大学生の娘は「通学定期券」でアルバイトに行っています。バイト先で「通勤手当」も受け取っているようですが、これって“不正受給・不正利用”になりませんか? 利用ルールを確認
「定期券があって交通費はかかっていないのに、会社からお金をもらっていいの?」「そもそも通学のための定期券をアルバイトに使っていいの?」と、不正受給や不正乗車にならないか心配になるからです。
本記事では、会社との関係(通勤手当)と、鉄道会社との関係(通学定期の利用ルール)の2つの視点から、親が確認すべきポイントを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
交通費の考え方は会社によって違う
そもそも通勤手当に関しては、法律的な支払い義務やルールは存在しません。通勤手当を支払うか支払わないか、どのような基準で支払うかは、会社ごとに決められています。
そのため、定期券を持っている場合の通勤手当の扱いは、そのバイト先のルール次第なのです。例えば、「自宅から勤務地までにかかる実費を支給するケース」や、「自宅から勤務地までの距離にかかわらず一定の金額を支給するケース」などがあります。
後者の場合は、仮に定期券を使って交通費の負担なくバイト先に通った場合でも、通勤手当を問題なく受け取れるでしょう。一方、前者のケースでも、定期券範囲内の交通費を支給するかどうかは会社次第です。定期券があっても自宅から勤務地までの交通費全額を支給する場合もあれば、定期券範囲内の交通費を支給しないというルールを定めている場合もあるでしょう。
定期券を持っている場合は、こういったルールを事前に確認し、ルールに沿った通勤手当申請が何よりも重要です。「定期券範囲内の交通費が対象外」となっているのに交通費をもらってしまうと、不正受給となってしまいます。
過去にさかのぼって返金を求められることに加えて、なんらかの処分が下される可能性もあります。
通学定期券でのバイト通勤は「不正乗車」ではないが注意は必要
通学定期券を使ってアルバイトに行くことについても、鉄道会社のルール上問題にはならない可能性が高いでしょう。
確かに、通学定期券は購入できる区間が自宅と学校の間に限定されており、通学証明書などを用いることで購入できるものです。しかし、一度購入した定期券の利用目的が、通学に限定されているわけではありません。
例えば、JR東日本の旅客営業規則の第168条(定期乗車券が無効となる場合)に「通学以外で使った場合」などの記載はないですし、第170条(通学定期乗車券等の効力)にも「通学に限り有効」といった定めもないのです。
有効期間内かつ有効区間内であれば、学校の授業だけでなく、アルバイトやサークル活動、あるいはプライベートな遊びのために途中下車して利用しても問題ないと考えられます。
ただし、通学定期券を使う場合は、学校が休みであっても通学証明書(一般的には学生証に付帯している)が必要なことに注意しなければなりません。
例えば、JR東日本旅客営業規則には「通学定期乗車券を使用する旅客が、証明書を携帯していないとき、定期乗車券は、無効として回収する」とされています。最悪の場合、その定期券を回収されたり、所定の運賃に加えて増運賃(罰金)を請求されたりする恐れがあることは知っておくべきでしょう。
まとめ
通学定期をアルバイトの通勤に使う場合、アルバイト先の就業規則を確認することが先決です。「定期券を持っていること」を隠さず伝え、会社の規定上、交通費の支給対象になるかを確認させましょう。
もし対象外であるにもかかわらず受給していれば、速やかに申告して修正しなければなりません。
それに加えて、アルバイトに行くだけの日であっても、通学定期を使うなら必ず学生証などに付帯している通学証明書を携帯することが重要です。のちのち大きな問題とならないように、定期券や通勤手当に関するルールをしっかり理解させるようにしましょう。
出典
厚生労働省 通勤手当について
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
