政府推奨案では“1人3000円”を軸に検討が進む「おこめ券」の配布。親戚からお米をもらえるわが家への恩恵は正直微妙…。万一のときは“換金”しても大丈夫?

配信日: 2025.12.24
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政府推奨案では“1人3000円”を軸に検討が進む「おこめ券」の配布。親戚からお米をもらえるわが家への恩恵は正直微妙…。万一のときは“換金”しても大丈夫?
昨今の物価高により、生活費を見直している方もいるのではないでしょうか。なかでも米の価格は上昇傾向が続き、家計への負担を実感している人も少なくありません。こうした状況を受け、政府は備蓄米の放出など、米を巡る対策を進めています。物価高対策の一環として、政府は「お米券」の配布を検討しているようです。
 
本記事では、お米券の配布についての基礎知識を紹介し、「お米券が不要な場合、換金していいの?」といった疑問にお答えしていきます。
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政府は物価高対策の一環として1人3000円の「お米券」の配布を検討中

政府では足下の物価高対策が念頭に置かれており、その一環として、お米券配布などによる食料品の価格高騰対策支援が盛り込まれる見通しです。鈴木憲和農林水産大臣の2025年11月25日の記者会見によれば、金額は1人あたり3000円相当を地方自治体が活用できる「重点支援地方交付金」に別途加算する予定とされています。
 
また、農林水産省は2025年12月5日までの3日間、各自治体に対してオンライン説明会を実施しました。詳細は非公開であるものの、過去のプレミアム付き商品券の配布事例などが参考にされたとみられます。例えば、2025年8月には埼玉県秩父市でもおこめ券の配布が実施されています。
 

「期限付き」のお米券は換金できない可能性も

通常購入できる「おこめ券」は全国農業協同組合連合会(JA全農)の「おこめギフト券」および、全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)の「全国共通おこめ券」の2種類が発行されているようです。1枚500円で440円分のお米が購入可能で、60円の差額は印刷費・流通経費等にあてられています。
 
また、これらの「おこめ券」に有効期限は定められておらず、金券ショップなどでの買い取りも受け付けているようです。
 
対して、政府が今回配布を検討しているお米券については、転売対策として「2026年9月末まで」の使用期限や、「転売禁止」の文言を券面に記載することなどが検討されているようです。そのため、常時流通のおこめ券と異なり、手元に取っておいても換金はできない可能性も考えられます。
 
なお、農林水産省は、今回検討されているお米券について、米に限らず食料品全般に利用できる形とする可能性も示しています。具体的な利用対象は自治体の判断に委ねられる見通しで、必ずしも「米しか買えない券」になるとは限りません。
 

一部には「お米券は配布しない」と表明する自治体も

内閣府によれば、お米券の配布は「重点支援地方交付金」への加算を利用して実施予定とのことですが、経費などの面から「お米券という手段」には消極的な意見を表明している自治体もあるようです。
 
例えば、静岡市では選択肢が広いほうが良いとして、過去に市で発行したプレミアム商品券など別の施策を検討しています。また大阪府交野市の山本景市長は「配布拒否」の意向を示すなど、対応方針はまちまちのようです。お住まいの自治体がどのような形の支援策を採るのかを注視しておきましょう。
 

まとめ

これまで、お米券の詳細や換金について紹介してきました。お米券の配布については、住んでいる自治体によって施策が変わる可能性もあるようです。
 
「親戚から米をもらえる」という掲題のような家庭であれば使い道に悩むことも考えられますが、今回検討されているお米券は米以外の食料品にも利用できる可能性がある一方、換金や転売を想定していない可能性が高く、期限内に利用しなければ失効する点には注意が必要です。
 

出典

農林水産省 鈴木農林水産大臣記者会見概要
農林水産省 鈴木農林水産大臣記者会見概要
秩父市
全国農業協同組合連合会 全農の『おこめギフト券』
全国米穀販売事業共済協同組合 おこめ券について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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