テレビがないのに「NHK受信料」を“1万2000円”請求された!? スマホ・カーナビがあるだけで「支払い義務がある」と言われますが、本当に必要でしょうか? 基準を確認
NHK受信料は「義務」というイメージが強い一方で、実際にどこまでが契約対象なのかは意外と知られていません。
本記事では、NHK受信料の契約義務が発生する法的な基準を整理し、スマートフォンやカーナビがどのように扱われるのかを、誤解されやすいポイントを中心に解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
NHK受信料の契約義務は何を基準に決まる?
NHK受信料の契約義務は、放送法第64条に基づいています。重要なのは、「NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者は、受信契約を結ばなければならない」と定められている点です。
多くの人が誤解しがちですが、「NHKを見ているかどうか」「視聴頻度が高いかどうか」は、契約義務の判断基準ではありません。あくまで焦点となるのは、受信できる設備を設置しているかどうかです。
テレビを持っていない場合はどうなる?
地上波やBS放送を受信できるテレビを一切設置していない場合、原則としてNHKとの受信契約義務は発生しません。そのため、「テレビがないのに受信料を払わなければならない」というケースは、制度上は想定されていないのが実情です。
スマートフォンがあればNHK受信料は必要?
結論から言うと、スマートフォンを持っているだけではNHK受信料の契約義務は発生しません。
しかし、放送法改正によりインターネットサービスがNHKの必須業務となり、2025年10月から新しいインターネットサービス「NHK ONE」が開始されました。
このサービスをスマートフォンで利用する際には、NHK受信料の支払いが必要になります。ただし、すでに受信契約をしている家庭では、追加支払いの必要はありません。
カーナビやワンセグ機器は契約対象になる?
注意が必要なのは、テレビ放送を直接受信できる機器を設置している場合です。
ワンセグ・フルセグ対応カーナビの場合
車に設置されたカーナビがワンセグやフルセグに対応している際には、そのカーナビは「受信設備」とみなされます。この場合は自宅にテレビがなくても、NHKとの受信契約義務が発生する可能性があります。
ただし、一般家庭ですでに世帯としてNHKと契約している場合は、車ごとに追加契約が必要になるケースは基本的にありません。
ワンセグ付き携帯電話の扱い
過去の裁判では、ワンセグ機能付き携帯電話も受信設備に該当すると判断された例があります。ただし、現在はワンセグ機能付き携帯電話自体が少なくなっており、設置状況や実際の使用実態を踏まえた個別判断が基本です。
テレビがないのに請求されるのはなぜ?
テレビがないにもかかわらずNHK受信料を請求される背景には、次のような理由が考えられます。
・以前テレビを設置しており、解約手続きが完了していない
・引っ越し後も旧住所の契約情報が残っている
・カーナビやワンセグ機器の存在を前提に案内された
また、NHKでは、受信契約の手続きが確認できていない住所に対して、宛名のない郵便物である「特別あて所配達郵便」で受信料の案内をしています。そのため、実際にその住所で受信設備を設置していない場合でも、「放送受信契約のご案内」が届くことがあります。
重要なのは、「請求が届いた=必ず支払義務がある」ではないという点です。実際の設置状況を整理し、事実と異なる場合は冷静に確認しましょう。
まとめ
NHK受信料の契約義務は、「テレビを見ているか」ではなく、「NHKの放送を受信できる設備を設置しているか」で判断されます。
スマートフォンの利用だけでは契約義務は発生せず、重要なのは「NHK ONE」を利用しているかどうかです。カーナビやワンセグ機器の場合も、注意すべきは実際に受信できる状態かの判断になります。
SNSの情報だけで判断せずに、自分の生活環境を整理し、制度の基準に照らし合わせて対応することが、無用な不安やトラブルを防ぐ近道といえるでしょう。
出典
日本放送協会 NHK受信料の窓口
執筆者 : 仲千佳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
