40代の同僚に「親の旅行に20万円出した」と聞き驚き! 私は昔から「1万円のプレゼント」程度でしたが、年齢的に「数十万円出す」のは“当たり前”ですか?「高額=親孝行」でない理由とは
本記事では、親へのプレゼントの金額について考えてみます。
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親へのプレゼント、金額に「正解」はあるのか
結論から言えば、親へのプレゼントに「この金額が正解」という基準は存在しません。プレゼントの金額は、贈る側の経済状況、親との関係性、プレゼントの種類や目的など、さまざまな要素によって変わってくるからです。
例えば、母の日や父の日に感謝の気持ちを込めて贈る場合と、還暦や古希など人生の大きな節目を祝う場合とでは、自然と金額感も異なってくるのではないでしょうか。
日常的な感謝を伝えるプレゼントであれば数千円から1万円程度、特別なお祝いであれば数万円以上というように、シーンに応じて金額の幅があるのが一般的といえるでしょう。
旅行のプレゼントは金額が高くなりやすい
同僚が「20万円」と話していたのは、親への旅行代だったとのこと。旅行をプレゼントする場合は、宿泊費や交通費などがかかるため、物品を贈る場合と比べて金額が高くなる傾向があります。
特に還暦祝いなど人生の節目に、普段は行けないような高級旅館やホテルへの宿泊をプレゼントするケースでは、10万円を超えることも珍しくありません。兄弟姉妹がいる場合は、費用を分担して贈ることもあるでしょう。
一方、日帰り旅行や近場への小旅行であれば、数千円から数万円程度に収まることもあります。旅行をプレゼントする場合は、行き先や宿泊先のグレード、日数などによって金額が大きく変動するため、一概に「相場はいくら」とは言えません。
「1万円」のプレゼントは少ないのか
節目に1万円程度のプレゼントを贈っているというのは、決して少なすぎるということはありません。親へのプレゼントにおいて重要なのは金額ではなく、感謝の気持ちを伝えることだからです。
1万円程度の予算があれば、高級フルーツの詰め合わせやお取り寄せグルメ、ちょっと良いお酒、ペアで使える食事券など、親が喜ぶものを十分に選ぶことができます。親にとっては、子どもが自分のことを考えて選んでくれたという事実そのものがうれしいものではないでしょうか。
むしろ、あまりに高額なプレゼントを贈ると、親が「こんなに使って、この子の家計は大丈夫だろうか」「老後の資金はちゃんと貯めているのか」と心配してしまうこともあります。親を安心させるという意味でも、無理のない金額のプレゼントには十分な価値があるといえるでしょう。
年齢や収入に応じて無理のない範囲で
40代になると収入が増える人も多く、それに伴って親へのプレゼントの金額が上がるケースがあるかもしれません。しかし、40代は住宅ローンや子どもの教育費など、支出が増える時期でもあります。
周囲と比較して「自分は少ないかも」と焦る必要はありません。例えば、プレゼントに20万円を使う代わりに、その資金をNISAなどで長期運用に回せば、将来の自分や家族のための資産形成につながります。
親孝行も大切ですが、自身の老後資金を確保することも、長い目で見れば親を安心させることにつながるのではないでしょうか。意外と親は、そうした経済的なゆとりも見透かしてしまうものです。
大切なのは、自分の経済状況に合った無理のない範囲で、感謝の気持ちを形にすることです。無理をして高額なプレゼントを贈っても、それが原因で自分の生活が苦しくなってしまっては本末転倒といえます。
まとめ
親へのプレゼントの金額に「正解」はありません。旅行をプレゼントする場合は金額が高くなりやすい傾向がありますが、1万円程度のプレゼントが少なすぎるということはないでしょう。
高額なプレゼントは、かえって親に心配をかけてしまうこともあります。他人と比較して金額の多寡を気にするよりも、自分の経済状況に合った範囲で、感謝の気持ちを込めてプレゼントを選ぶことが大切です。
執筆者 : 金子賢司
CFP
