シングルマザーとして生活を始めたいのですが、東京都内だと児童扶養手当などを含めて月いくらくらいもらえるのでしょうか?
本記事では東京都のシングルマザーを例に、児童扶養手当の支給額の目安や東京都内の生活費水準、そしてシングルマザーがどれほどの収入を確保すれば安定した暮らしができるのかを解説していきます。
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目次
児童扶養手当の基本と支給額の目安
児童扶養手当は、ひとり親家庭に対して子どもの人数に応じた金額が支給される制度です。全額支給の場合、子ども1人につき月額約4万6690円が支給され、2人目以降は1人あたり月額1万1030円ずつ加算されます。
子ども2人の場合は5万7720円、3人の場合は6万8750円となり、子どもの人数が増えるほど手当額も増えます。4人目以降も同じ加算額が適用されるため、子ども4人なら7万9780円、5人なら9万810円が目安となります。
なお、児童扶養手当は前年の所得により、「全額支給」「一部支給」「支給停止」の3段階に区分されており、所得の増減によって受給額が変わる仕組みとなっています。そのため、働き方や収入の増減によって受給額が変わる点には注意が必要です。
東京都内でシングルマザーが必要とする生活費
総務省統計局の「2019年 全国家計構造調査」によると、母子世帯(世帯人数平均2.44人)の実収入の平均は月26万1587円、消費支出は19万6379円とされています。食費や日用品費、光熱費など基本的な支出だけで、一定の金額が必要になる点は全国共通です。
ただし、これらは2019年の数値であり、近年の物価上昇により生活費の負担はさらに増えていると考えられます。
また、東京都23区は全国と比べて家賃水準が高く、同じ2K・2DKといったひとり親世帯で選ばれやすい間取りでも、地方都市では4~6万円台が中心であるのに対し、23区では10万円を超える地域が多く見られます。
このように住居費だけで数万円の差が生じることから、全国平均の生活費をもとに都内の住居費を加味すると、支出が月20万円台半ばまで膨らむ可能性があるという点は押さえておく必要があります。
住むエリアや家賃の選び方で負担は大きく変わりますが、東京都でシングルマザーが生活を成り立たせるためには「全国平均の生活費+東京の家賃差」という考え方が現実的です。家賃補助制度や自治体の子育て支援を活用しつつ、家賃負担の少ない地域を検討することが、安定した生活につながるでしょう。
手当と収入の組み合わせで考える生活モデル
東京都内でシングルマザーが生活を成り立たせるには、児童扶養手当と収入を合わせた毎月の可処分額を把握することが重要です。児童扶養手当が満額の場合、子ども1人で4万6690円が支給されます。これに自身の手取り収入を加えた金額が、実際に使える毎月の生活費となります。
例えば、手取り収入が月15万円、児童扶養手当が4万6690円の場合、合計は19万6690円になります。この金額は前述の全国平均の生活費19万6379円に近いものの、家賃水準が高い東京都では不足が生じる可能性が高いです。
生活費が不足する場合は、住むエリアを見直して家賃を抑える、自治体の家賃補助制度や子育て支援策を積極的に活用する、勤務時間の調整による収入増を検討するなど、住居費と収入の双方から家計を立て直すことが重要になります。
安定した家計をつくるための判断ポイント
東京都内でシングルマザーとして生活する場合、安定した家計をつくるためには以下のような視点が重要になります。
1. 住居費の最適化
家賃は家計のなかで最も大きな割合を占めるため、住まいの選び方ひとつで収支が大きく変わります。公営住宅など、低家賃物件の検討も有効です。
2. 手当制度の仕組みを正しく理解する
所得によって支給額が変動するため、就労収入とのバランスを見ながら計画的に働くことが求められます。
3. 支出の管理
教育費、医療費、成長に伴って増える子どもの支出など、将来の変動を見据えた予算管理が必要です。
4. 複数の支援制度を組み合わせる
児童扶養手当のほか、医療費助成や保育料軽減など自治体独自の支援を活用することで、実質的な生活負担を減らすことができます。
収入・手当・家賃を踏まえ、賢く生活設計をしよう
東京都内でシングルマザーとして生活を始める際には、児童扶養手当のもらえる額だけで判断するのではなく、自分の働き方や住居条件、支出構造を総合的に見直し、長期的に安定して生活を送れる家計設計を行うことが大切です。
公的制度をうまく活用しながら、無理のない範囲で収入を安定的に確保し、変動しやすい支出に備えた貯蓄や支出コントロールを行うことで、より堅実な生活基盤を築くことができるでしょう。
出典
東京都福祉局 児童扶養手当
総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
