自転車で「車道」走行中、大型トラックに追い抜かれヒヤリ…それでも来年から“歩道走行で罰金”なんですか?「安全に走れる場所が少ない」「路上駐車が多い」自転車利用者の声は

配信日: 2025.11.17
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自転車で「車道」走行中、大型トラックに追い抜かれヒヤリ…それでも来年から“歩道走行で罰金”なんですか?「安全に走れる場所が少ない」「路上駐車が多い」自転車利用者の声は
自転車で通勤中に大型トラックに追い抜かれ、「ヒヤリ」とした体験はありませんか。多くの自転車利用者にとって、車道を走行することの危険性は身近な問題です。
 
2026年4月から、自転車の交通違反に対して「交通反則通告制度(青切符)」が導入され、歩道走行を含めた一部の違反行為に「罰則(反則金)」が科される見通しです。
 
本記事では、「交通反則通告制度(青切符)」が導入される背景と、安全な自転車利用のために私たち利用者が持つべき視点、行政に求められる対策を解説します。
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自転車に導入される青切符制度とは?

自転車は、原則として自動車と同じ「車両」であり、道路交通法上、車道を通行することが定められています。しかし、「車の真横を走るのは怖い」「大型車に煽られる」といった理由から、多くの利用者が安全を求めて歩道を選択しているのが現状でしょう。
 
2026年4月に施行される「交通反則通告制度(青切符)」により、16歳以上の自転車運転者が一定の交通違反を行った場合、反則金が課されます。自転車への反則金は違反内容によって金額が違い、一例を挙げると携帯電話などの使用(保持)は1万2000円、速度超過や信号無視は6000円です。
 
歩行者用道路徐行違反や通行帯違反では反則金5000円で「車道が怖くて歩道を走っているのに、それも罰金になるの?」と、多くの利用者が戸惑いを感じるかもしれません。しかし、この制度導入の背景には、警察庁が調査した深刻な事故実態があるのです。
 

なぜ、交通反則通告制度が自転車に適用されるの?

交通反則通告制度の導入が検討された最大の背景は、自転車関連の事故が多い傾向にあるという情勢によるものです。
 
警察庁が公表した資料によると、2024年中の自転車に関連する交通事故件数は約6万7000件で、交通事故全体の約2割にあたります。2020年から2024年までの自転車に関連する死亡・重症事故の相手の約75%が自動車でした。
 
このうち約55%が出会いがしらの衝突によるもので、自転車側にも一時停止の不停止・周囲の安全を確認していなかったという違反が多くみられる結果でした。
 
自転車への交通ルールの厳格化は、歩行者と自転車、双方の安全を確保するための、止むを得ない対応策と言えるでしょう。
 

自転車事故による高額な損害賠償リスク

自転車を利用するうえで、自転車事故による高額な損害賠償リスクも注意すべきポイントです。重大な交通事故を起こした場合、たとえ不注意によるものでも、その賠償額は数千万円以上と非常に高額になり得ます。
 
交通違反による反則金はもちろんですが、事故での高額な損害賠償による家計の破綻リスクこそ、自転車利用者が最も備えるべき経済的なリスクです。自転車保険に加入して、万が一の事態に備えることが望ましいでしょう。近年は多くの地域で加入が義務化されており、備えの重要性は一層高まっています。
 

現状では、自転車が安全に走れる場所が少ない

国土交通省の資料によると、自転車の利用促進に向けた課題についての調査で、多くの自転車利用者が訴えたのは「安全に走れる場所が少ない」「路上駐車が多い」という声でした。
 
「車道走行が原則」と定めるならば、自転車も安全に走れる道路の整備が不可欠ですが、利用者が安心して利用できる「自転車道」や「自転車専用通行帯」の整備は未だ不十分です。
 
さらに、整備された走行空間さえも、路上駐車や停車車両によって容易に塞がれてしまうという課題があります。行政へ「自転車が安全に走れる道路環境の整備」を求めていくことも重要になるかもしれません。
 

まとめ

2026年4月から始まる自転車への「交通反則通告制度(青切符)」の目的は、事故を減らすためです。しかし、安全に自転車が走行できる社会を実現するためには、利用者によるルールの徹底と自転車保険による備え、そして行政による安全に走行できる道路の整備という、両輪の取り組みが不可欠かもしれません。
 
私たち一人ひとりが「自転車は車両である」という意識を持ちながら、安全に注意して走行することが、交通事故から身を守る確かな一歩となるでしょう。
 

出典

警察庁 自転車は車のなかま ~自転車はルールを守って安全運転~
警察庁 自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額
国土交通省 自転車ネットワークの現状・課題
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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