10年以上疎遠な父が「生活保護」を申請…市役所から“扶養照会の連絡”が来たのですが、「年収500万円」の私にも扶養義務はありますか? 制度内容を確認
本記事では、生活保護申請の際に実施される扶養照会の仕組みや、子どもの収入がどこまで影響するのか、実際に金銭的な扶養義務が生じるのかを解説します。
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役所から届く「扶養照会」とは?
生活保護を申請すると、市区町村は原則として扶養義務者に対し「扶養照会」を行います。扶養照会とは、親族から援助を受けられるかどうかを確認するための手続きです。
多くの人が誤解しがちですが、扶養照会は「あなたが必ずお金を出しなさい」という通知ではありません。厚生労働省も、扶養は強制されるものではなく、可能な範囲での援助を確認する趣旨であるとしています。
疎遠でも照会が届く理由
「10年以上連絡を取っていないのに、なぜ自分に通知が来るのか」と感じる人もいるでしょう。扶養照会の対象は、現在の関係性ではなく、戸籍上の親族関係を基準に決まります。
そのため、別居や疎遠の状態であっても、親子関係が確認できれば照会が行われるのが一般的です。
扶養照会で何が確認されるのか
扶養照会が届くと、「年収や資産を細かく調べられるのでは?」「会社や銀行に連絡が行くのでは?」と不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、扶養照会で確認される内容は、一般にうわさされているほど広範なものではありません。
過去の親子関係や現在の交流状況まで踏み込んで調査されることはなく、制度上は生活状況を事務的に確認する位置づけです。
確認の目的は「援助の可能性」があるかどうか
扶養照会の目的は、扶養義務者に経済的・精神的な余力があるかを把握することです。あくまで「援助できる余地があるか」を確認するものであり、「一定額の支払い能力があるか」を数値で判定する仕組みではありません。年収の多寡だけで判断されることはなく、日常生活を維持するために必要な支出も考慮されます。
市区町村が扶養照会を通じて把握できるのは、回答書に記載された内容が中心です。原則として、扶養義務者の勤務先や預貯金残高、保険契約などを自動的に調査することはないため安心してください。税務署や金融機関に照会が及ぶというイメージを持つ人もいますが、扶養照会そのものが広範な資産調査を伴うわけではないのです。
生活保護の可否は扶養照会だけで決まらない
扶養照会の結果は、生活保護の審査における一要素に過ぎません。親族からの援助が見込めない場合でも、生活保護の利用が検討されます。扶養照会にどう答えるかが、申請者本人の生活を左右する決定打になるわけではないという点は、冷静に理解しておきましょう。
扶養照会が届いたときの現実的な対応
扶養照会が届いたときは、驚きや不安からすぐに結論を出してしまいがちですが、まずは冷静に内容を確認することが大切です。扶養照会は金銭援助を強制するものではないため、慌てて支援を約束しなくても問題ありません。自身の収入や生活費、住宅ローンや教育費などを整理し、無理なく援助できる余地があるかを考えてください。
援助が難しい場合は、その理由を事実ベースで記載しましょう。制度上、自分の生活を維持できなくなるような扶養は求められていません。不安に感じる場合には、市区町村の担当窓口に相談し、制度の説明を受けることもおすすめです。
制度を正しく知れば過度に悩む必要はない
疎遠だった親の生活保護申請に伴い届く扶養照会は、多くの人にとって精神的な負担になります。しかし、扶養照会は金銭援助を強制するものではなく、年収500万円であってもなくても自分の生活が優先されるのが原則です。
自分の生活に影響するほどの扶養を求められることはないため、過度に責任を背負い込む必要はありません。不安を感じたときこそ、制度を知ることが自分と家族の生活を守るためのポイントです。
出典
厚生労働省 生活保護制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
