新幹線のデッキで通路にスーツケースを置いて立っていたら「安全のために移動してください」と言われました。足元しかスペースがないのですが、このような荷物の置き方はどこまで許されるのでしょうか?

配信日: 2026.01.24
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新幹線のデッキで通路にスーツケースを置いて立っていたら「安全のために移動してください」と言われました。足元しかスペースがないのですが、このような荷物の置き方はどこまで許されるのでしょうか?
この記事では、通路やデッキでの荷物の置き方の許容ラインを、JR各社の案内や特大荷物ルールも踏まえてわかりやすく整理します。
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通路・デッキ・乗降ドア前に“置きっぱなし”はNG。許されるのは「通行を妨げない範囲」

新幹線の車内は、通路がそのまま「移動ルート」であり、非常時には「避難ルート」にもなります。そのため、スーツケースを通路に出してしまう置き方は、基本的に注意されやすいです。JR東日本もマナーとして、通行や乗り降りの妨げになる通路・デッキ・乗降ドア前などに荷物を置かないよう呼びかけています。
 
デッキは車両間の連結部で、人の行き来が集中しやすい場所です。車掌さんが移動をお願いするのは、誰かが通れない、ドア周りが狭い、揺れで荷物が転がる、といった危険が見えたからと考えると理解しやすいでしょう。
 
一方で「いまこの場で、どうしても荷物を離せない」状況もあります。その場合に許されるラインは、「あなたの足元の範囲に収め、通行の妨げにならないこと」「転がらないように固定すること」です。JR東日本の案内でも、足元に置くなら列車の揺れや急停止に備えてストッパーをかけることが示されています。
 
つまり、通路に“はみ出す置き方”がアウトで、足元に“収める工夫”が求められます。
 

置き方のコツと、移動先の優先順位

足元しかスペースがないときは、「置く」より「収める」発想に切り替えるとトラブルが減ります。たとえばデッキで立つなら、スーツケースを体の真正面ではなく、壁側に寄せて縦にし、持ち手を握ったまま自分の足の内側に収めます。
 
キャスターがあるタイプは、ストッパーがあれば必ず固定し、なければキャスターを壁側に向けて転がりにくくします。通路側に角が出る置き方が一番注意されやすいので、体と荷物で“通路の幅”を削らないのがポイントです。
 
ただ、デッキはそもそも荷物の仮置きに向かない場所です。車掌さんに声をかけられたら、「どこに移動すればいいですか?」と聞くのが賢明です。
 
座席の場合は、上の荷物棚(網棚)に上げられるサイズなら、最優先でそこへ入れるのがスムーズです。次に、車両最後部の座席後ろのスペースや、車内の荷物置場が使える場合はそこに置きます。
 
東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、荷物ルールがより明確で、3辺合計160cm超の「特大荷物」は原則として専用の座席(特大荷物スペースつき座席等)を予約する仕組みがあります。予約なしで持ち込むと手数料(1000円)や収納場所の指定が発生し得るため、「大きい荷物ほど、通路に置かずに“所定の置場へ」が前提になっています。
 
また2025年7月1日以降、東海道・山陽新幹線(16両編成)では、一部デッキ部にある「特大荷物コーナー」を試行的に“予約不要の荷物置場”として使える運用も始まっています。つまり「足元しかない」状況でも、車両によっては“置ける場所”が用意されていることがあります。
 
ちなみに、そもそも車内に持ち込める荷物の上限は「3辺合計250cm以内・重さ30kg以内を2個まで」など、旅客営業規則で枠が示されています。持ち込み自体がOKでも、「どこにどう置くか」は別問題で、通路をふさぐ置き方は運行上の支障になり得る、という整理です。
 

事前予約なしで特大荷物を持ち込むと1000円かかる?

注意したいのが、「特大荷物」に当たるスーツケースです。東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、特大荷物は原則として所定の置き場を使う前提になっており、事前予約が必要です。もし事前予約せず車内に持ち込むと手数料(1,000円・税込)がかかります。
 

「つまずき」だけじゃない。通路の荷物が危ない理由

「ちょっと通路にはみ出したくらいで……」と思いがちですが、鉄道会社が通路の荷物に敏感なのは、転倒リスクだけが理由ではありません。
 
ひとつは、非常時の導線です。列車が急停止したり、体調不良の人が出たりしたとき、車掌さんや救護に向かう人が素早く通れる必要があります。通路にスーツケースがあると、担架や車いすどころか、すれ違いすら難しくなることがあります。
 
もうひとつは、荷物の“暴れ”です。新幹線は比較的揺れが小さいとはいえ、分岐器通過やブレーキで荷物が動く瞬間があります。
 
キャスター付きのスーツケースは、床がわずかに傾いただけでも転がりやすく、足元に当たればけがにつながります。だからこそ、足元に置くならストッパー、そして通路に出さない、ということが大切です
 
この視点で見ると、車掌さんの「安全のために移動してください」は、「列車全体の安全基準に合わせたい」という案内だと分かります。
 

まとめ

新幹線でスーツケースをデッキや通路に置くと注意されるのは、通行・乗降の妨げになったり、非常時の避難や救護の動線をふさいだりするおそれがあるからです。
 
とくにキャスター付きの荷物は、揺れやブレーキで思った以上に動きやすく、誰かの足元に当たるとけがにつながります。だからこそ「通路に置きっぱなし」は避け、どうしてもデッキで立つなら、荷物は自分の足の内側に収めて持ち手を握り、転がらない向きに置くのが基本になります。
 
とはいえ、混雑していて「足元しかない」状況は現実に起きます。そのときは無理に我慢せず、車掌さんに「どこに移動すれば安全ですか?」と聞くのが早いです。網棚に上げられるなら上げる、荷物置場や最後部スペースが使えるならそこへ移す、そして大きめの荷物なら特大荷物のルールに沿って所定の置き場を確保する、という順番で考えると迷いにくくなります。
 
持ち込み自体の上限も押さえておきましょう。一般的に、携帯できる荷物で3辺合計250cm以内・重さ30kg以内のものを2個まで持ち込める、といった基準があります。持ち込みOKでも、車内の安全を優先して置き方を調整する必要がある点は変わりません。
 
新幹線へ乗るときは、荷物の大きさと置き場を先にイメージしておくと、車内で焦らずに済みます。
 

出典

JR東日本 マナーの取組み(大型の荷物に関するマナーのお願い)
JR東海 手回り品
JR東海 東海道・山陽・九州・西九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて
JR西日本 新幹線への「特大荷物」の持ち込みについて
東海旅客鉄道株式会社/西日本旅客鉄道株式会社 東海道・山陽新幹線 予約不要の車内荷物置場の試行について(ニュースリリースPDF)
西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(第2編 旅客営業 第10章 手回り品)PDF
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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