手取り23万円で家賃11万円。更新料の請求が“13万2000円”来ました…。これって高すぎませんか?

配信日: 2025.12.03
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手取り23万円で家賃11万円。更新料の請求が“13万2000円”来ました…。これって高すぎませんか?
賃貸住宅に住んでいると、契約の更新時に「更新料」の支払いを求められることがあります。
 
とはいえ、手取り収入に対して家賃の割合が高い場合、更新料が家計に与える影響は大きく、請求額を見て驚く人も少なくありません。今回のケースでは、家賃11万円の物件に住む方に対して13万2000円の更新料が請求されており、「これは妥当なのか?」という疑問が生じているようです。
 
本記事では、更新料の仕組みや相場、家計への影響を踏まえて、適正かどうかを検討します。
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賃貸契約における「更新料」の仕組みとは?

更新料とは、契約期間が満了した際に、契約を更新して引き続き同じ物件に住み続けるために貸主に支払う費用です。日本の賃貸住宅では、地域によって更新料の慣行に差があり、更新料の支払いが一般的な地域もあれば、ほとんど設定されない地域も存在します。
 
例えば、東京都を中心とした首都圏では、2年ごとなどの契約更新時に家賃1ヶ月分前後の更新料を設定する慣行が多く見られます。一方、関西圏では一部地域を除いて更新料の慣行がほとんどなく、その代わりに敷引きや高めの礼金など別の一時金体系が用いられるケースや、家賃設定自体を高くしているケースが多いとされています。
 
更新料の相場は、家賃1ヶ月分とされることが多いですが、契約内容によっては「家賃の1.5ヶ月分」「家賃1ヶ月分+更新事務手数料」など、別途費用が上乗せされている場合もあります。今回のケースでは、家賃11万円に対して13万2000円が請求されていることから、一般的な「家賃1ヶ月分ちょうど」という水準を上回っています。
 
例えば、「更新料1ヶ月分(11万円)+更新事務手数料」のように、契約時に明記されていた可能性があります。まずは賃貸借契約書を確認し、更新料や更新事務手数料の金額・内訳、ならびに根拠条項がどのように規定されているかをチェックすることが重要です。
 

手取り23万円に対して家賃11万円は適正か?

家計を見直すうえで気になるのは、更新料そのものよりも、そもそもの家賃負担の重さでしょう。今回のケースで、手取り23万円で家賃11万円ということは、家賃だけで手取り収入の約48%を占めている計算になります。
 
一般に、家賃の目安は「手取り月収の3割以下」とされています。この基準に照らすと、月収23万円なら家賃は6万9000円程度が適正水準です。現在の家賃11万円は、その水準を大きく上回っており、更新料の支払いで家計が苦しく感じるのも不思議ではない状況といえます。
 
もちろん、勤務地や交通利便性、設備条件などを重視して高めの家賃を許容する選択もありますが、その分だけ他の生活費を削る必要が出てきます。家賃負担が高いと日常の生活費や貯蓄の余力が小さくなり、更新料などの一時的な支出が家計にとって大きな負担となるケースも考えられます。
 

更新料が高いと感じたときの見直しポイント

今回のように「家賃1ヶ月以上」の更新料が請求された場合、まずは賃貸借契約書を読み直すことが先決です。契約時に明示されていた内容であり、かつその内容が消費者契約法上不当でないと判断される場合には、借主はその特約に同意して契約したものとみなされ、原則として支払い義務が発生します。
 
ただし、以下のような場合には見直しや交渉の余地があるかもしれません。例えば、更新料の根拠が曖昧であったり、極端に高かったりする場合などは、貸主に費用の内訳を確認することが有効です。
 
法的には、更新料特約が消費者契約法第10条に反するほど一方的・不合理な内容かどうかが争点となっており、更新料や更新事務手数料の請求根拠が不明瞭な場合や、相場から著しく高いと感じる場合には、その内容や内訳の説明を求めることは借主の正当な権利です。
 
また、家賃自体の見直しも検討の余地があります。近隣の同条件物件と比較して家賃が高い場合や、築年数が経過している場合には、更新のタイミングで家賃交渉を検討してもよいかもしれません。
 
さらに、更新料のかからない物件や、敷金・礼金を抑えた物件を選んで引っ越す選択肢もあるでしょう。敷金・礼金ゼロ、あるいは更新料不要といった条件の物件に引っ越すことで、長期的な住居コストを抑えられる場合があります。
 

まとめ

今回のケースにおける更新料13万2000円という金額は、一般的な「家賃1ヶ月分」という水準と比較した場合、家賃11万円の物件としては高めに感じられるかもしれません。
 
しかし、賃貸借契約書に明記されており、かつその内容が消費者契約法上不当でないと判断される場合には、法的には有効とされる可能性が高いです。
 
更新料の金額に疑問を感じたときは、まず賃貸借契約書を確認し、必要に応じて内容の説明を貸主に求めてみましょう。そして、今後の生活の安定を考えるなら、家賃負担そのものを見直すことも視野に入れるのがおすすめです。自分の生活スタイルや収支バランスに合った住まい選びが、長期的な安心につながります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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