同僚は“通勤手当”で「定期券」を買わず「趣味の旅行」に使っているようです。「通勤定期」を買うための“手当”を他の用途に使っても大丈夫なんですか?

配信日: 2026.01.06
この記事は約 3 分で読めます。
同僚は“通勤手当”で「定期券」を買わず「趣味の旅行」に使っているようです。「通勤定期」を買うための“手当”を他の用途に使っても大丈夫なんですか?
公共交通機関を利用して通勤している方も多いでしょう。企業によっては、公共交通機関を利用した通勤者には、定期代に相当する通勤手当が支払われることがあります。しかし、この通勤手当で定期券を買わず、別の費用に充てている方もいるようです。通勤手当を通勤以外で使っても問題ないのでしょうか。
 
本記事では、通勤手当の概要や通勤手当の不正受給と判断されるケースなどを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

「通勤手当」は労働基準法上「賃金の一部」

厚生労働省によると、通勤手当は労働の対償として支払われるものとされ、労働基準法上の「賃金」の一部に該当すると整理されているようです。支給実態は企業によりさまざまですが、所得税法上は一定の範囲まで非課税という点が賃金とは異なります。
 
労働基準法上の賃金の一部とされていることから、通勤実態に見合う額が適正に支給されている限り、そのお金自体の使い道は基本的に労働者の自由と考えられます。
 
したがって、掲題のように結果として趣味の旅行費用に回したとしても、直ちに法令違反に該当するとは限りませんが、会社の旅費規程や通勤手当規程で定期券の私的利用を制限している場合や、通勤実態に比べて過大な手当を受け取っている場合などは、不正受給や課税上の問題となる可能性もある点には注意が必要です。
 

通勤手段・経路を偽ると「不正受給」とみなされる恐れも

前述の通り賃金の一部である以上、基本的には通勤手当の使途内容を問われることはないかもしれません。ただし、通勤手当の受給にあたり、事前に申請した内容と違うルート・交通手段で通勤した場合などは不正受給として懲戒処分を受ける恐れがあります。
 
実際、ある自治体では職員の通勤に関する調査により3名の不正受給が発覚し、全員に文書訓告が通達されました。これはいずれも交通手段の変更を申告していなかったために起きた事案です。
 
また、別の自治体では97名の不正受給が発覚し、戒告・厳重注意などの処分が下されました。不正受給額は合計で900万円を超え、1人あたりの最高額は50万円近くとなっており、原因究明・再発防止のための第三者検討会も設けられる事態になっています。
 

「不正受給」に陥らないための注意点

ここからは、通勤手当の不正受給とならないために注意するべきポイントを3つ紹介します。新規申請はもちろん、変更申請でも不正行為に該当しないように注意が必要です。
 
1.転居の際は速やかに会社へ報告する
住んでいる場所が変わると、最寄り駅や会社までの距離も変わることが一般的です。もちろん、通勤手当の支給額も増減するため、転居の際はすぐに会社へ報告し、正確な金額で申請しましょう。
 
2.交通手段・経路は事前の申告通りに
申請した交通手段・経路を利用しないで通勤すると、不正受給を疑われるかもしれません。実際、公共交通機関の利用を申告したにもかかわらず、バイク通勤をして通勤手当を不正受給していたため、懲戒解雇になったという事案もありました。通勤手当をもらっている場合、申請した通りの交通手段・経路を利用しましょう。
 
3.水増し行為は厳禁
通勤手当を申請する際、受給者側で申請額を水増しするのは厳禁です。水増し行為は故意に会社をだましたと捉えられ、重い処分が下されるかもしれません。
 

まとめ

通勤手当は労働基準法上の賃金の一部と整理されており、適正な通勤手当として支給された後のお金自体の使い道は、基本的に労働者の自由と考えられます。
 
ただし、通勤手当を受給するためには、一般的に交通経路や交通手段を事前に申請する必要があります。申請したルートや交通手段を使わず、より安い経路や別の手段で通勤しているにもかかわらず、会社に届け出ずに申請どおりの通勤手当を受け取り続けると、通勤手当の不正受給と判断される恐れがあります。
 
通勤手当を受給されている方は、正確な経路・手段を申請し、変更があった際は、就業規則などの定めに従って速やかに届け出ることが重要です。
 

出典

厚生労働省 第2回社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会資料 資料1 通勤手当について 1.通勤手当の性格について(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問