「どうせ売るから、高い車のほうが家計に優しい」という夫。実際「700万円のランドクルーザー」は、300万円の車より“実質負担”が少ないですか? 金額・維持費を比較
本記事では、約700万円のトヨタ ランドクルーザーと、約300万円の一般的な乗用車を例に、売却前提での実質負担額を比較します。
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目次
「高い車のほうが得」という考え方はどこから来るのか
「高い車は損をしにくい」と言われる背景には、リセールバリューという考え方があります。リセールバリューとは、車を手放す際にどれくらいの価格で売却できるかという再販価値のことです。
リセールバリューが高い車の特徴
リセールバリューが高い車は、中古市場での需要が安定しています。トヨタのランドクルーザーは国内外で人気が高く、供給が限られているため、中古でも高値がつきやすい傾向があります。数年乗っても高く売れるケースも多く、「高い車のほうが結果的に安い」というイメージが広がりやすいのです。
ただし、ここで注意したいのは、「値落ちしにくい=負担が小さい」わけではないという点です。購入価格そのものが高額である以上、売却までの間に家計が負担する金額は決して小さくありません。
700万円と300万円、売却前提で実質負担を比べる
ここでは、単純化したモデルで考えてみます。5年後に売却すると仮定し、実質的な「購入価格-売却価格」を比較していきましょう。
金額差で見るとどうなるか
仮に、700万円のランドクルーザーが5年後に500万円で売れた場合、差額は200万円です。一方、300万円の一般的な車が5年後に100万円で売れた場合、差額は同じく200万円になります。この数字だけを見ると、「だったら高い車でも同じじゃないか」と感じるかもしれません。
問題は、売却価格が必ず想定通りになるとは限らない点です。中古車相場は景気や輸出状況、モデルチェンジの有無などで変動します。高額車ほど市場変動の影響を金額ベースで大きく受けやすく、思っていたより売却価格が下がったときのダメージが大きくなります。
見落としがちな維持費が家計に与える影響
実質負担を考える際、購入差額だけで判断するのは危険です。車は保有している間にも継続的な支出(図表1)が発生します。
図表1
東京都主税局 自動車税種別割、国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方より筆者作成
ランドクルーザーのような大型・高額車は、自動車税や重量税が高くなる傾向があります。また、任意保険は車両保険を付けると、車両価格が高いほど保険料水準も高くなる点に注意が必要です。
加えて、燃費性能は一般的な乗用車と比べると劣るケースが多く、ガソリン代がかさみやすくなります。これらの維持費は、車を売却しても戻ってきません。売れば回収できるのはあくまで車両価格の一部であり、維持費は純粋な家計支出です。
「高い車=家計に優しい」とは限らない
高額な車が選択肢として検討される家庭はあります。具体的には、貯蓄状況や将来の教育費・住宅費を見据えたうえで、日々の家計やキャッシュフローに大きな負担が生じにくい場合です。ただし、こうした条件は家庭ごとに異なり、一概に当てはまるものではありません。
「売れば購入代金の一部が戻るから大丈夫」という理由だけで高い車を選ぶと、毎月の家計を圧迫しやすくなります。車は投資ではなく消費です。リセールを前提にしても、支出のタイミングは今であり、家計の余力が問われます。大切なのは、購入価格の大小ではなく、「その支出が今後の生活に無理を生まないか」という視点です。
「得か損か」よりも「無理がないか」が家計目線でのポイント
「どうせ売るなら高い車のほうが家計に優しい」という考え方は、一部の条件下では成り立ちますが、すべての家庭に当てはまるわけではありません。リセールバリューだけでなく、税金や保険、燃費といった維持費、そして購入時点での家計への負担を含めて考える必要があります。
車選びで大切なのは、“得か損か”よりも、“無理がないか”を見極め、家計全体のバランスから判断することが大切です。
出典
東京都主税局 自動車税種別割
国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

