【カーブス】売上高「375.6億円」と過去最高! 実は“売上の6割”は「プロテイン等」!? 会費は“メイン収益”ではない…平均月次退会率わずか「2.07%」の戦略とは
おどろくべきなのは売上の内訳で、なんと約6割が会員向けの物販になっています。本記事では、業績を伸ばし続けているカーブスの基本情報、売上の6割程度を占める物販の内容、魅力や戦略などを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
カーブスとは?
カーブスとは、前記のとおり女性専用のフィットネスクラブで、1回30分・予約不要で通えて、無理なく運動を続けられる点が特徴です。無料体験を実施しており、気軽にカーブスの雰囲気を味わうことができます。
入会費の通常価格は1万6500円(税込)で、月会費は7150円~8360円(税込)です。決して安いコストではありませんが、入会すると1ヶ月に何日でも通い放題で、コーチの運動サポート、食事のアドバイスなどを受けられます。
「健康のために運動をしたいけれどなかなか続けられない」と考える女性にとって、コーチや仲間たちと運動できる環境は魅力的でしょう。実際にカーブスの売上は伸び続けており、今後の店舗数も増えていくと予想されています。
カーブスの売上の約6割が会員向け物販
順調に売上を伸ばし続けているカーブスですが、決算資料(図表1)を見ると約6割が会員向け物販であることが分かります。
図表1
株式会社カーブスホールディングス 2025年8月期決算補足説明および中期ビジョン説明資料
フィットネスクラブの売上の6割以上が物販だと聞くと、「何がそんなに売れるのだろう」と考える人もいるかもしれません。実は、カーブスが会員向けに売っているのは、主にプロテインやヘルシービューティです。
特にプロテインは、たんぱく質を効率的に摂取するのに優れており、筋肉や骨、皮膚や髪の毛など、体全体の材料にもなります。たんぱく質は、成人女性だと1日に50グラムの摂取が推奨されていますが、通常の食生活だと不足しやすい栄養素です。
カーブスは運動不足の解消とともに、不足しがちなたんぱく質を補うプロテインを会員向けに販売しています。ブルーベリー味、きなこラテ味、ヒアルロン酸入りの商品などを販売しており、売上の内訳から推測すると多くの会員が購入しているとみられます。
カーブスは、女性の運動不足とたんぱく質不足の両方を解決する選択肢となっており、売上を伸ばし続けています。健康が気になる女性、かつ自分で運動を続けるのが難しい人は、カーブスを利用するのもよいでしょう。
カーブスの魅力・戦略
カーブスの決算資料には、カーブスグループの使命として「正しい運動習慣を広めることによって、顧客の豊な人生と社会問題の解決を実現する」と記載されています。病気や介護の不安がない社会を目指すとも記載されており、カーブスが目指す戦略の基礎となっています。
カーブスは、以下の点などが魅力と、主に50歳以上の女性に支持されています。
・予約不要で1回がわずか30分
・コーチの親切なサポート
・店舗数が多く通いやすい
・女性同士のコミュニティにもなる
スポーツ経験がない、運動が苦手な女性でも始めやすく、続けやすい点がカーブスの魅力でしょう。
現代では、多くの人が健康に生きていたいと感じており、それを手助けするサービスを提供しているからこそ業績を伸ばし続けています。また、平均月次退会率が2.07%と、途中で退会する会員が少ないのも、カーブスの満足度が高いことを示しています。
カーブスは「地域密着の健康インフラ」として、社会問題の解決に貢献するのを目標として経営を続けています。売上増加とともに、男性専用のカーブスも続々と増えており、今後の展開が期待されます。
まとめ
あちこちで見かけることが増えているカーブスは、順調に売上を伸ばし続けており、物販収入がグループ売上の約6割となっています。物販では、主にプロテインを販売し、運動不足とともに不足しがちなたんぱく質摂取を推奨している企業です。
「健康のために運動をしたいけれどなかなか始められない」という人もいるでしょう。女性専用に加えて、男性専用の店舗も増えはじめているため、カーブスを一度検討してみるといいかもしれません。
出典
株式会社カーブスホールディングス 2025年8月期決算補足説明および中期ビジョン説明資料
執筆者 : 藤岡豊
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

