羽田空港発8時35分出雲空港着の飛行機と高速バスを使った場合、出雲大社到着は9時半過ぎです。
飛行機の場合は、チケットを取るタイミングで料金が大きく変わってきます。早割を使って数ヶ月前から予約すれば1万5000円以下で済む場合もありますが、通常料金で乗る場合は4万3000円ほどとなってしまいます。
しかし、サンライズ出雲より早く、安くつく可能性がある飛行機も有力な選択肢の1つとなりそうです。
サンライズ出雲での旅はロマンもメリットも大きい
サンライズ出雲の運賃は個室を使うのか、使わないのかで大きく変わってきます。ノビノビ座席を使えば新幹線より安く、さらに早く到着できるのが大きな強みです。
個室を使った場合は、新幹線より割高になってしまいます。それでも前泊が不要もしくは始発新幹線を使った場合より3時間ほど早く到着できることに、運賃以上の価値があると考える人は多いはずです。
サンライズ出雲は経済面でも利便性の面でも、またロマンという面でも価値の高い選択肢となるでしょう。
出典
JRおでかけネット サンライズ瀬戸・出雲
JR東日本 きっぷあれこれ 寝台券
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
