法人の「繰り越し通帳」はいつまで保管すべきなのでしょうか? 税務調査のときに必要になるのでは、と不安です。うちは入出金が多く毎年3~4冊通帳が増えていきます……。

配信日: 2026.01.13
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法人の「繰り越し通帳」はいつまで保管すべきなのでしょうか? 税務調査のときに必要になるのでは、と不安です。うちは入出金が多く毎年3~4冊通帳が増えていきます……。
法人は、帳簿書類を作成し、保存しておかなければなりません。これについて、「いつまで保存しておかなければいけないのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、「帳簿書類はいつまで保存すべきなのか?」「保存すべき帳簿書類にはどのようなものがあるのか?」について解説します。通帳の取り扱いについても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

帳簿書類はいつまで保存すべきなのか?

帳簿書類の保存期間については、法人税法施行規則において、以下のように規定しています。
 

第59条(帳簿書類の整理保存)
第1項 青色申告法人は、次に掲げる帳簿書類を整理し、起算日から7年間、これを納税地に保存しなければならない。
 
第67条(帳簿書類の整理保存等)
第2項 普通法人等は、前条第1項に規定する帳簿及び前項各号に掲げる書類を整理し、第59条第2項(帳簿書類の整理保存)に規定する起算日から7年間、これを納税地に保存しなければならない。

 
ここから、「青色申告法人」「普通法人等」は、帳簿書類を7年間保存しなければならないことが分かります。
 
また、同規定には、以下の条文もあります。
 

第26条の3(欠損金に係る帳簿書類の保存)
第1項 内国法人が法第57条第1項(欠損金の繰越し)の規定の適用を受けようとする場合には、当該内国法人は、同項の欠損金額が生じた事業年度の第59条第1項各号(帳簿書類の整理保存)に掲げる帳簿書類を整理し、第59条第2項に規定する起算日から10年間、これを納税地に保存しなければならない。

 
つまり、原則としては帳簿書類の保存期間は7年間ですが、欠損金の繰越しの適用を受けようとする場合には、10年間保存しておかなければならないということになります。
 
また、会社法第432条第2項には「株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から10年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない」という規定もあるため、実務上はこれらを分けて捉えるのではなく、「帳簿書類は10年間保存しておく」とまとめて捉えるのが一般的です。
 
なお、法人税法施行規則と会社法では帳簿の保存期間の起算日が異なりますが、法人税法施行規則第59条第2項の規定のほうが遅いため、同規定の「その閉鎖の日の属する事業年度終了の日の翌日から2ヶ月を経過した日(法人税法施行規則第59条第2項)」を起算日とするのがよいでしょう。
 

保存すべき帳簿書類にはどのようなものがあるのか?

法人税法施行規則第59条第1項には「次に掲げる帳簿書類」を、同規則第67条第2項には「前条第1項に規定する帳簿及び前項各号に掲げる書類」を、同規則第26条の3第1項には「第59条第1項各号(帳簿書類の整理保存)に掲げる帳簿書類」を保存しなければならないとしています。
 
また、会社法第432条第2項には「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」を保存しなければならないとしています。
 
法人税法施行規則では、「帳簿書類」を「帳簿」と「書類」に分けて規定しており、「帳簿」とは総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など、「書類」とは、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などを指します。
 
一方、会社法には「会計帳簿」について具体的な規定がありませんが、法人税法施行規則の「帳簿書類」がこれに該当すると考えても差し支えないでしょう。
 
ところで、この「帳簿書類」に通帳は含まれていません。「それならすぐに破棄しても構わないのか?」と思われるかもしれませんが、破棄しないほうがよいでしょう。税務調査があった場合、通帳は帳簿作成に使用した根拠・証拠になります。したがって、通帳も帳簿書類と同様に、10年間は保存しておいたほうがよいといえます。
 

まとめ

本記事では、「帳簿書類はいつまで保存すべきなのか?」「保存すべき帳簿書類にはどのようなものがあるのか?」について解説しました。まとめると、以下のとおりです。
 

・帳簿書類は法人税法施行規則上、7年間(場合によっては10年間)保存すべきとされているが、会社法上は10年間保存すべきとされているため、10年間は保存するべき
 
・保存すべき帳簿書類には、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがある

 
帳簿書類の保存期間は法律により異なります。しかし、実務上はこれらを分けて捉えるのではなく、「帳簿書類は10年間保存しておく」とするのが一般的です。通帳は法令上の保存すべき帳簿書類には含まれていませんが、帳簿書類作成の根拠として、同様に10年間保存しておくとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間
デジタル庁 e-Gov法令検索 法人税法施行規則
デジタル庁 e-Gov法令検索 会社法
 
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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