旅行先で「ホテルのシャンプーを持ち帰った」という友人に驚き!「それダメじゃない?」と聞いたら“問題ない”とのこと。いったいナゼ? 持ち帰れるケースとは
しかし実際には、ホテル側が提供するアメニティの中には「持ち帰っても問題ない」とされるものもあります。本記事では、ホテルのアメニティについての「持ち帰ってもいい基準」について解説していきます。
ファイナンシャルプランナー2級
シャンプーを持ち帰っても問題ないケース
宿泊施設で用意されているアメニティは「宿泊者が滞在中に使用することを前提とした消耗品」であり、宿泊料金に含まれるサービスの一部として提供されています。
アメニティには、歯ブラシや化粧水、シャンプー、リンスなどが用意されていることが一般的ですが、このうち「個包装タイプ」や「ミニボトル」などの使い切りのものは、基本的に持ち帰っても問題ありません。
また、高級ホテルなどでは、ブランドのロゴ入りミニボトルを「お土産代わり」という意味で置いているケースもあります。こうした場合は、ホテル側も宣伝効果を見込んでおり、むしろ積極的に持ち帰ってほしいと考えていることもあるのです。
持ち帰るとトラブルになるケースも
同じシャンプーやリンスであっても、浴室に用意されている備え付けの大きなボトルのものは「備品」にあたります。適正な量で中身を使うことはもちろん問題ありませんが、ボトルごと持ち帰ることはできません。
ボトル入りのシャンプー・リンスはタオルや浴衣と同様に、宿泊施設が繰り返し利用する前提で設置しているため、持ち帰ると「備品の持ち出し」となり、トラブルの原因になります。
このような備品を持ち帰った場合、悪質な行為とみなされると「窃盗罪」に問われたり、損害賠償の対象になったりするケースがあることを覚えておきましょう。
最近ではアメニティを各部屋に置かず、ロビーで必要分だけを部屋に持っていくというシステムをとっているホテルもあります。この場合、たとえ持ち帰り可能なアメニティでも、大量に持ち帰るのはマナー違反です。
宿泊日数を大幅に上回る数をまとめて持ち帰ることは、ホテルに損害を与える行為とみなされることもあります。アメニティの利用はあくまでも「宿泊者一人あたり・一泊あたり」の適正量にとどめましょう。
迷ったときの判断ポイント
宿泊時に「このシャンプーは持ち帰ってもいいのか」と迷った場合は、次の点を確認しましょう。
まず、包装やサイズが使い切りタイプかどうかです。個包装やミニボトルであれば持ち帰り可能なことが多いですが、大きなボトルに詰められているタイプは持ち帰り禁止です。
またホテルの案内表示やホームページを確認し、宿泊約款や室内表示に「備品の持ち出しはご遠慮ください」と書かれている場合は、たとえ使い捨てに見えても持ち帰らないほうが安心でしょう。
さらに、持ち帰る量の常識的な範囲を守ることも大切です。部屋に置いてある分に関しては、ホテルが想定する一泊あたりの使用量なので問題ありません。しかしセルフサービスの場合は、1泊なら1セット程度、宿泊日数分までを目安にすればトラブルを避けることができるでしょう。
持ち帰りOKかは「使い切りかどうか」で判断
旅行先で「ホテルのシャンプーを持ち帰る」という行為は、「使い切りタイプのアメニティ」であれば特に問題になることはありません。これはホテルが「滞在期間中の消耗品」として宿泊料金に含めて提供しており、宿泊者が持ち帰ることを想定していると考えられるからです。
しかし、ボトル設置タイプや繰り返し使用できるタオルなどの備品を持ち帰ると、損害賠償や窃盗罪に問われることがあります。迷ったときは、アメニティの形状やホテルの案内表示を確認し、ルールとマナーを守って、気持ちのよい宿泊を楽しみましょう。
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
