奨学金を借りて大学に行くべき? 就職と将来を見据えて親子で考えたい進学の選択

配信日: 2026.01.28
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奨学金を借りて大学に行くべき? 就職と将来を見据えて親子で考えたい進学の選択
「奨学金を借りて大学に行ったほうがいいのかな?」「卒業後に返済が大変になるのでは?」といった悩みは、高校生本人はもちろん、保護者にとっても進学とお金を考えるうえで悩ましい問題でしょう。大卒のほうが就職に有利といわれる一方で、奨学金という将来の負担があるのも事実です。
 
本記事では、高卒と大卒の就職の違いや、奨学金を借りることのメリットや注意点を、親子で話し合うための材料として分かりやすく解説します。
小山英斗

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
https://miraiken.amebaownd.com/

高卒と大卒、就職の違いを知っておこう

就職活動において、大卒か高卒かは依然として大きな分かれ目になります。多くの企業では「総合職=大卒」「現業・技能職=高卒」と区分されており、大卒でなければ応募できない求人が存在します。
 
例えば、以下のような職種では、大卒が前提になっていることが少なくありません。この点から、大学に進学すると就職の選択肢が広がるというメリットがあります。
 

・将来の管理職候補
・人事職
・企画職
・研究職
・コンサルタント
・金融機関の本部職・専門職
・国家公務員総合職
・中学・高校の教師

 
一方、高卒での就職には以下のようなメリットが考えられます。特に、製造業やサービス業などでは、若いうちから働くことが評価される職場も多く、高卒だから不利とは一概にはいえません。
 

・早く社会に出られる
・収入を得ながら経験を積める
・学費や奨学金の負担がない

 

将来の収入にどれくらいの差が出る?

長期的に見ると、昇格・管理職登用の機会は大卒のほうが多い傾向があります。企業によっては、課長以上の役職に「大卒以上」という要件が暗黙に設けられていることもあります。
 
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024」の報告では、大卒の生涯賃金は高卒より4000万円以上多いとされています。これは、最初の給料の差というよりも、昇給のペース、ボーナス水準、管理職になれるかどうかなどの要因の積み重ねによるものです。
 
ただし、すべての人がこの通りになるわけではなく、働く業界や本人の努力によって差は変わる可能性もあります。
 

奨学金を借りることの注意点

奨学金には、「給付型」と「貸与型」があります。給付型は返済不要で「もらえるお金」ですが、貸与型は卒業後に返済義務がある「借りるお金」という点に注意が必要です。なお、貸与型奨学金には利子がつくものと、つかないものの2種類があります。
 

貸与型奨学金は「借金」であるという現実

日本学生支援機構の奨学金の約7割を占める貸与型奨学金は、社会人になってから返済する借金です。日本学生支援機構の「奨学金事業に関するデータ集 令和8年1月」によると、平均的には約323万円を借り、毎月1~2万円を15年程度かけて返すケースが一般的です。
 
社会人になったばかりの時期は、給料がまだ少なく一人暮らしや生活費がかかることも多いため、返済が負担に感じることもあります。
 

就職がうまくいかない場合も考えておく

万が一、就職が遅れたり、非正規雇用が続いたりといった場合でも、奨学金の返済は続きます。「大学に行けば安心」と考えるのではなく、卒業後の働き方まで考えることが大切です。
 

奨学金を借りてでも進学したほうがよい?

奨学金を借りてでも進学したほうがよいかどうかは、将来の仕事につながる進学かどうかが、一つの判断材料となるでしょう。
 
奨学金を借りる価値が高いのは、将来なりたい仕事がはっきりしている場合や、専門知識や資格が必要な分野に進む場合、就職実績がしっかりしている大学に進学する場合などが考えられます。このような進学は、将来の収入で奨学金を返していける可能性が高くなります。
 
一方で、高卒で就職を選ぶのも立派な選択です。早く働きたい場合や、学校より実務経験を積みたい場合、家計への負担を抑えたいという場合などは、高卒での就職は現実的で堅実な選択です。
 
「みんなが大学に行くから」ではなく、本人に合っているかどうかが一番大切です。
 

親子で話し合っておきたいポイント

進学に関しては、親子でお金の話を避けずに共有することが大事です。奨学金はいくら借りるのか、毎月いくら返すのか、卒業後の収入イメージなどを親子で一緒に確認することで、進学後のギャップを防ぐことができます。
 
また、進学とお金の判断は、家族だけで悩む必要はありません。ファイナンシャルプランナーのような専門家などに相談することも、奨学金と将来の生活を数字で整理することができる有効な方法です。
 

まとめ

進学も就職も、「納得して選ぶ」ことが大切です。大卒は就職や収入面で有利になりやすい一方で、奨学金は将来返す必要のある大きな負担となります。正解は一つではなく、奨学金を借りて大学に行くか、高卒で働くか、どちらを選んでも、しっかり考えて選んだ道であれば後悔は少なくなります。ぜひ、親子でじっくり話し合ってみてください。
 

出典

独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2024
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金事業に関するデータ集 令和8年1月
 
執筆者 : 小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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