隣人にわが家の“空いてる駐車場”を「月5000円で貸して」と言われました。息子は「トラブルになる」とのことですが、知り合いなら大丈夫ですよね? 善意で貸す際の注意点とは

配信日: 2026.01.19
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隣人にわが家の“空いてる駐車場”を「月5000円で貸して」と言われました。息子は「トラブルになる」とのことですが、知り合いなら大丈夫ですよね? 善意で貸す際の注意点とは
隣人から「月5000円払うから、駐車場を貸してほしい」と相談されると、余ったスペースを有効活用できる魅力的な話に感じるでしょう。しかし、個人間の「口約束」だけで安易に貸し始めてしまうと、後に思わぬトラブルや税金面での負担を招くことがあります。
 
本記事では、善意で駐車場を貸し出す場合であっても、家主として守るべきルールと自分を守るための対策について、法的・税務的な視点から解説します。
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駐車場収入にかかる税金と確定申告のルール

個人が自宅の駐車場を貸して賃料を得る場合、その所得は一般的に「雑所得」または「不動産所得」に分類されます。月5000円で貸した場合、年間の総収入は「5000円×12ヶ月=6万円」です。
 

確定申告が必要になる基準

給与所得がある会社員の場合、副業(駐車場の貸し出しなど)による所得が年間「20万円以下」であれば、所得税の確定申告は原則として不要です。今回のケースでは年間6万円のため、所得税については大きな心配はありません。
 
ただし、住民税については金額にかかわらず自治体への申告が必要なので、注意してください。
 

固定資産税への影響に注意

自宅の敷地を明確に区画し、事業用(駐車場)として貸し出した場合、「住宅用地の特例(税金の軽減措置)」が外れて固定資産税が上がる可能性があります。土地全体の用途変更と判断されないよう、あくまで「自宅の一部を貸している」という実態を維持することが重要です。
 

事故や盗難など、貸主が負う「管理者責任」とは

駐車場で「駐車場内での事故については一切責任を負いません」という注意書きを見かけることがあります。
 
しかし、貸主には「駐車場として安全に利用できる状態を維持する義務」があります。設備の不備が原因で発生したトラブルについては、責任を問われる可能性があるため注意する必要があります。
 
例えば、ブロック塀の崩壊や地面の陥没、照明不足など、設備の不備が原因で車両が損傷したり、人がけがをしたりした場合には、「工作物責任」が問われることになります。また、清掃や除雪が不十分で、安全に駐車できない環境のまま放置していた結果、損害が生じた場合も、貸主の管理責任が問題となるでしょう。
 
一方で、利用者同士の接触事故や第三者による車両盗難については、原則として貸主の責任にはなりません。ただし、鍵を預かるなど管理行為を伴う「寄託契約」になると、責任の範囲が広がる点には気を付ける必要があります。
 
万が一トラブルが発生した際に後悔しないためにも、事前に責任の所在を明確にしておくのが大切です。
 

トラブルを未然に防ぐ「簡易契約書」の必要事項

隣人同士など身近な相手であっても、良好な関係を維持するためには書面による契約が推奨されます。口約束のままでは、時間が経過した後に「そんな話は聞いていない」といった水掛け論になりかねません。
 
契約書には、使用目的と貸し出す区画、駐車する車両の特定(ナンバープレートの記載)、賃料と支払方法、契約期間および解約時の予告期間、禁止事項、免責事項といった最低限の内容を盛り込む必要があります。
 
具体的には、どの区画を使用するのかを明確にし、賃料としての月5000円の支払日や支払方法を定めます。また、1ヶ月前の通知で解約できるなど、契約を終了する際のルールも決めておくと安心です。
 
さらに、転貸の禁止、アイドリングの禁止、荷物置き場としての利用禁止などの禁止事項を明記し、天災や利用者同士の事故、盗難については貸主が責任を負わない旨を記載しておくと良いでしょう。これらの内容を一枚の書面にまとめ、双方が署名・押印するだけでも、法的な抑止力が生まれ、安心して貸し借りができます。
 

火災保険や賠償責任保険のチェックポイント

万が一、駐車場内で第三者にけがをさせてしまった場合、一般的な個人賠償責任保険は「私生活上の事故」を対象としているため、「業務」とみなされる駐車場賃貸に関する事故は補償対象外となる可能性があります。
 
月5000円という少額であっても、継続的な賃貸は事業と判断される可能性があるため、加入している保険会社に対し、「自宅の一部を駐車場として貸し出す場合に補償対象となるか」を事前に確認しておくことが重要です。
 
また、駐車場を貸し出す前に駐車スペースの安全点検を行い、段差やひび割れがあれば修繕しておくことも、物理的なリスクを減らす有効な対策です。「貸してあげる側」が損をしないための準備こそが、円満な近所付き合いにつながります。
 

善意をトラブルにしないための「3つの備え」

隣人への駐車場貸し出しは、税務、法的責任、書面による取り決めの3点を押さえておけば、安心して行える副収入になります。年間20万円以下であれば所得税の心配はありませんが、住民税の申告や保険の補償範囲については必ず確認しておいてください。
 
そして、相手が長年付き合いのある隣人でも、簡易的な契約書を作成することは、将来のトラブルから自分自身を守るために重要です。多少の手間はかかりますが、必ず書面を残すようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.1500 雑所得
国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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