会社の健康診断で“要精密検査”になった同僚が再検査へ。病院代は自腹? それとも会社負担?どこまでが会社の「義務」なのか解説
結論から言えば、再検査の費用は原則として自己負担ですが、会社には別の形での責任も存在します。本記事では、再調査の病院代について解説します。
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目次
会社に義務付けられているのは「定期健康診断」まで
労働安全衛生法では、事業者に対し、従業員へ年1回の定期健康診断を実施することを義務付けています。この定期健康診断の実施費用は、当然ながら会社負担です。従業員の健康状態を把握し、労働による健康障害を未然に防ぐことが、事業者の責任とされているためです。
「要精密検査」後の再検査は原則「自己負担」
一方で、健康診断の結果「要精密検査」と判定された後の再検査や精密検査は、法律上、会社に実施義務や費用負担義務はありません。
定期健康診断は、あくまで異常の可能性を見つけるためのスクリーニング検査です。その後の精密検査は、通常の医療行為として扱われ、健康保険を使った自己負担(原則3割)となるのが一般的です。
費用は出なくても会社には「配慮義務」がある
再検査の費用負担はなくても、会社が何もしなくてよいわけではありません。会社には、健康診断結果を踏まえて医師の意見を聴取し、必要に応じて業務内容の見直しや残業制限、配置転換などを検討する義務があります。
再検査の結果を無視して働かせ続けることは、安全配慮義務違反と判断される可能性もあります。
福利厚生として再検査費用を補助する会社も
企業によっては、福利厚生の一環として再検査費用を補助したり、全額会社負担としたりするケースもあります。特に「健康経営」を掲げる企業では、再検査の受診率を高める目的で制度化していることがあります。ただし、これはあくまで企業独自の取り組みであり、法律上の義務ではありません。
長時間労働や強いストレスなど、業務との関連性が強いと考えられる疾病が見つかった場合には、労災認定の可能性が出てきます。この場合、再検査や治療費の扱いが変わることもあり、会社の責任がより重く問われることになります。
不安なときは就業規則や人事に確認を
再検査の費用や受診時の扱いは、会社ごとに対応が異なります。まずは就業規則や福利厚生制度を確認し、不明点があれば人事・総務に相談するのが安心です。
「自己負担が原則」と知ったうえで、会社の姿勢や制度を正しく理解しておくことが、無用なトラブルを防ぐ第一歩と言えるでしょう。
出典
厚生労働省 健康診断を実施し、事後措置を徹底しましょう
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
