成人式に「80万円」で買った振袖…母に「既婚の30代が着るのはマナー違反」と言われましたが、一度しか着れなかったので“もったいない”と感じます。袖を切れば大丈夫でしょうか?
振袖は高額な衣装ですが、誰がどの場面で着られるのか分かりにくいものでもあります。本記事では、振袖の価格帯や着用に関する考え方、袖を切るという選択肢について解説します。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
振袖の相場はいくら? 80万円は高い部類なの?
振袖の価格は、既製品であれば10万円台からある一方、作家物や伝統技法を用いたものでは100万円を超えるケースもあります。価格帯の幅が大きく、1つの基準で高い・安いを判断しにくいのが振袖の特徴です。
価格に影響するのは、生地の種類や染色方法、装飾の有無、仕立ての工程などです。同じ振袖であっても、どの工程に手間がかかっているかによって、価格には大きな差が生じます。このような実態を踏まえると、80万円という価格は特別に高額すぎるわけではないと言えそうです。
振袖は未婚女性だけのもの? 既婚で着るとマナー違反?
振袖は、和装の中では未婚女性の第一礼装と位置づけられてきた着物です。そのため、伝統的な考え方では「振袖=未婚」「黒留袖=既婚」という区分が一般的とされています。
この慣習を前提とすると、結婚後に結婚式の親族席など格式の高い場で振袖を着用した場合、周囲に違和感を与える可能性はあります。一方、個人的な記念撮影など私的な場面での着用について、明確に制限する決まりはありません。
結論として、振袖は「既婚だから一切着られない」のではなく、フォーマルな場では着用を控えるのが一般的なマナーと理解するのが現実的でしょう。
袖を切るのはアリ? 費用と注意点
振袖を着る機会が少ない場合、袖丈を短くして訪問着などに仕立て直す方法があります。振袖特有の長い袖を調整し、柄の出方を仕立て直すことで、装い全体の印象が落ち着きます。そうすることで、既婚後や年齢を重ねたあとでも着用しやすくなります。
費用の目安としては、袖丈を直すだけの簡易な仕立て直しで2万円前後とされています。ただし、柄の位置や全体のバランスによっては調整が必要となり、追加費用がかかるケースもあります。
振袖は柄が大きく入っていることが多く、仕立て直しを前提に作られていない場合もあります。仕立て直しが可能かどうかは、事前に着物専門店で現物を見てもらうのが確実です。
なお、一度袖丈を直すと元の振袖には戻せません。将来、娘やめいなどに譲る可能性があるか、成人式以外で着用する予定が残っているかを確認したうえで、慎重に判断しましょう。
まとめ
振袖は未婚女性の礼装として扱われてきた背景があるため、既婚後の着用については場面に応じた配慮が求められます。そのため、30代既婚で振袖を着ることがマナー違反かどうかは一律には決められず、フォーマルな場かどうかが判断の分かれ目になります。
場面の性質を踏まえたうえで選ぶのであれば、「もう絶対に着られないもの」と考える必要はありません。また、大切な振袖を今後も着る機会を考えるのであれば、仕立て直しを検討してみてはいかがでしょうか。
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
