夫婦で「貯金2000万円」を達成! 夫が「余裕が出てきたし、100万円使って海外旅行に行こう」と提案してきました。夫婦二人で「1900万円の貯金」で足りますか?

配信日: 2025.11.14
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夫婦で「貯金2000万円」を達成! 夫が「余裕が出てきたし、100万円使って海外旅行に行こう」と提案してきました。夫婦二人で「1900万円の貯金」で足りますか?
「貯金が2000万円あれば安心」と思っていても、いざ100万円の大きな出費を前にすると、「こんなに使って大丈夫?」と心配になるものです。
 
今後の生活費はどれくらいかかるのか、物価上昇はどう影響するのか、事前にシミュレーションをしておくと不安が軽減されます。安心してお金を使うために、この記事では数字とデータを基に考え方を整理していきましょう。
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夫婦で貯金2000万円→1900万円でも安心?

夫婦2人の基礎生活費を把握する出発点として、総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」が参考になります。2人以上の勤労者世帯における可処分所得は52万2569円、消費支出は32万5137円となっており、19万7432円の黒字となっています。
 
そのため、このデータに近い家庭では生活に余裕があり、さらに今後も貯金が見込めるため、海外旅行に100万円使っても問題ないでしょう。
 
ただし、同調査の65歳以上の無職夫婦世帯では、可処分所得を消費支出が上回る赤字傾向が見られます。そのため、退職金などで2000万円の貯金ができた場合は、今後の生活を考慮し、旅費については慎重に検討する必要があります。
 

統計データを利用して家計の見直しを

生活に余裕がない家庭では、統計データや平均的な生活費を参考にして家計を見直すことが大切です。表1は、2人以上の勤労者世帯における1ヶ月の消費支出の内訳を示しています。
 
表1

項目 構成比 支出額
食費 27.1% 約8万8112円
交通・通信 15.4% 約5万71円
教養娯楽 9.7% 約3万1538円
光熱・水道 7.0% 約2万2760円
住居 5.9% 約1万9183円
教育 5.7% 約1万8533円
交際費 4.6% 約1万4956円
保健医療 4.2% 約1万3656円
家具・家事用品 4.0% 約1万3005円
被服・履物 3.6% 約1万1705円
その他 12.8% 約4万1618円

出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
今後さらに物価が上昇し、食費や光熱費の負担が増す可能性もあるため、こうした点も踏まえて余裕のある計画を立てる必要があります。
 

100万円の海外旅行は妥当か? 旅行単価の上昇傾向と使い方の目安

国土交通省観光庁の「旅行・観光消費動向調査」によると、海外旅行の1人1回当たり平均旅行単価は、2014年の約25万6000円から、2024年には約33万2000円へと増加し、この10年間で10万円近く上昇しています。
 
10年間の旅費の変化を目的地別に見ると、アジアは約17万1000円から約21万7000円へと、4万6000円程度の増加にとどまっています。一方、ヨーロッパは約34万9000円から約60万円へと大幅に上昇しました。こうした背景には、円安や物価上昇の影響があると考えられます。
 
こうした水準を踏まえると、夫婦2人で100万円の旅行予算は、ヨーロッパ旅行では平均程度ですが、アジア旅行ではかなりぜいたくな設定といえるでしょう。
 

1900万円で足りるか? 「基礎生活費×年数+イベント費」で意思決定

生活にゆとりのある家庭では、貯蓄が2000万円から1900万円に減少しても、家計への影響は限定的と考えられます。月々の基礎生活費や各種イベントにかかる費用を踏まえた上で、キャッシュフローをしっかりと組み立てましょう。
 
また、円安の影響などにより海外旅行費が高騰しています。旅行を計画する際は、物価の安い地域を選ぶなど、費用を抑える工夫も検討するとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 2 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 (2)可処分所得(9ページ)、(3)消費支出(10ページ)、(4)平均消費性向は2.2ポイントの低下 図I-2-8 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支-2024年-(12ページ)
国土交通省観光庁 旅行・観光消費動向調査 2024年年間 集計表(確報)、2014年年間 集計表(確報)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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