最近見かける機会が少なくなった“2000円札”。「発行枚数」も少なそうですし、保管しておけば将来“価値”がつくでしょうか?
沖縄県の首里城にある守礼門が表にデザインされており、地域によっては流通しているケースもあるようですが、全国で頻繁に使われている紙幣というわけではないといえます。
そのため、今2000円札を入手して保管しておけば、将来価値が出るかもしれないと考えている方もいるのではないでしょうか。本記事では、2000円札の発行高や将来価値がつく可能性、価値が高い2000円札の特徴について解説します。
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“2000円札”の発行高は「9400万枚」で減少傾向
2000円札は九州・沖縄サミット開催と同時に発行されたものの、記念紙幣というわけではありません。日本銀行那覇支店のWebサイトでは2000円札について、日本銀行法施行令第13条を根拠に「二千円札は他のお札と同様、日常的に使用することを想定した恒久紙幣です」と紹介されています。
しかし、発行高は減少傾向にあるのが現状です。同じく日本銀行那覇支店が発表している「全国と沖縄県内の二千円札発行高推移」では、全国と沖縄県内の2000円札発行高推移がグラフで示されており、全国での発行数(日本銀行からの払い出し数)は減少傾向にあります。
一時期は5億枚を超えていた発行数も2025年9月時点では9400万枚まで減っており、うち749万3000枚が日本銀行那覇支店におけるネット支払高累計です。
“2000円札”に将来価値がつく可能性は低いと考えられる
2000円札は2003年を最後に「新規製造」が終了したといわれており、一見すると希少なようにも思えるでしょう。しかし先述の通り、2000円札は記念紙幣ではなく恒久紙幣であり、「発行」自体はされているのです。
独立行政法人造幣局のWebサイト内「貨幣Q&A」では紙幣(日本銀行券)の「発行」という言葉の定義について、独立行政法人国立印刷局が「製造」し、日本銀行が「発行」すると定めています。
つまり、紙幣を作ることと、紙幣を発行することは別物なのです。日本銀行にある当座預金を市中の各金融機関が引き出して、「製造」された紙幣を受け取ったときを「発行」とみなすとしています。
2000円札は見かける機会が少ないものの、上記の定義でいえば「製造」が終了しているだけで「発行」自体は続いているため、現時点での価値は基本的に額面通りとなっています。将来的にも価値が上がる可能性は低いと考えられるでしょう。
“2000円札”にも価値がつく2つのケース
2000円札に限らず、紙幣に額面以上の価値がつくケースは大きく分けて2つあります。
まず、「記番号」が特徴的なケースです。トップ番号と呼ばれる「000001」のような数字、ゾロ目、サンドイッチ番号と呼ばれる「122221」などの数字、初期に製造されたことを示す「A」が最初と最後に書かれている「AA券」などが該当します。
さらに、本来であれば上下で一致するはずの記番号の最初のアルファベットが、JとLになっていて一致しない「JL券」は高値がつくことも少なくありません。
もう1つのケースは印刷ズレなどを起こした「エラー紙幣」です。2000円札は流通量そのものが少ないことから、万が一発見した場合は額面以上で買取してもらえる可能性もあるかもしれません。
まとめ
すでに新規製造が停止されているとされ、一部地域以外ではなかなか見かけない2000円札ですが、発行自体は続いているため、保管しておいても将来価値が上がる可能性は高いとはいえないようです。
しかし、高値で取引される特徴を持つ2000円札も存在するので、2000円札を入手した際には記番号を確認したり、印刷ズレなどがないかをチェックしたりしてみるのがおすすめです。
出典
日本銀行那覇支店 二千円札コーナー
日本銀行那覇支店 全国と沖縄県内の二千円札発行高推移
独立行政法人造幣局 貨幣Q&A Q 貨幣の「製造」と「発行」は違うのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
