「Spotify」や「AppleMusic」などの音楽コンテンツで「CD」の売れ行きはどう変化した?歌手の収入源の変化とともに見てみる

配信日: 2025.11.30
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「Spotify」や「AppleMusic」などの音楽コンテンツで「CD」の売れ行きはどう変化した?歌手の収入源の変化とともに見てみる
書店やレンタルショップ、ミュージックストアなどでは、今でも数多くのCDが販売・レンタルされています。
 
かつては、多くの人がCDを通じて音楽を楽しんでいました。ミニコンポやCDウォークマン、パソコン、車のCDプレーヤーなど、CDを再生する機器がさまざまあり、自宅にたくさんのCDを集めていたという人も多いでしょう。
 
しかし近年では、CDの代わりにスマホやタブレットなどに楽曲をダウンロードしたり、ストリーミング再生したりするケースが多くなっています。代表的なサービスとしては、「Spotify」や「AppleMusic」などが挙げられます。
 
本記事では、これらの音楽配信サービスの台頭により、CDの売れ行きにどのような変化が起きたか見ていきましょう。
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音楽コンテンツの配信サービスの特徴

SpotifyやAppleMusicは、サブスクリプションサービスです。一定の料金を支払って、プランに応じた音楽コンテンツを楽しめます(無料プランもあり)。
 
これらの音楽配信サービスでは、インターネットを通じて、スマホやタブレット、テレビ、車の音楽プレーヤーなどさまざまなデバイスでコンテンツを視聴できます。
 
CDのように特定の媒体をセットする必要はなく、手元の操作で簡単に楽しめることが特長です。
 

CDの生産はピーク時より大幅に減少している

表1に、CD(8センチシングルおよび12センチメートル)の生産量の推移をまとめました。
 
表1

生産量(8センチメートル) 生産量(12センチメートル)
1990年 6182万枚 1億6912万9000枚
1995年 1億6458万1000枚 2億7536万9000枚
2000年 3312万4000枚 1億460万1000枚(シングル)
2億7632万7000枚(アルバム)
2005年 194万3000枚 6274万5000枚(シングル)
2億3711万6000枚(アルバム)
2010年 10万7000枚 5050万3000枚(シングル)
1億5592万9000枚(アルバム)
2015年 3万8000枚 5510万6000枚(シングル)
1億1269万6000枚(アルバム)
2020年 2万6000枚 3261万3000枚(シングル)
7129万3000枚(アルバム)
2024年 32万6000枚 4万1656枚(シングル)
6252万3000枚(アルバム)

出典:一般社団法人 日本レコード協会「日本のレコード産業 2025」を基に筆者作成
 
2000年には約4億1400枚ほど生産されていましたが、2020年には約1億390万枚、2024年には約6290万枚の生産にとどまっています。一時期の生産量に比べて、現在では明らかに生産数が下がっています。
 

音楽配信サービスの売り上げが顕著になっている

売り上げについても見ていきましょう。表2に、CD(8センチシングルおよび12cm)の売り上げ金額と、音楽配信サービスの売り上げ金額をまとめました。
 
表2

CD
(8センチメートルおよび12センチメートル)
音楽配信サービス
2015年 2300万円(8センチメートルシングル)
416億6500万円(12センチメートルシングル)
1384億2200万円(12センチメートルアルバム)
470億7300万円
2020年 18万円(8センチメートルシングル)
306億2200万円(12センチメートルシングル)
962億9800万円(12センチメートルアルバム)
782億5500万円
2024年 2億4100万円(8センチメートルシングル)
420億600万円(12センチメートルシングル)
979億9100万円(12センチメートルアルバム)
1233億100万円

出典:一般社団法人 日本レコード協会「日本のレコード産業 2025」を基に筆者作成
 
2020年と比較すると2024年は売り上げがアップしています。しかし2015年と比べると、CDの売り上げは数百億円少ないようです。生産量の減少とともに、売り上げも少なくなっていることが考えられます。
 
一方音楽配信サービスについては、2024年は2015年と比較して大きく売り上げが伸びています。日本レコード協会によると、11年連続のプラス成長です。
 

CDの需要も一定程度見込まれている

最近の傾向では音楽配信サービスが人気とはいえ、CDの需要もある程度存在するといえます。
 
配信サービスは基本的にデータを扱うサービスであるのに対し、CDは手元に残せることが魅力です。CDのジャケットをコレクションしたり、特別なイベントへの応募チケットを入手したりと、CDならではの楽しみ方があります。
 
表2で見たように、直近の動向を見ると、CDの売り上げは減少の一途をたどっているわけではありません。今後も、CDの需要が少なからず見込まれると考えられます。
 

CD需要は低下傾向にあるが根強いニーズは見込まれる

「Spotify」や「AppleMusic」などの音楽配信サービスが近年高い人気を誇っている一方、CDの生産や売り上げは一時期よりも減少傾向にあります。
 
しかし、売り上げが上昇に転じるなど、一定の需要が存在することも確かであり、今後すぐにCDが市場から消え去ってしまうことは考えにくいでしょう。
 

出典

一般社団法人 日本レコード協会 日本のレコード産業 2025 1、7、8、9、11ページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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