高校生の孫に「お年玉1万円は少ない」と言われた正月…今年は「1万円より多く」あげるべきですか? 高すぎる気がしますが、最近は“平均的な額”なのでしょうか?
本記事では、最新のお年玉相場データをもとに、高校生の一般的な金額レンジ、祖父母と親の違い、地域差の傾向を整理します。家庭に無理のない金額設定を考える材料としてご活用ください。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
高校生のお年玉相場はどれくらい? 一般的な金額レンジをチェック
高校生に渡すお年玉については「1人あたりの金額」と「もらう合計額」の2つの視点で、相場を具体的に確認しましょう。
1人あたりの金額:5000円~1万円が金額レンジの中心
株式会社インテージが2024年に発表した「2025年お年玉調査」によると、2025年に高校生に渡す1人あたりのお年玉金額では「9001円~1万円」が最も多く、次いで「4001円~5000円」となっています。
こうした傾向から、「5000円程度から1万円前後」を渡す家庭が一般的であり、全国的にもこの金額レンジが主流といえるでしょう。
もらう総額:平均で約2万8千円
学研教育総合研究所の「小学生・中学生・高校生白書 小学生・中学生・高校生の日常生活に関する調査2024」では、高校生が2024年のお正月にもらったお年玉の合計金額の平均は2万7963円でした。中学生の平均2万7499円、小学生の平均2万225円と比較して、高校生はやや高めとなっています。
このことから、1人あたりの相場が5000円~1万円前後が中心であっても、合計すると2万円台後半程度になりやすいことが分かります。
なぜ高校生は「もっと欲しい」と感じるのか? 増える支出と期待の背景
高校生になると、中学生までと比べて部活動の遠征費やユニフォーム代、交際費、スマホ料金・データ通信料、推し活(趣味やイベント)などの支出が増えがちです。また、大学進学や専門的な準備の費用を視野に入れ始めるため、金銭感覚の重みが増します。
このように出費が増える時期に、お年玉に対する要求感が高まることは自然な流れかもしれません。同級生と比較することで「もっとほしい」と感じる心理が強まるのも、高校生ならではの特徴といえるでしょう。
もらう立場の期待値が上がる
高校生は、大人から「自立を意識する年齢」と見られやすく、同級生や兄弟の受け取った額を知る機会も多いため、期待値が上がりやすくなります。ただし、お年玉の相場は家庭ごとの価値観や家計状況によって大きく異なるため、「相場=絶対的な基準」ではないことを高校生にも伝えていく必要があります。
祖父母として無理なく納得できる金額を決めるポイント
お年玉の金額は、相場を参考にしつつも、家庭や親族間で役割分担を考えることで、負担感や不満を減らすことができます。
家庭の事情に合わせる
経済的な状況は、家庭によって大きく異なります。
特に兄弟・姉妹が多い場合、全員に同じ額を渡すと負担が大きくなることもあります。家計が厳しいときは無理をせず、あらかじめ孫の両親や、もう一方の祖父母と話し合っておくことが大切です。
親と祖父母で役割分担をする
例えば、親からは5000円、祖父母からは1万円というように、役割分担を決めると両者の期待値を調整しやすくなります。また、複数の大人が渡す場合には、合計金額が大きくなりすぎないよう合意の上で設定することも有効です。
金額を増やさずに気持ちを伝える工夫をする
お年玉をこれ以上増やすのが難しい場合でも、ちょっとした工夫で「気持ちが伝わる贈り方」になります。例えば、図書カードや勉強・趣味に使えるギフトカードなど、お年玉とは別の小さな応援アイテムを添えると、「自分のことを考えて選んでくれた」という特別感を与えられるでしょう。
現金そのものの価値は変わりませんが、こうした工夫によって、受け取る側が気持ちの満足感を得やすくなります。
金額にとらわれすぎず、家庭に合ったちょうどよい金額を見つけよう
高校生へのお年玉は、「5000円~1万円前後」が中心で、合計では2万~3万円台になりやすい傾向があります。ただし、これはあくまで目安であり、家庭ごとの事情や価値観によって最適な金額は異なります。
大切なのは、親や祖父母、親族同士で事前に金額設定や役割分担について共有し、家計に無理のない範囲で“納得できる金額”を決めることです。また、高校生自身にも「相場は参考であり、家庭ごとの事情がある」ことを伝え、金銭感覚の理解を促すことが長期的な金銭教育につながります。
出典
株式会社インテージ 「お年玉」に関する調査結果
株式会社学研ホールディングス 学研教育総合研究所 小学生・中学生・高校生の日常生活に関する調査2024結果を発表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
