キャッシュレス派の娘。気づいたらお金がなくなっていそうで、現金派の私は少し心配です。どちらのほうが、お金を上手にコントロールできるのでしょうか?
今回は、キャッシュレス決済について、詳しく解説します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
キャッシュレスの普及割合
まずは、キャッシュレス決済の現状を確認していきます。経済産業省が発表している調査によると、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%(141兆円)となりました。その内訳は、以下のとおりとなっています。
クレジットカード:82.9%(116兆9000億円)
コード決済 :9.6%(13兆5000億円)
電子マネー :4.4%(6兆2000億円)
デビットカード :3.1%(4兆4000億円)
キャッシュレス決済の比率は、年々伸びてきています。2017年のキャッシュレス決済の比率は21.3%だったので、ここ7年で、キャッシュレスを利用する割合が倍増したことになります。
キャッシュレスのメリットとデメリット
経済産業省は、キャッシュレス決済をさらに伸ばし、将来的には80%まで拡大させたい方針です。では、現金決済とキャッシュレス決済を比べながら、キャッシュレス決済のメリットとデメリットをチェックしていきましょう。
・ATMから現金を引き出す手間がなくなる
・買い物の際、現金の受け渡しがないため決済がスムーズ、時間を短縮できる
・クレジットカードの利用明細などで、過去の支払い履歴を確認できる
・ネットショッピングの利用ができる(ネットショッピングは現金非対応のケースも多い)
・ポイントが貯まるなどお得なサービスを利用できる
・キャッシュレス決済に対応していない店で支払いができない
・もしものときのために、現金も持ち歩かなければいけない
・カードやスマートフォンの不具合で決済できない可能性がある
・不正利用される不安を感じる人がいる
・現金支払いに比べお金を使っているという意識が薄れ、お金を使い過ぎてしまう可能性がある
今後の決済方法は?
現金決済でも、キャッシュレス決済でも、それぞれメリットとデメリットがあります。ただし、国の方針では、今後さらにキャッシュレス決済を推進していく予定です。
例えば、キャッシュレス決済のデメリットである「現金しか対応していない店」は、今後減少していくと考えられます。また、不正利用を防ぐために、セキュリティーの強化が進められています。
また、タイトルにあるように、今まで現金派だった方は、キャッシュレス決済に抵抗を感じるかもしれません。確かに、デメリットの最後に挙げたように、キャッシュレス決済は、現金支払いに比べお金を使っているという意識が薄れ、使い過ぎてしまう可能性があります。
小学生や中学生などのお子さんには、クレジットカードなどを持たせるのではなく、お小遣いとして現金を渡したほうが、お金の教育につながるでしょう。また、大人であっても、キャッシュレス決済の記録から家計簿アプリなどを利用して、毎月家計の収支を確認することが大切です。
キャッシュレス決済のデメリットを上手に克服していくことで、今後さらにキャッシュレス決済が普及していくと考えられます。
まとめ
キャッシュレス決済は、上手に使いこなせば、時短や手間の省略、お得なポイントサービスの利用など、さまざまなメリットがあります。今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分が利用しやすいキャッシュレス決済を見つけ、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
出典
経済産業省 2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
