「都営住宅」の平均家賃は“約2万3000円”! 一方「抽選倍率」は“400倍超”!? 当選確率を上げるには「随時募集」や「多子世帯向け」が狙い目って本当?
この記事では、都営住宅における平均的な家賃や倍率の傾向などをチェックしながら、「狙い目」の募集についても紹介していきます。
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都営住宅の平均家賃は「2万3000円」
東京都住宅政策本部が令和3年7月に更新した「東京の住宅事情」によれば、東京都内で管理している「公的住宅」のストックは「約52万戸」だということです。そのうち「都営住宅等」の管理戸数は、全体の半数近くにのぼる「25万2551戸」となっています。
加えて、同資料では都営住宅を「市場において自力では適正な水準の住宅を確保することが困難な、住宅に困窮する低額所得者に供給」する住宅と定義しています。
都営住宅の家賃は、公営住宅法の規定により収入に応じて定められます。負担家賃の平均はやや古いデータではあるものの、2016年3月末時点で「約2万3000円」であり、民間借家の平均負担家賃「約8万9600円」と比較しても低廉な価格設定です。
住宅によっては「抽選倍率479倍」に達するケースも
最近では2025年11月4日から、「家族向・単身者向等(抽せん方式)」の募集が行われたようです。この募集は、年に4回行われる「定期募集」によるものです。
タイトルにもあるように、都営住宅の抽選倍率は「400倍超」になるという話は事実なのでしょうか。今回は参考として、2025年8月に実施された定期募集における「単身者向」155戸に対する倍率を確認していきます。
東京都住宅供給公社(JKK東京)が公開している「令和7年8月都営住宅入居者募集 抽せん倍率表」によると、全155戸に対する平均倍率は「48.5倍」だったそうです。これでも十分な高倍率だといえますが、「豊島区西巣鴨2丁目」の1DK住宅に対しては479人の応募があり、その倍率はなんと「479倍」にまで上がります。
なお、この定期募集における豊島区の単身者向住宅は上記の1戸のみでした。傾向として、同区内の募集戸数が極端に少なく選択肢がない場合、立地によってはこのような高倍率になる可能性もあるようです。
世帯構成次第で「随時募集」や「家族向」も狙い目
都営住宅では年4回の定期募集のほか、先着順の「随時募集」や、2018年1月からは毎月中旬〜下旬に「毎月募集」も実施しています。
本記事の執筆時点で「単身者向の随時募集」は2025年8月が最後であるものの、2025年10月31日時点では「家族向」で募集住宅を検索すると約125戸の住宅が登録されています。世帯構成によっては、「家族向」の住宅を検討するのもいいかもしれません。
なお、世帯構成や収入状況が都営住宅の入居条件に該当するかどうかは、東京都住宅供給公社(JKK東京)が提供している「所得基準判定シミュレータ」で大まかに確認できます。
同シミュレータで入居基準に該当した子育て世帯の方は、固定費削減のために「随時募集」をチェックするのも1つの手となりそうです。
なお、「多子世帯」をはじめとした子育て世帯は、都営住宅の「優遇抽せん」の対象となる場合があり、一般募集より当選しやすくなるケースがあります。
まとめ
公開されている抽選結果などからも、都営住宅の抽選倍率は「高い」といえそうです。一方で、先着順の「随時募集」かつ「家族向」という条件であれば、2025年10月時点では100戸を超える住宅が登録されていました。
多子世帯は優遇抽せんの対象になりやすく、一般募集より当選率が上がるケースもあるため、狙い目といえるでしょう。都営住宅への入居を検討している方は、一度ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
出典
東京都住宅政策本部 東京の住宅事情
東京都住宅政策本部 都営住宅の現状【資料集】(2、6ページ)
東京都住宅政策本部 募集住宅検索
JKK東京(東京都住宅供給公社) 家族向・単身者向 年4回 定期募集
JKK東京(東京都住宅供給公社) 毎月募集
JKK東京(東京都住宅供給公社) 単身者向 随時募集
JKK東京(東京都住宅供給公社) 令和7年8月都営住宅入居者募集 抽せん倍率表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
