【注意】「流せるお掃除シート」なのに、トイレが詰まって“修理代2万円超”に! 実は「安全に流せる」とは限らないって本当ですか? トラブル回避のための注意点とは

配信日: 2025.11.19
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【注意】「流せるお掃除シート」なのに、トイレが詰まって“修理代2万円超”に! 実は「安全に流せる」とは限らないって本当ですか? トラブル回避のための注意点とは
「流せる」と表示されたお掃除シートをトイレに流した結果、排水管が詰まるトラブルにつながることがあります。こうした場合、業者に依頼すると修理代が2万円以上かかることもあり、思いがけない出費になるでしょう。
 
表示を信じて使ったのにどうして? と感じる人もいるでしょう。実は「流せる」と書くには一定の基準があり、それを満たせば表示できるのです。しかし、その基準をクリアしていても、家庭のトイレで必ずしも安全に流れるとは限りません。
 
本記事では、「流せる」と表示できる基準の内容や、詰まりが発生する理由、修理費用の実態を解説し、日常生活での注意点を紹介します。流せるお掃除シートを日常的に利用している人は、トラブル回避のため、ぜひ参考にしてください。
竹下ひとみ

FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。

現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。

「流せる」と表示できる基準

お掃除用の「流せるシート」には、トイレットペーパーに設けられているような水解性(水に入れると繊維が一定時間でほぐれる性能)に関する国の公的基準は存在しません。一方、業界団体である日本衛生材料工業連合会(日衛連)が自主基準を設けています。
 
自主基準では、製造や販売を行う事業者は定められた試験方法によって性能を確認し、規定の基準を満たしていることを確認しなければ「流せる」と表示できない仕組みになっています。
 
また、パッケージには注意書きとして「一度に流す枚数を守る」などの表示を必ず記載することが求められているのです。
 
つまり、トイレットペーパーがJIS規格によって国から保証されているのに対し、流せるシートはあくまで業界の自主基準にとどまる「条件付きの流せる」である点を理解しておく必要があります。
 

詰まる理由と注意点

「流せる」と表示されていても、実際のトイレ環境では詰まる可能性があります。ここでは、よくある原因と利用時の注意点を整理してみましょう。
 

流せるシートでトイレが詰まる原因は?

流せるシートがトイレで詰まる原因として、以下のようなことが考えられます。
 

・一度に多く流しすぎている:数枚まとめて流すと繊維が固まり、水流で押し切れずに残ってしまいます。
 
・節水型トイレの水流不足:最近のトイレは少ない水で流す設計のため、シートが十分に押し流されず、配管に留まりやすくなります。
 
・古い配管や汚れの付着:施工時の排管の不備や老朽化、配管に尿石や油汚れがついていると、そこに引っかかって詰まりの原因になることもあります。

 
このように、流せるシートは家庭のトイレ環境によって、思わぬ詰まりにつながることがあるのです。
 

詰まらせないための注意点

トラブルを避けるためには、以下のような使い方を心がける必要があります。
 

・1~2枚ずつ流すことを徹底する
・節水トイレの場合は、複数回水を流すようにする
・状況によっては流すことをやめ、可燃ごみとして処理する

 
表示を信じて使うだけではなく、状況に応じた工夫をすることで、思わぬトラブルを防げます。
 

修理費用の目安

トイレの詰まりを修理業者に依頼した場合、詰まりの度合いによって金額が変動します。以下は、修理費用の目安です。
 

・軽度の詰まり(便器内にシートが留まっている程度):ラバーカップなど簡易作業で解消でき、1万円前後
 
・中程度の詰まり(排水管の途中で詰まっている場合):専用器具や高圧洗浄車が必要となり、1万5000~3万円程度
 
・重度の詰まり(配管破損など):便器の取り外しや大規模な配管工事が必要となり、3万~10万円以上

 
同じ「詰まり」でも状況次第で費用は大きく変わります。軽度であればいいですが、重度の詰まりになると、思わぬ出費につながる可能性があるので、注意しましょう。
 

まとめ

「流せる」と表示されているシートは、あくまで業界団体の自主基準をクリアし“条件付きの流せる”状態にあるということにすぎません。実際の家庭環境では詰まることもあり、修理代が数万円から、場合によっては高額になるケースもあります。
 
トラブルを避けるためには、詰まる可能性があることを理解し、必ず1枚ずつ流す、状況によってはゴミとして捨てるなど、日常的な工夫が必要です。このような少しの注意で、大きな出費や思わぬトラブルを防ぐことができます。
 

出典

(一社)日本衛生材料工業連合会 日本清浄紙綿類工業会 トイレに流せると標榜する不織布製品の評価及び表示に関する自主基準
日本産業規格JIS トイレットペーパー
 
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

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