60歳、退職金「3000万円」すべて一つの銀行に預けています。銀行が潰れた場合“1000万円”しか戻ってこないと友人から聞いたのですが本当でしょうか。

配信日: 2025.12.03
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60歳、退職金「3000万円」すべて一つの銀行に預けています。銀行が潰れた場合“1000万円”しか戻ってこないと友人から聞いたのですが本当でしょうか。
高額の預金をするにあたって「もし銀行が潰れてお金がなくなったらどうしよう」と不安を抱く人もいるかもしれません。実際に銀行が破綻した際に預金がどこまで保護されるかは、一定の条件を満たしているかどうかで変わります。
 
今回は、銀行が破綻した際、預金がどう扱われるのか、また万が一に備えて知っておきたいポイントについてご紹介します。
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銀行が潰れたら預金はなくなる?

万が一銀行が潰れても、預けていたお金が必ずしも、全てなくなるとは限りません。銀行が潰れると、利用者の預金を保護する「ペイオフ」と呼ばれる制度が適用される可能性があるためです。
 
ペイオフとは正式には「預金保険制度」と呼びます。預金保険制度では、銀行が潰れた際に、条件に合致していれば一定金額まで預金を保護してもらえます。預金保険機構によると、対象となる預金の種類や保護の範囲は以下の通りです。
 

・決済用預金(当座預金や利息の付かない普通預金など):全額
・一般預金など(利息の付く普通預金、定期預金、定期積金など):全てを合計して元本1000万円+破綻日までの利息など

 
一般預金などを利用していると、1000万円と破綻日までの利息を超えた分の金額については、銀行の財産状況に応じて支払われる可能性があります。
 
例えば、3000万円を利息なしの普通預金に預けているのであれば、全額が保護されるでしょう。しかし、資産形成のために利息が付く普通預金や定期預金などを利用していると、1000万円と破綻日までの利息を除いた2000万円弱は保護されない可能性があります。
 

万が一の銀行破綻に備えるポイント

万が一の銀行破綻時に、できるだけ全額を保護してもらうためには、同じ銀行に預ける金額を1000万円までにおさえるとよいでしょう。3000万円を預ける場合、最低でも3つの銀行に分散して預金すると、全てが保護対象となる可能性があります。
 
ほかには、不動産や金といった現金以外の資産に変えることも1つの方法です。実物資産は銀行が潰れても影響をあまり受けないため、対策としては有効といえます。
 
なお、外貨預金は預金保険制度での保護の対象になりません。外貨預金で資産形成を考えている場合は、もし預けていた銀行が潰れると、お金が返ってこないケースがある点は留意しておきましょう。
 

対策としてのタンス預金はやめた方がよい

「銀行が潰れる可能性が怖いし、複数の口座を管理できないから」と、自宅で保管する、いわゆるタンス預金を検討する人もいるかもしれません。しかし、タンス預金にはリスクもあります。
 
高額の現金が家にあることを他人に知られると、強盗や空き巣に遭うことも考えられます。さらに、火事や地震といった災害に見舞われた際には、自宅とお金の両方を一度に失ってしまうかもしれません。
 
また、生前こうした被害に遭わなかったとしても、自身が亡くなった際にタンス預金が残っていると、相続人の間でトラブルに発展することもありえます。。
 
タンス預金をする場合、このようなリスクを考慮した上で行う必要があります。
 

銀行が破綻すると、一般預金などは1000万円と破綻日までの利息分までが保護される

銀行が潰れた場合、条件を満たす口座であれば、預金保険制度の対象となり預金を保護してもらえます。ただし、一般預金などでは、最大1000万円と銀行破綻日時点での利息分までが保護対象です。今回のように退職金3000万円を同一口座に預けた状態で銀行が潰れると、2000万円弱は保護対象外になる可能性があります。
 
もし全額を保護した状態で預金したいのであれば、退職金の預金先を3つ以上に分けるという方法があります。もしタンス預金を選択する場合はリスクと対策を考えておくことで安心につながります。
 

出典

日本銀行 日本銀行について ペイオフとは何ですか?
預金保険機構 万が一金融機関が破綻した時
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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