マイナ保険証が読み取れないと言われ、医療費をいったん10割負担しました。今回多く支払った分は、どんな手続きでいつ頃戻ってきますか?

配信日: 2025.12.25
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マイナ保険証が読み取れないと言われ、医療費をいったん10割負担しました。今回多く支払った分は、どんな手続きでいつ頃戻ってきますか?
マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」は、医療機関での手続きを簡素化し、正確な自己負担額で受診できる仕組みとして導入が進んでいます。一方で、医療機関の窓口でマイナ保険証の資格確認ができず、やむを得ず医療費を10割負担することになったという人もいるでしょう。
 
突然まとまった医療費を支払うことになれば、家計への影響は決して小さくありません。本記事では、マイナ保険証が使えず10割負担した場合、支払った分はいつ頃、どのような形で戻ってくるのかを解説します。
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マイナ保険証が使えず10割負担になる背景

マイナ保険証は、医療機関がオンラインで保険資格を確認する仕組みです。しかし、システム障害やカードの読み取りエラー、暗証番号の問題などが発生すると、その場で資格確認ができないことがあります。
 
資格確認ができない場合、医療機関では保険適用ができず、一時的に無保険扱いとなります。その結果、本来は1~3割の自己負担で済む医療費を、いったん10割全額支払う対応が取られます。これは制度上の暫定措置であり、最終的に保険給付を受けられなくなるわけではありません。
 
なお、マイナ保険証をカードリーダーで読み取れない場合でも、その場で医療費を10割負担する対応を取らずに済む場合があります。制度上は、医療機関の窓口で別の方法により保険資格を確認できるケースが認められています。
 
例えば、マイナンバーカードとあわせて資格情報を提示するなどの対応も可能です。したがって、読み取りエラーが発生した場合は、全額自己負担とする前に医療機関に相談してみましょう。
 

後日払い戻るのは療養費としての保険給付

10割負担した医療費のうち、本来保険が適用される部分は、「療養費」として後日払い戻されます。例えば、自己負担割合が3割の人が1万円を支払った場合、実際の自己負担額は3000円です。この場合、差額の7000円が療養費の支給対象となります。
 
つまり、10割負担はあくまで一時的な立て替えであり、最終的な負担額は通常の受診時と基本的に変わりません。ただし、返金までに時間がかかる点が、家計管理上の注意点となります。
 

返金までにかかる期間と家計への影響

療養費の申請を行ってから実際に給付金が支給されるまでの期間は、一般的に1~3ヶ月程度が目安です。申請内容の確認や審査に時間を要するため、即時返金とはなりません。
 
医療費が高額だった場合、一時的とはいえ数万~十数万円を立て替えることになり、家計のキャッシュフローに影響が出る可能性があります。特に、貯蓄に余裕がない世帯では、急な出費として負担を感じやすいでしょう。こうした点からも、早めに申請手続きを進めることが重要です。
 

療養費支給申請を行う際に注意したいポイント

療養費の支給申請には、医療機関が発行した領収書の原本が必要です。領収書を紛失すると、原則として返金を受けられなくなるため、保管は徹底しましょう。
 
また、医療費控除との関係にも注意が必要です。10割で支払った金額全体ではなく、最終的に自己負担となった金額のみが医療費控除の対象となります。返金予定額を含めて申告すると、後から修正が必要になる可能性があるため、実質的な負担額を正確に把握することが大切です。
 

療養費制度を理解して医療費の自己負担に備えよう

マイナ保険証の読み取りができず医療費を10割負担した場合でも、必ずしもその場で医療費を10割負担しなければならないとはかぎりません。状況によっては、別の方法で保険資格を確認できるケースもあるため、まずは窓口で相談することが重要です。
 
それでも結果的に10割負担となった場合には、療養費制度を利用することで、本来保険が適用される分について後日給付を受けられます。ただし、支給までには一定の期間がかかり、一時的に家計の負担が増える点には注意が必要です。
 
療養費制度の仕組みを理解し、領収書の管理や申請手続きを適切に行うことで、不要な負担を抑える行動につなげていきましょう。
 

出典

厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について
厚生労働省 資格確認方法について
江東区 療養費の支給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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