高校生に「月5000円」は“お小遣い”として少なすぎですか!? ママ友に「その額だと友だち付き合い厳しい」と言われたのですが、今の“平均”はいくらですか? 上の子のときは大丈夫だったのですが…

配信日: 2025.12.20
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高校生に「月5000円」は“お小遣い”として少なすぎですか!? ママ友に「その額だと友だち付き合い厳しい」と言われたのですが、今の“平均”はいくらですか? 上の子のときは大丈夫だったのですが…
子どものおこづかいを決める際、きょうだいがいる場合は上の子のときの金額や、ママ友の情報、アンケート調査結果にある「平均値」などを参考に決める人は多いと思います。しかし、昨今の物価上昇もあり、なにを基に決めたらよいのか悩ましいところです。
 
ここでは、高校生の平均的なおこづかいの金額や、適切な金額の決め方のヒントを紹介します。
掛川夏

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

高校生のおこづかい、平均は月5000円~5500円

高校生の子どもに渡しているおこづかいの平均的な金額を見てみましょう。株式会社リクルートのの「スタディサプリ進路」が行った調査によると、高校生がひと月にもらっているおこづかいの平均金額は5415円でした(図表1)。2023年からの経年では、平均金額が上昇しています。
 
図表1

図表1

株式会社リクルート 「お小遣い実態調査2025」より筆者作成
 
ほかの調査でも同様の結果がでていることから、高校生の毎月のおこづかいは、おおよそ5000円から5500円の間であれば一般的と言えそうです。したがって、「高校生のおこづかいが月5000円」というのは、妥当であるか、やや少なめといえるでしょう。
 

子ども目線で必要な金額を棚卸しする

各種調査で公表される平均的な金額は参考になるとはいえ、それだけで金額を判断するのは尚早です。では、ほかにどのような視点が必要でしょうか。
 
一番は、「わが家」の基準ができていて、それに親子が納得していることです。当たり前のことかもしれませんが、親子でいま一度考えてみてはいかがでしょうか。具体的には、1)子どもにとって必要な支出の用途や金額を確認し、2)それぞれどの程度まで、どのように渡すのかを決める、という2ステップで考えるのがおすすめです。
 
1)について、高校生が使うお金の主な用途は次のようなものです。

・学習に必要なアイテム(参考書、文具など)
・部活動で必要なアイテム(消耗品とそれ以外とで分ける)
・飲食(夏場の飲み物など必須なものと、それ以外とで分ける)
・友だちとの遊興(カラオケ、プリクラ、入園料など)
・スマホやゲーム関連(スマホ使用料とそれ以外とで分ける)
・趣味(マンガ、推しのグッズ、いろいろなものを作るのに必要な制作費など)
・すでに家にあるもの以外で必要な日用品や服飾品(おしゃれや美容のグッズなど)
・交通費(上記の項目と重なることもある)

 
これらの金額を子ども目線で積み上げると、びっくりするほど高額になるケースが大半です。しかし、初めから「これはあなたには不要でしょ」と親が勝手に判断するのではなく、いったんは子ども自身が必要だと思っているものをすべて挙げさせましょう。自分が何にどれだけお金を使いたいのかを、子どもが自ら考え直すきっかけになります。
 

基本方針を決めて、親子で合意する

2)については、「高額なものは都度話し合って渡す」「学校生活に必要なものはすべて親が出す」など、基本的な方針を決めます。
 
途中、これはどっちだろう? と曖昧な項目が出てきますから、そこは親子で話し合います。対話し、交渉しながら決めていくことができれば、出した結論がよそと比較して高い安いではなく、わが家の金額として親も子どもも納得しやすくなるでしょう。
 

キャッシュレスの扱いに注意

キャッシュレス決済の普及に伴い、電子マネーなど現金以外の手段でおこづかいをもらう高校生も一定数いるようです(図表2)。おこづかいに相当する内容を電子マネーのチャージや送金で渡す可能性がある場合は、その見込み額や用途も確認します。
 
前記したおこづかいの平均額も、キャッシュレスでのやりとりを含むかどうかで、実態はさまざまかもしれません。
 
図表2

図表2

株式会社テスティー 中学生・高校生のお小遣いに関する調査【2025年版】より筆者作成
 

親から提示したい4つの視点

おこづかいの金額を考える際のポイントはほかにもあります。
 

・家計や親の「おこづかい」との整合性
・貯金
・アルバイトの有無
・お年玉など臨時のおこづかいの使い方

 
SBI新生銀行に調査によると、40代男性会社員のおこづかい額の平均は約3万6000円です。
 
子どもと比較して高額ですが、使途が異なるうえ、やりくりしながら使っている場合が多いでしょう。もし親のおこづかいをかなり削減しているのであれば、子どもだけが潤沢にもらってよいのか、平均額にとらわれず家庭の方針を優先することも大切です。
 
また、毎月一定額の貯金を促すのか、アルバイトは許可するのか、許可する場合は毎月の収入見込みと合わせておこづかいの金額や用途を検討します。加えて、子どもがお年玉をもらうなど、臨時のおこづかいをどう使うのかについても子どもと話し合いましょう。
 

まとめ

高校生のおこづかいは5000円台が平均とはいえ、おこづかいとみなす範囲や「臨時収入」の金額などは家庭によってさまざまです。
 
子どもやママ友の「みんなはもっともらっている」といった言葉にとらわれず、トータルでどれだけ親が援助しているのかの実態を確認するとともに、「わが家」オンリーワンの金額を、親子で話して決められるといいですね。
 

出典

株式会社リクルート 現役高校生と保護者が回答!「お小遣い実態調査2025」
株式会社テスティー 中学生・高校生のお小遣いに関する調査【2025年版】
株式会社SBI新生銀行 「2024年会社員のお小遣い調査」結果について
 
執筆者 : 掛川夏
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

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