救急車を呼んでも“軽症”なら、会計で「選定療養費7000円」を請求される!?「治療費とは別にかかる」とのことですが、救急車は“有料になった”のでしょうか? 誤解の多いポイントを確認

配信日: 2026.01.15
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救急車を呼んでも“軽症”なら、会計で「選定療養費7000円」を請求される!?「治療費とは別にかかる」とのことですが、救急車は“有料になった”のでしょうか? 誤解の多いポイントを確認
急な体調不良やけがで救急車を呼び、治療を終えて会計に向かったところ、「選定療養費7700円です」と言われて驚いた……
 
「救急車は無料のはずでは?」と戸惑う人も多いかもしれませんが、この請求は救急車代ではなく、医療機関が設定する「選定療養費」という制度によるものです。
 
しかも、この取り扱いは全国共通ではなく、特定の地域・医療機関で導入されています。本記事では、なぜ費用が発生するのか、どのような場合に支払いが必要になるのかを解説します。
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救急車は無料なのに、なぜ会計で7700円を請求される?

救急車を呼ぶこと自体は、現在も全国共通で無料です。消防機関による救急搬送に費用が請求されることはありません。それにもかかわらず会計時に請求される「7700円」は、救急搬送の対価ではなく、医療機関側が設定する選定療養費です。
 

「治療費」とは別に請求される費用がある

医療費の会計には、健康保険が適用される診療費とは別に、保険外として扱われる費用が含まれることがあります。
 
選定療養費もその1つで、患者が一定の条件下で特定の医療機関を受診した場合に、医療機関が独自に定めて徴収できる費用です。今回のようなケースでは、「救急車が有料になった」と誤解されがちですが、実際には救急搬送後の受診の仕方に対して費用が発生しています。
 

「選定療養費」の仕組みと金額の考え方

選定療養費とは、健康保険法に基づき、医療機関が患者の選択によって提供される医療に対して設定できる費用です。代表的なものに、「紹介状なしで大病院を受診した場合の初診時負担」があります。
 

なぜ7700円という金額なのか

厚生労働省は、一定規模以上の病院における選定療養費について、金額の下限を示しています。初診の場合、7000円以上が目安とされており、7700円(税込)という金額はこの基準に沿って設定されているものです。
 
この費用は健康保険が適用されないため、自己負担割合(3割など)に関係なく全額自己負担となります。ただし、医療費控除の対象に含めることが可能です。
 

救急車を呼んでも選定療養費がかからないケース

選定療養費は、「救急車で運ばれたら必ず支払うもの」ではありません。
 
重要なのは、医師の判断による緊急性や重症度です。救急搬送後に入院となった場合や、明らかに重症で緊急性が高いと判断された場合には、選定療養費は徴収されません。
 
一方、検査の結果、軽症と判断され、外来診療のみで帰宅した場合には対象となるケースがあります。
 
ここで注意したいのは、「結果的に軽症だったから罰金のように請求された」という考え方は正確ではない点です。あくまで、医療資源を適切に配分する目的の制度であり、患者個人を非難するものではないので誤解しないようにしましょう。
 

全国共通の制度ではない点に注意

この制度は、全国一律で実施されているものではありません。現時点で、救急搬送後の選定療養費を明確に導入している地域は、茨城県と三重県松阪市です。また、すべての医療機関が対象ではなく、特定の病院に限られています。
 
同じ県内であっても、病院ごとに対応が異なる場合があり、「どこに搬送されたか」によって請求の有無が変わる点には注意が必要です。
 
今後、救急医療の逼迫(ひっぱく)を受けて、同様の取り組みが他の地域に広がる可能性も指摘されています。
 

家計管理の視点で知っておきたいこと

7700円という金額は、突発的な支出としては無視できない負担額ではないでしょうか。とはいえ、「救急車を呼ぶのをためらう」という金額でもないでしょう。
 
救急車を呼ぶべきか判断できないときや、夜間・休日に受診すべきか迷ったときには、「救急相談窓口(#7119など)」に連絡すれば、結果的に不要な自己負担を避けられる可能性もあります。ぜひ活用してください。
 

制度を知っておくことで会計時の驚きを防げる

救急車を呼んだ後に請求される7700円は、救急搬送の費用ではなく、医療機関が設定する選定療養費です。軽症と判断され外来対応のみで終了した場合に、請求対象となるケースがある点は、これまであまり知られてきませんでした。
 
すべてのケースで支払う必要があるわけではなく、医師の判断による重症度や入院の有無が大きく影響します。また、この制度は特定の地域・医療機関に限られています。仕組みを正しく知っておけば、会計時に戸惑うことなく落ち着いて判断できるでしょう。
 

出典

茨城県 救急搬送における選定療養費の徴収について
厚生労働省 紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の「特別の料金」の見直しについて
松阪市 三基幹病院における選定療養費について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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