娘から「月10万円の仕送り」を求められましたが、わが家では“6万円が限界”です。大学生の一人暮らしには足りませんか? 平均の「生活費・仕送り額」を確認

配信日: 2026.01.07
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娘から「月10万円の仕送り」を求められましたが、わが家では“6万円が限界”です。大学生の一人暮らしには足りませんか? 平均の「生活費・仕送り額」を確認
大学生の子どもから月10万円の仕送りを求められたとき、多くの親は躊躇(ちゅうちょ)するのではないでしょうか。
 
出してあげたい気持ちはある一方で、住宅ローンや老後資金とのバランスを考える必要もあります。その結果、仕送りは6万円前後が限界と感じる家庭も少なくないかもしれませんません。
 
では、6万円で大学生の一人暮らしは本当に可能なのでしょうか。本記事では、家賃や生活費、アルバイト収入などを具体的な数字で整理し、仕送り10万円と6万円の違いを比較します。
諸岡拓也

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

仕送りを考える前に親子間で共有しておきたい前提

仕送り額を考える際は、まず仕送りの役割を整理しておくことが大切です。家庭ごとに、仕送りの位置づけは少しずつ異なります。例えば、次のような考え方があります。


・仕送りで生活費の「大半」を支えるのか
・最低限の土台として「一部」を支えるのか
・不足分は本人の収入や工夫で補う想定なのか

この前提を先に言葉にしておくと、金額の話がとてもスムーズになるでしょう。
 

仕送りの平均は月7万9000円

仕送り額を考えるうえで参考になるのが、全国平均です。自宅外通学者がいる世帯の仕送り額は、月額にすると約7万9000円、年間では、図表1のとおり、95万8000円です。
 
図表1

図表1

日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
 
この数字と比べると、仕送り6万円は平均よりやや低い水準に位置します。ただし、平均はあくまで平均です。都市部の高い家賃も含まれていますし、家賃が安い地域では平均以下でも生活が成り立つケースがあります。
 

仕送り6万円で生活が成り立つケースと成り立たないケース

仕送り6万円で一人暮らしが成り立つかどうかは、いくつかの条件に左右されます。
 
最も大きいのは家賃です。家賃が4万円以下に収まる場合、生活費全体のバランスが取りやすくなります。反対に、家賃が5万円を超えると、6万円だけでの生活は難しくなります。
 
次に食費です。自炊を前提にできるかどうかが分かれ目になります。外食中心の生活では、6万円では不足が生じやすくなります。
 
そして、現実的なのがアルバイト収入です。月2万円から4万円程度の収入があれば、生活は安定しやすくなります。学業に支障が出ない範囲で働くことが前提ですが、仕送り6万円と組み合わせることで現実味が増します。
 
つまり、仕送り6万円は単独で完結する金額ではありません。親が生活の土台を支え、不足分を本人が補う形であれば、成立する可能性は十分にあります。
 

大学生の一人暮らしにかかる生活費の全体像

大学生の一人暮らしに必要な生活費は、住居費を中心とした固定費と、食費や日常費などの変動費で構成されます。この支出構造は、多くの下宿生に共通しています。
 
日本学生支援機構が実施した令和4年度学生生活調査によると、大学学部(昼間部)の下宿・アパート等で一人暮らしの学生の年間支出額は平均212万4000円、月額で17万7000円。
 
このうち学費を除いた生活費年額は平均107万1800円、月額約8万9300円となっています。同調査の居住形態別の学生生活費の月額支出状況を示したものが図表2です。
 
図表2

図表2

独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査報告
 
内訳を見ると、アパート等の学生の授業料等を除いた生活費のうち、住居・光熱費は3万7950円と最も大きく、食費が2万1867円を占めています。
 
ただし、これは全国平均である点に注意が必要です。実際、前記の下宿・アパート等で一人暮らしの学生の年間支出額全国平均212万4000円に対し、東京圏は260万100円と20%以上も高くなっています。住居費や食費などの地域別の数値は発表されていませんが、同様に全国平均より高くなると推測されます。
 

仕送りだけで生活を成り立たせるのは現実的ではない

住居費は契約で決まる固定費のため、途中で下げにくい支出です。一方、食費や日常費は本人の工夫が反映されやすく、光熱費や通信費はその中間に位置します。
 
この支出構造を踏まえると、アパート等での一人暮らしの学生の大半は、仕送りだけで全額を賄う前提では成り立っていないことが分かります。実際、多くの学生は、仕送りに加えてアルバイト収入や奨学金を組み合わせながら、生活費をやりくりしています。
 

金額よりも大切な仕送りの決め方と考え方

仕送りに正解の金額はありません。大切なのは、親子で基準を共有できているかどうかです。生活費の内訳を一緒に確認し、何にいくら必要なのかを数字で示し、そのうえで、家庭として出せる上限を伝えることが重要です。
 
こうしたルールを明確に決めておくことで、金額以上の安心感が生まれます。つまり、仕送りは単なるお金の支援ではなく、親子で生活設計を学ぶ機会でもあります。
 

出典

株式会社日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査報告
 
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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