いつも「GAP」で子どもの服を買うママ友、一方わが家は「しまむら」を愛用中。“世帯年収500万円程度”でも、子ども服の購入先は変わるもの?
では実際に、子ども服の購入先と家計状況にはどのような関係があるのでしょうか。今回は世帯年収500万円程度の家庭を例に、総務省の家計調査をもとに「被服費」の平均的な水準から整理していきます。
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“年収500万円世帯”の被服費平均は“月額1万円以下”
総務省統計局が公表している「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、2人以上の世帯全体における「被服および履物」の月平均は9985円です。
一方、同調査における「第2-3表 年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」によれば、「年収500万円~550万円」の1ヶ月あたりの被服費は7743円、「550~600万円」では9387円でした。年収500万円台の世帯では、被服費に一定の差はあるものの、月額1万円前後が1つの目安といえるでしょう。
「おしゃれ」に対しての支出は月に「4万円〜5万円」程度?
服選びの基準は個人差が大きく、「被服費は〇〇円」とひと口に言い表すのは難しいかもしれません。ただし、あらゆる家庭に当てはまる話ではありませんが、固定費・生活費を除いた「余剰資金」の範囲であれば、衣料に一定額を充てている家庭もあると考えられます。
前記の「家計調査第2-3表」では、生活必需品以外の「その他の消費支出」の項目があり、「諸雑費」「こづかい」「交際費」といった費目が含まれています。化粧品をはじめ、家族構成による出費の違いも多く含まれる部分です。今回は、この項目を「おしゃれ」に回せる余剰資金の目安として捉えてみましょう。
「年収500万円台」での「その他の消費支出」は、月あたり4万7000円程度とされています。「しまむらとGAP」という購入先の違いは、こうした余剰的な支出を衣料品にどの程度充てるかという家計上の配分の違いとして表れている可能性があります。
衣料品の購入先から「裕福さ」は分かるのか
ここまで紹介したように、「裕福かどうか」は衣料品の購入店舗だけでは推測できません。一部では、「高所得層であっても日常着として低価格帯のブランドを選ぶことがある」といった調査結果や意見も見られます。
例えばあるカード会社が会員向けに実施した調査では、「世帯年収2000万円以上」の人がよく身につけるブランド(ハイブランドを除く)として、4割以上が「ユニクロ」と回答しているようです。
もっとも、こうした結果は購入頻度や支出金額までを示すものではなく、服選びの背景や理由もさまざまです。
しまむらのように、日常的な衣類の購入先として広く利用されている衣料品店であっても、幅広い層の人々に選ばれているのが実情です。そのため、日常的なファッションや利用店舗だけを見て世帯の経済状況を判断することは難しいといえるでしょう。
まとめ
今回は、しまむらとGAPといった子ども服の購入先と世帯年収の関係について、家計調査のデータをもとに整理しました。特定の衣料品店を利用しているかどうかだけで、世帯の収入状況や経済的な余裕を判断することは難しいといえるでしょう。
服選びや被服費の水準は、年収だけでなく、家計の配分や重視するポイントによって左右されるため、購入先の違いは必ずしも収入差を反映するものではありません。衣料品の購入先だけに目を向けるのではなく、家計全体とのバランスを踏まえながら、それぞれのペースでおしゃれを楽しみましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要(5ページ)
政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
