息子が「第一志望は私立だけど、無償化でどうにかなるでしょ」と楽観的です。学校からも「授業料が無償」と説明があったのですが、本当に0円で通えるのでしょうか?

配信日: 2026.01.14
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息子が「第一志望は私立だけど、無償化でどうにかなるでしょ」と楽観的です。学校からも「授業料が無償」と説明があったのですが、本当に0円で通えるのでしょうか?
高校進学を控えると、進路だけでなく家計への影響も現実的な問題として浮かび上がります。最近は、「私立高校でも授業料は無償になる」といった説明を受ける機会が増え、学費への不安が軽くなったと感じる家庭も少なくありません。
 
一方で、無償という言葉をそのまま受け取ってしまうと、入学後に想定外の負担が生じることもあります。私立高校の授業料無償化は、本当に通学費用がかからない制度なのでしょうか。本記事で、家計の視点から整理してみます。
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私立高校の授業料無償化とは

現在、日本では私立高校に通う生徒を対象に、授業料相当額を支援する仕組みが設けられています。
 
国の就学支援制度では、2025年度から年11万8800円を上限とした支援が行われており、低所得世帯では最大で年39万6000円まで授業料負担が軽減される仕組みとなっています。それに加え、自治体が独自に支援を上乗せするケースもあり、一定の条件を満たす世帯では授業料の負担が大きく軽減されます。
 
その結果、「授業料は実質的にかからない」と説明されることもありますが、これはあくまで授業料部分に限った話です。支援には上限があり、すべての世帯・すべての費用が対象になるわけではありません。制度の仕組みを正しく理解することが、家計判断の第一歩となります。
 
なお、2026年度からは、私立高校の授業料支援について所得制限の撤廃や、支援上限額を現行の39万6000円から45万7000円への引き上げる案が示されており、制度は拡充される見通しです。ただし、具体的な内容や適用条件は年度ごとに確認する必要があります。
 

無償でも残る通学時の負担

私立高校に進学する場合、授業料以外にもさまざまな費用が発生します。代表的なものとして、入学金や施設整備費、教材費、制服代、修学旅行費などが挙げられます。これらは、授業料無償化の対象外であることが一般的です。
 
特に入学時は、一時的にまとまった支出が必要になります。学校から「授業料は無償」と説明を受けていても、初年度は数十万円単位の負担が生じるケースも珍しくありません。
 
実際、文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」では、私立高校の授業料に加え入学金等やその他の費用を合わせた初年度の平均負担額が約103万円という実態も示されています。こうした支出は授業料無償化の対象外となるため、「0円で通える」と考えてしまうと、家計の準備が不十分になる可能性があります。
 

制度を利用する際の注意点

授業料無償化は、自動的に適用されるものではなく、申請が必要です。申請の時期や方法を誤ると、支援が受けられなかったり、適用が遅れたりすることもあります。また、世帯の状況によって支援額が変わるため、同じ学校に通っていても家庭ごとに負担の大きさは異なります。
 
さらに、自治体ごとの支援内容には差があり、引っ越しや制度改正によって条件が変わる可能性もあります。したがって、学校の説明だけで判断せずに制度の全体像を確認しておくことが重要です。
 

家計全体で進学を考える視点

私立高校の授業料無償化は、家計にとって心強い支援策であることは間違いありません。ただし、それだけで進学にかかる負担がなくなるわけではありません。毎年発生する諸費用や、部活動に関わる出費なども含めて、数年間の支出を見通す必要があります。
 
進学先を選ぶ際には、「制度があるから大丈夫」と楽観的に捉えるのではなく、どの費用が軽減され、どの部分は引き続き自己負担になるのかを整理することが欠かせません。余力を残した家計設計が、安心して学校生活を送るためのベースとなります。
 

無償化の仕組みを正しく理解して進学計画を立てよう

私立高校の授業料無償化は、一定の条件を満たせば授業料の負担を大きく抑えられる制度です。
 
しかし、「無償」という言葉の印象だけで判断すると、入学金や施設整備費、教材費など、制度の対象外となる支出を見落としてしまう可能性があります。そのため、学校からの説明だけで安心するのではなく、制度の範囲や申請手続き、将来の見通しまで含めて確認しておくことが大切です。
 
進学先を選ぶ際には、授業料だけでなく、在学中に継続して発生する費用も含めて全体像を把握し、数年間を見据えた家計設計を行うことが欠かせません。無償化制度を正しく理解したうえで、余力を残した進学計画を立てることが安心して高校生活を送るための第一歩となるでしょう。
 

出典

文部科学省 高校生等への修学支援 高等学校等就学支援金制度
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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