旅行で「予約した新幹線」に乗り遅れた!「東京-大阪」で“1万4720円”払ったけど、買い直しが必要ですか? 次の新幹線の“自由席”に乗る場合、指定席との差額は返ってくるでしょうか?
本記事では、新幹線に乗り遅れたきっぷの使用方法や、乗り遅れてしまうときっぷが無効になってしまうケースについて解説します。
FP2級
指定席に乗り遅れてもきっぷは無効にならない
駅の窓口や券売機などで買った正規料金の指定席特急券は、乗り遅れても完全に無効になるわけではありません。
乗り遅れた指定席特急券は乗車日当日に限り、後続の同じ区間を走る新幹線の「普通車自由席」に乗車するきっぷとして利用できます。ただし、この制度には以下の2つの注意点があります。
・指定席と自由席の差額は返金されない
・後続の指定席に座るには、きっぷの買い直しが必要
1つ目は、指定席料金と自由席料金の差額は返金されない点です。例えば、東京~新大阪間の「のぞみ」の場合、指定席の通常料金は1万4720円、自由席は1万3870円です。もし指定席に乗り遅れて自由席に乗ることになっても、この差額850円が戻ってくることはありません。
2つ目は、後続列車で指定席を利用する場合のルールです。乗り遅れたきっぷは、「後続の自由席に乗れるきっぷ」に変わります。そのため、「差額を払って指定席に替えてもらう」といったことはできません。もし指定席に座りたい場合は、改めて指定席特急券を買い直す必要があります。
全車指定席やグリーン車のきっぷでも後続列車に乗れる
自由席がない全車指定席の列車や、グリーン車のきっぷで乗り遅れた場合でも、後続の列車に乗車できます。ただし、座席の扱いが変わるため注意が必要です。
例えば全ての座席が指定席である東北新幹線の「はやぶさ」に乗り遅れた場合は、後続の同列車のデッキなどに「立席(たちせき)」という扱いで乗車できます。立席とは、座席は利用せずデッキなどに立って乗車することで、目的地までの移動は可能です。
また、グリーン車やグランクラスのきっぷで乗り遅れた場合は、後続列車の「普通車自由席」に乗車することになります。
どちらの場合も、立席での乗車や普通車自由席の利用になったとしても、支払った指定席料金やグリーン料金などが返金されることはありません。あくまで目的地までの移動が保証されているルールと理解しておきましょう。
早割やツアーのきっぷは無効になる
「後続の自由席や立ち席で乗れる」というルールは、全てのきっぷに適用されるわけではありません。以下のきっぷは乗り遅れると無効になる場合があるため注意が必要です。
・「早割」で購入したきっぷ
・旅行会社の「パッケージツアー」のきっぷ
JR東日本の「トクだ値」やJR九州の「九州ネット早特」といった早割きっぷは、指定の列車に乗り遅れると特急券部分が無効になり、後続の自由席に乗ることはできません。また、旅行会社が販売する新幹線とホテルがセットになったパッケージツアーもきっぷは無効になります。
特定の列車にしか乗れないプランで乗り遅れると、乗車券と特急券の両方が無効になってしまう場合があります。自分のきっぷがどのタイプか分からない場合は、券面に「指定列車以外に乗車の際は別途乗車券・特急券の購入が必要です」といった記載がないかを確認しましょう。
一方で、「スマートEX」や「えきねっと」といったインターネット予約サービスで正規料金のきっぷを購入した場合は、乗り遅れても窓口での購入と同じで後続の自由席に乗車できます。
スマートEXなどでは、発車時刻前、所定の条件を満たせばスマホアプリから何度でも無料で乗車予約を変更できます。乗車時間に遅れそうだと分かった時点で、後の列車に予約を変更しましょう。
乗り遅れたときの対応は「きっぷの種類」で判断しよう
予約していた新幹線の指定席に乗り遅れた際の対応は、手持ちのきっぷの種類によって決まります。
正規料金のきっぷであれば後続の自由席に乗れますが、早割きっぷや旅行会社のツアーでは無効になる場合があるため注意が必要です。「スマートEX」などのネット予約サービスを使っているなら、乗り遅れそうだと分かった時点で、乗車時刻前にスマホで予約の変更ができます。
乗り遅れた際に慌ててきっぷを買い直さないためにも、まずは自分が持っているきっぷのルールを確認しましょう。
出典
JR東日本 きっぷあれこれ
JR東日本 予約した列車に乗り遅れてしまった時には、変更や払いもどしができますか。
JR西日本 指定した列車に乗り遅れた場合、特急券などは他の列車に利用できますか。
執筆者 : 大垣はち
FP2級
