都営住宅の母のもとに同居予定の兄が「高級ミニバン」を購入。世帯収入や資産が増えた場合でも、今のまま住み続けられるのでしょうか?
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まずは同居と駐車場のルールを確認する
都営住宅は、許可を受けた世帯で住む前提です。兄が同居するなら、原則として住宅同居申請書を出して東京都の許可を受ける必要があります。介護や扶養など、やむを得ない事情が求められる場面もあるので、自己判断で住み始めるのは避けたほうが安心です。
今回のように駐車場に兄の車が置かれていると、さらに注意点が増えます。有料駐車場は、車検証の使用者が原則として住宅名義人または同居人であることが条件とされ、車のサイズ制限もあります。高級ミニバンはサイズが大きいことも多いので、登録事項の変更届が必要か、そもそも駐車可能かを早めに確認しておくとトラブルを防げます。
世帯収入が増えると、家賃が上がり明渡しの話が出ることもある
都営住宅の家賃は、入居世帯の収入に応じて決まります。そのため、兄が正式に同居して世帯収入が上がると、翌年度以降の家賃に反映される可能性があります。実務上は収入報告書を毎年提出し、その内容で使用料が決まっていきます。提出時期の目安は毎年6月中旬に送付され、7月上旬までに返送と案内されています。
さらに収入が上がると、段階的に扱いが変わります。一定水準を超えると収入超過者として割増使用料が加算され、しばらくすると近隣の民間賃貸に近い水準の使用料になることがあります。加えて、最近2年連続で認定所得月額が明渡基準を超えるなどの要件を満たすと、高額所得者として明渡しの対象になり得ます。
ここで大事なのは、いきなり即退去というより、まず家賃が上がり、状況によって明渡しの手続きに進む流れになりやすい点です。東京都の案内でも、高額の収入が続く場合は明渡しになる旨が示されています。
資産が増えた場合の考え方は、車より住まいの所有が影響しやすい
まず、高級車そのものが都営住宅の入居資格を直接左右するとは一般に言い切れません。実際に影響が出やすいのは、同居によって収入が増えるケースと、同居予定者が住宅や土地を所有していて住宅に困っている要件に当てはまりにくいケースです。都営住宅の申込みでは、申込者や同居親族が住宅や土地の所有者だと原則申込みできないとされています。
兄が同居するなら、兄の住まいの状況や収入が世帯に入ってきます。兄に持ち家がある、または十分な住まいが確保できているのに名義だけ母の世帯に入るような形は、制度の趣旨から見て説明が難しくなるかもしれません。逆に、介護の必要が高く同居が合理的で、手続きもきちんと踏めば、住み続ける道筋が見えやすくなります。
まとめ
同居で世帯収入が増えると、家賃が上がり、一定水準を超えると収入超過者や高額所得者として扱われる可能性があります。
いま大切なのは、兄の同居を正式に進めるのか、進めるなら収入報告後の家賃がどれくらい上がるのかを把握することです。あわせて、駐車場は車検証の使用者や車両サイズの条件があるため、登録変更が必要かを早めに確認すると安心です。
不安なときは、母の住宅を担当する窓口に、同居予定と駐車場の状況を前提に相談してみてください。ルールを守りながら選択肢を整理すれば、母の暮らしを守りつつ、家族としての支え方も考えやすくなります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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