実家の物置から珍しい「聖徳太子が描かれたゾロ目の1万円札」を発見したのですが、保管状態が悪く虫食いやカビが…。銀行に持ち込むべき? それともそのまま売却すべき?
今回は「聖徳太子の1万円札」を例に、希少価値が認められる条件・保存状態の良くないお札の交換方法などについて紹介します。
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「ゾロ目」など希少な紙幣には「プレミア」がつく場合も
古い紙幣のなかには「現在も有効」であるものが存在し、日本銀行のホームページで該当の紙幣かどうかが確認可能です。中には、明治時代に発行が開始された「大黒像の1円券」といったものもあります。
タイトルの事例にある聖徳太子の1万円札についても「有効な銀行券」に該当します。もっとも、発行枚数が多く広く流通していることから、通常であれば額面以上の価値は見込めません。ただし、さまざまな要素から希少とみなされる紙幣も存在します。
大手リユースサービスの運営するコラムによれば、以下のような紙幣には「プレミア」がつく場合もあるようです。
・印刷されている紙幣番号が「1番・ゾロ目・キリ番・階段」
・「AA券」など、紙幣に印刷されている記番号の隣にあるアルファベットが同一
・印刷ミス・印刷ズレ・耳付き・記号違いなどの「エラー紙幣」
もしもこういった紙幣を発見できれば、査定に持ち込んでみるのも1つの方法だといえるでしょう。
紙幣は状態次第で「汚損・損傷時」の交換が可能
古い紙幣を発見した際に気になるのが、汚れたり破れたりしている場合でも紙幣としての価値があるのかという点ではないでしょうか。実は、破れ、汚損、損傷などの理由により使用困難となった紙幣については、一定の条件を満たしている場合「日本銀行の本支店」にて新しい紙幣と交換が可能です。
日本銀行法施行規則第8条が定める「交換可能な基準」は、以下のとおりです。
・表裏の両面がある日本銀行券(紙幣)が全体の3分の2以上が残っている場合「額面全額」
・全体の5分の2以上3分の2未満が残っている場合「額面の半額」
・全体の5分の2未満しか残っていない場合は「交換できない」
「プレミアがつきそうな紙幣だけれど、破れや汚れが気になる」といったケースでは、まず希少性が評価されそうかどうかを考えるのがポイントです。
希少性が見込めない場合は、日本銀行での交換によって状態に応じた額面相当額を確保するのが現実的でしょう。一方、番号やエラーなどから希少性が評価されそうであれば、交換では価値が目減りする可能性があるため、劣化の程度を踏まえた上で査定に出してみる余地もあります。
古い紙幣を買い取りに出す際の2つの注意点
古い紙幣を買い取り査定に出す際には、以下の2点を意識しましょう。
注意点1:劣化が著しい場合は損壊に注意
古い紙幣は紙の耐久性が低い場合もあるため、虫食いやカビがあるならさらなる損壊に注意が必要です。直射日光や外気、湿気を避けて保管しましょう。
注意点2:早めに査定に出す
すでに劣化している紙幣の査定について「時期を見る」ことはおすすめできません。特にタイトルの事例のような「聖徳太子の1万円札」であれば、発行枚数が多く、市場に広く流通していることから、短期間で価値が上昇する可能性は高くないと考えられます。
一方、時間経過・汚損により価値が下がっている可能性を考慮しても、紙幣の特徴によってはプレミアが認められる可能性が残っているともいえます。紙幣の特徴や状態を踏まえてまずは査定に出し、期待した評価が得られない場合に交換を検討する、といった判断も考えられるでしょう。
まとめ
聖徳太子の1万円札のように発行枚数が多い紙幣は、一般的に額面通りの価値として査定されるケースが大半です。一方で「ゾロ目」の紙幣番号や「エラー紙幣」など、珍しい特徴を持った紙幣はプレミアがつく可能性もあります。大がかりな掃除をしなければならない際には、そういった出会いを楽しみにしてみるのも良いかもしれません。
出典
日本銀行 その他有効な銀行券・貨幣
財務省 誤って紙幣を破ってしまった時は、どうすればいいですか
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
