【注意】愛車を「一括査定」の業者に“100万円”で売却→後日「傷があった」と“10万円減額”の連絡が…キャンセルするにも「10万円必要」とのことですが、本当に払う必要はありますか?

配信日: 2025.12.17
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【注意】愛車を「一括査定」の業者に“100万円”で売却→後日「傷があった」と“10万円減額”の連絡が…キャンセルするにも「10万円必要」とのことですが、本当に払う必要はありますか?
「一括査定で100万円と言われたので売却したのに、引き渡したあとで“やっぱり傷があったので10万円減額します”と言われました。車を返してほしいと言ったら“キャンセル料10万円です”とのこと。これって払わなきゃいけないんでしょうか……?」
 
実は、こういった相談は珍しくありません。私自身、元ディーラー営業マンとして中古車の査定や買取の現場にいましたが、「後から減額」や「キャンセル料」をめぐるトラブルは、今も多く寄せられています。
宇野源一

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「査定後に減額された」「キャンセル料を請求された」よくあるトラブルです

査定のときには気づかなかった細かい傷や下回りのサビを理由に、引き渡し後に値下げを求められる事例は昔からよくあります。業者によっては、最初に高く査定してお客さんの気持ちをつかみ、あとで減額交渉をするケースもあるようです。
 
もちろん、すべての業者がそうではありません。ですが、“契約後の減額”は中古車買取の世界ではたびたびある話です。私の経験でも、売却後に電話一本で「再査定」と言われるケースを何度も見てきました。
 

減額やキャンセル料は本当に支払わなければならない?

結論から言うと、契約書に減額やキャンセル料について明確な記載がなければ、支払う義務がないケースが多いです。
 
「査定時と違う」「傷があった」と業者が主張する場合でも、それを証明するのは業者側の役割です。契約書に以下のような記載がある場合は、注意が必要です。


「引き渡し後に修復歴や傷が見つかった場合は減額に応じること」
「売買契約後のキャンセルは○万円の違約金が発生する」

ただ、こういう条項が書かれていても、消費者に一方的に不利すぎる内容なら無効と判断されることもあります。最終的には“納得できる契約だったかどうか”がポイントです。
 

車を返してもらえるのかは「名義変更が済んでいるか」で変わる

車を返してもらいたい場合、ポイントは名義変更が終わっているかどうかです。
 
名義が変わった時点で、法律上は業者の所有物になります。返してもらうには「契約の解除」に応じてもらう必要があり、ここでキャンセル料を求められるパターンが多いです。
 
もしまだ名義変更前であれば、減額請求が納得できないと伝え、返却を求める交渉も可能です。
 

トラブルになったらどう動くべき?

トラブルになったとき、このように動くといいでしょう。


1. 契約書の確認:減額・キャンセルに関する条項をチェック
2. 減額の理由を証拠付きで求める:口頭だけなら応じない
3. やり取りはメールやLINEで残す(電話はNG)
4. 納得できなければ「内容証明郵便」で返答
5. 第三者機関へ相談

・国民生活センター(消費者ホットライン「188」)
・自動車公正取引協議会
・弁護士や司法書士など専門家

「内容証明郵便なんて大げさでは……?」と思うかもしれませんが、業者側も“この人は本気だな”と感じると対応が変わるというケースが多々あります。
 

まとめ

後からの減額やキャンセル料の請求は、実は中古車の売却現場では決して珍しい話ではありません。ただし、その請求に応じなければならないかどうかは、契約書にどのような取り決めが書かれているかによって大きく変わります。
 
もし契約書に減額やキャンセル料に関する明確な記載がなく、納得できない理由で請求されているのであれば、無理に応じる必要はありません。やり取りの記録や査定時の情報など、証拠をきちんと残しながら、冷静に対応することが大切です。
 
また、一人で抱え込む必要はありません。不安なときや話がこじれそうな場合は、消費生活センターや自動車公正取引協議会、弁護士などの専門家に相談することで、状況が一気に開けることもあります。泣き寝入りする前に、ぜひ頼れる場所を活用してください。
 
執筆者 : 宇野源一
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