母子家庭です。高校2年の子どもが大学進学を目指していますが、奨学金を使っても大学の初期費用が払えなそうです。何か方法はありませんか?
特に大学は合格後〜入学までの短期間に、入学金・前期授業料・教材費などが重なり、家計への負担が一気に大きくなります。ですが、制度や支払い方法を組み合わせれば、初期費用の壁を越えられる可能性があります。ここでは今から間に合う現実的な選択肢を整理して解説します。
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目次
初期費用が払えない理由は「入学前後に支払いが集中する」から
大学進学の費用で特に厳しいのが、入学時にまとまって必要になるお金です。入学金、前期授業料、施設費などが短期間で請求されるため、奨学金が決まっていても「入学手続きの期限までに払えない」という事態が起こりやすくなります。
さらに一人暮らしの場合は、敷金礼金・家具家電・引っ越し代も重なり、初期費用が想定以上になりがちです。だからこそ、必要なのは“総額の工面”ではなく「入学前後の資金繰り」を乗り切る方法を増やすことです。
まず確認したいのは「高等教育の修学支援新制度」の対象かどうか
母子家庭の場合、収入状況によっては授業料・入学金の減免と給付型奨学金をセットで受けられる可能性があります。これは「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれ、一定の要件を満たすと、大学等の授業料・入学金が免除または減額され、あわせて給付型奨学金(返済不要)が支給されます。
文部科学省もこの制度を通じて、学ぶ意欲のある学生の進学を支援すると明記しています。入学後の申し込みでも入学金の免除・減額を受けられる可能性があるため、合格後でも諦めずに学校窓口で確認することが重要です。
JASSO奨学金だけで足りないときは「入学時の資金」を別で作る
日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金は、多くが入学後に振り込まれるため、合格直後の支払いには間に合わないことがあります。そこで検討したいのが、入学時の支払いに備えるつなぎの資金です。
代表的なのは「国の教育ローン」と「学校の分納・延納」「自治体や民間の給付金」の組み合わせで、これにより入学手続きの期限を乗り切れるケースがあります。奨学金は学費全体を支えるもの、初期費用は短期の資金繰りで乗り切るもの、と役割を分けると考えやすくなります。
「国の教育ローン」は入学前の初期費用に使いやすい
初期費用対策として現実的なのが、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」です。入学金や授業料など、入学前後に必要な費用にも充てられ、申し込みは必要時期の2~3ヶ月前が目安とされています。
奨学金の振込前に必要になる費用をカバーできるため、家計が厳しい家庭ほど時間を買う手段として有効です。なお、ローンは借金なので無理のない返済計画が前提ですが、進学を諦めないための選択肢として知っておく価値は高いでしょう。
教育ローンが難しい場合は「入学時特別増額貸与奨学金」も候補
もし国の教育ローンが利用できない場合、JASSOの「入学時特別増額貸与奨学金」という制度もあります。これは第一種・第二種奨学金に上乗せして、入学した月に一時金として増額貸与を受けられる仕組みで、入学時の支払いを補う目的で設計されています。
ただし、この制度は単独利用ができず、第一種または第二種奨学金とセットで申し込む必要があります。また、基本的に有利子の貸与である点も理解しておきましょう。
学校に「分納・延納」ができないか必ず相談する
意外と見落としがちですが、大学によっては授業料の分納、納付期限の延納相談に応じてくれる場合があります。特に母子家庭で家計状況が厳しい場合、事情を伝えることで柔軟な対応が可能になるケースもあります。
これは制度として表に出にくく、学校ごとの差も大きいので、合格後すぐに入学手続き窓口へ問い合わせるのが大切です。奨学金の採用予定や申請状況を説明できるよう、書類や状況を整理してから相談するとスムーズです。
地方自治体・民間の給付金や母子家庭向け支援も探す
全国共通の奨学金以外に、自治体独自の入学準備金、給付型奨学金、ひとり親家庭向けの支援が用意されていることがあります。これらは募集時期が限られていたり、対象校や成績条件があったりするため、早めに情報収集するほど有利です。
高校の進路指導室や自治体の福祉窓口、社会福祉協議会などに相談すると、利用できる制度が見つかることがあります。「学費」だけでなく「住まい」「生活費」まで含めて支援がある場合もあるため、支出を全体で捉える視点が重要です。
初期費用は「制度+相談+つなぎ資金」で突破できる
大学の初期費用が払えないときは、奨学金だけで解決しようとせず、複数の方法を組み合わせることが現実的です。まずは高等教育の修学支援新制度の対象確認を行い、授業料・入学金の減免や給付型奨学金を狙いましょう。
次に国の教育ローンや入学時特別増額貸与奨学金などで入学前後の資金繰りを整え、大学には分納・延納の相談も行うことが大切です。準備を早めに進めれば、母子家庭でも進学の道は十分に開けます。
出典
文部科学省 大学生の皆さんへ
独立行政法人日本学生支援機構 入学時特別増額貸与奨学金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
