学生同士で「通学定期券」を貸し借りするのはNG? “正規運賃の3倍の金額”を請求される可能性や、“定期券が無効”になって回収される恐れも!?
本記事では、通学定期券の貸し借りに関するリスクを解説します。
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家族や友人でも「記名式定期券」の貸し借りはNG
「通学定期券」の貸し借りについては、各鉄道会社の旅客営業規則によって対応が異なります。例えば、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の「旅客営業規則」第168条には、定期乗車券をその記名人以外の者が使用した場合、無効として回収すると明記されています。
つまり、「記名式定期券」を記名人以外が借りて使用した場合、無効にされるだけでなく、回収されてしまう可能性があるため注意が必要です。
「通学定期券」は一般的に「記名式定期券」に含まれることから、友人や家族であっても、貸し借りをすべきではありません。掲題のように学生同士で「通学定期券」を貸し借りする行為は、不正利用に該当する恐れがあります。
不正利用に該当する場合は高額な割増運賃を請求される恐れも
定期券の不正利用が発覚した場合、鉄道会社から割増運賃を請求される恐れがあります。具体的には、「鉄道営業法」第18条および「鉄道運輸規程」第19条の定めにより、乗車した区間の運賃とその「2倍以内」の割増運賃を請求される可能性があるようです。
東日本旅客鉄道株式会社の「旅客営業規則」第265条によると、同規則第168条第1項の規定により定期乗車券を無効として回収した場合、その定期乗車券の有効期間における開始日から無効になった日まで、定期乗車券の区間を毎日1往復ずつしたものとして計算された普通旅客運賃と、その2倍に相当する割増運賃をあわせて請求するとあります。
つまり、正規の運賃とペナルティーの請求を合わせると、場合によっては「3倍の運賃」を請求される恐れがあるのです。例えば往復500円の区間で、定期券の利用開始日が6月1日、7月20日に不正利用が発覚した場合、請求額は「7万5000円」程度になる可能性があります。
SNS上では、定期券の不正利用によって、数十万円の請求を受けたケースが注目を集めたこともあるようです。このように、定期券の貸し借りといった不正利用はリスクが大きいと分かります。
「通学定期券」の場合は証明書の携帯も必須
東日本旅客鉄道株式会社の「旅客営業規則」第170条によると、「通学定期乗車券」は通学する指定学校の代表者が発行した、規定の証明書を携帯する場合のみ有効であると定められています。つまり、「通学定期券」を正規利用する場合であっても、証明書の携帯が必要です。
また、同社の「旅客営業規則」第168条には、通学定期券の利用者が第170条の規定による証明書を携帯していない場合にも言及されており、記名人が通常利用する際でも、証明書を所持していないと「通学定期券」が無効となり、回収される可能性があります。
まとめ
学生の方が通学に利用する「通学定期券」は、基本的に記名人のみが使用できます。そのため、友人と貸し借りしてしまうと不正利用とみなされ、鉄道会社から正規の運賃だけでなく割増運賃を請求されたり、定期券自体を無効にされたりする恐れがあり注意が必要です。
また、「通学定期券」を利用する際は、通学する指定学校の代表者が発行する規定の証明書を携帯しなければなりません。証明書がないと定期券が無効の扱いとなり、回収される可能性があります。
出典
東日本旅客鉄道株式会社
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
