青信号の直後「スタートダッシュ右折」! 警察に見つかると「反則金9000円」らしいけど、なぜ違反?“反則金・注意点”を確認
交差点でたまに見かける光景かもしれませんが、実は警察の取り締まり対象となる可能性があります。違反切符を切られれば、反則金や罰金という形で家計に直接ダメージを与えることになります。
本記事ではスタートダッシュ右折がどのような違反の可能性があり、反則金や罰金はいくらかかるのか、さらに家計にどんな影響を及ぼすのかを解説します。
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どんな違反に該当する可能性がある?
スタートダッシュ右折は、状況によって複数の交通違反に該当する可能性があります。図表1は、普通車の場合に想定される違反内容とそのペナルティの一覧です。
図表1
| 違反名 | 内容・該当状況 | 点数 | 反則金 |
|---|---|---|---|
| 信号無視 | 青になる前に右折を開始した場合 | 2点 | 9000円 |
| 安全運転義務違反 | 対向車や歩行者の動きを無視して危険な右折をした場合 | 2点 | 9000円 |
| 横断歩行者妨害 | 横断歩道の歩行者を妨害して右折した場合 | 2点 | 9000円 |
| 通行区分違反 | 右折レーン以外から右折した場合 | 2点 | 9000円 |
| 徐行場所違反 | 徐行すべき状況(歩行者や狭い交差点など)で速度を落とさず右折した場合 | 2点 | 7000円 |
| 合図不履行 (ウインカー未使用) |
右折時に方向指示器を適切なタイミングで出さなかった場合 | 1点 | 6000円 |
| 右折方法違反 | 交差点中央を通らずに早めに右折(ショートカット右折)した場合 | 1点 | 4000円 |
筆者作成
普段、あまり意識せずに行っている右折には、実は多くの違反の可能性があることに驚いた人もいるかもしれません。こうした違反は、たった数秒の焦りが原因で発生することが多く、結果的に家計や免許に大きな影響を及ぼす可能性があります。
「信号無視」と判断された場合、普通車の場合は反則金9000円、違反点数は2点です。ほかには交差点での右折方法違反と判断された場合は反則金6000円です。
金額だけ見れば「意外と安い」と感じる人もいるかもしれませんが、日常生活に置き換えると決して小さな負担ではありません。
事故を起こせば罰金数十万円も
さらに深刻なのは、スタートダッシュ右折により人身事故を起こしてしまった場合です。
歩行者や対向車と接触すれば、自動車運転死傷行為処罰法の「過失運転致傷」に当たり、数十万円規模の罰金が科される可能性があります。事故の相手への補償はもちろん、罰金や刑事処分によって家計や生活に大きな負担がのしかかることもあるかもしれないのです。
実は「時間の得」はほとんどない
では、そこまでのリスクを冒して得られる時間は、どれほどのものなのでしょうか。交通工学の研究によると、青信号に変わってから車列全体が動き出すまでには、「発進損失時間」と呼ばれる平均数秒程度の遅れが生じるとされます。
先頭車両がアクセルを踏み、後続車が順番に発進するまでにはどうしても時間差が生まれます。1台だけが強引に加速して右折したところで、全体の流れの中では大きなアドバンテージにはなりません。
さらに、都市部では「グリーンウェーブ」と呼ばれる信号制御が導入されており、一定の速度で走行すれば連続して青信号を通過できる仕組みになっています。スピードを上げたり強引に右折したりしても、次の交差点で赤信号に捕まる可能性が高く、到着時間が大きく短縮されることはないのです。
スタートダッシュ右折による時間の得は、せいぜい数秒から十数秒程度と言えます。一方、失う可能性のあるお金は数千円から数十万円なので、強引に右折をして急ぐことは割に合わない選択と言えるでしょう。
急がば回れが最も得策
スタートダッシュ右折は、ほんの数秒を稼ぐ代わりに、反則金で数千円から数万円、事故を起こせば、相手への補償に加え、数十万円の罰金や刑事責任まで背負う可能性がある行為です。
結局のところ、最も賢い選択は「急がば回れ」です。短縮される時間があまりないと分かれば、気持ちに余裕を持って運転することができます。安全運転は命を守るだけでなく、家計を守るうえでも効果的な手段です。
出典
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁 交通違反の点数一覧表
執筆者 : 今みなみ
FP2級、秘書検定2級、剣道3段、ビジネス会計検定3級、ビジネス実務法務検定3級
